文研ブログ

文研フォーラム 2016年02月17日 (水)

#9 日本人はますます早起きに? 国民生活時間調査2015 結果公表!

世論調査部 重森万紀

ブログ初登場、世論調査部の重森です。
文研・世論調査部では、テレビ視聴やメディア利用に関するもの、社会の動きに関するものなど各種の調査を実施しています。
これらの調査について詳しくは、おいおい、ご説明してまいりますが、
本日は、世論調査部が実施する調査のなかで、最も大規模な調査と言える「国民生活時間調査」についてお話しします。

まず、国民生活時間調査とは?
日本の国民のみなさんが、1日のなかで、何時にどのような行動をとっているかを調べる調査です。
無作為に選んだ調査対象の方に、日々の行動を、何時から何時まで●●した、と線を引いてもらいます。
1週間、ずっとひとりの方に書きこんでいただくのは、ご負担が大きすぎますので、
月曜火曜にお願いする方、火曜水曜に、…と、2日ずつ、ひとりの方にお願いしています。
結果、すべての曜日について2回ずつのデータが集まってくるように設計しています。

0216-1.gif<調査票の見本(一部)>

集まってきたデータからは、
たとえば「平日の午前6時に寝ている人は全国民の%いる」とか、
「全国民を平均すると、平日1日に仕事をしている時間は時間である」、
というようなことだけでなく、年層や職業別にも人々の行動の特徴がわかります。

調査結果は“ ひっぱりだこ ”
この調査のさらにすごいところは、5年に1度、1960年から継続して実施していることです。
長いスパンで、国民の生活の変化を捉えることができるのです。
このほかに生活時間に関する調査は、
少子・高齢化対策,文化施策評価等の各種行政施策立案の基礎資料を得ること”を主な目的とした、
総務省統計局の「社会生活基本調査」がありますが、
多岐にわたる生活行動を長期にわたって調査しているものは、日本ではこの二つ以外にありません。
そのため、NHKの 国民生活時間調査結果は、非常に多くの企業や機関で研究やマーケティングのために利用されています。
ちなみに、生活時間研究は、ひとつの分野を築いており、40か国以上の大学、統計局、政府機関、メディア、民間研究所などが会員となっている
「国際生活時間学会 International Association for Time Use Research」という学会も存在するんですよ。

0216-2.png<1963年から発行されている解説本>
  文研の図書室から借りて撮影しました。

さて、それでは、今回の結果からわかったことは!?
今回のデータからわかったことの、ほんのサワリですが…
 平日の朝の「早起き」が一層進み、「早寝」人も増加。
   そして、長く続いていた睡眠時間の減少傾向が止まりました。
 多くの年層で平日のテレビ視聴時間が減少しました。(涙)
 男性の家事時間は少しずつ増加していますが、男女差は…いまだ大きい。
 長時間(10時間を超えて)働いている人の割合は有職者の23%。
    この数字は、2000年以降ほぼ変わっていません。

などなど。

報告書には現在の国民の生活に関する発見が満載です。ぜひ、コチラへ!

また文研フォーラム3日目でも詳しく発表。
時の研究家・織田一朗さんも登場して、日本人と時間の知られざる関係について語ります。
お申し込みは
こちらへ。
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