文研ブログ

文研フォーラム 2016年02月12日 (金)

#8 文研フォーラム紹介④ 調査で気づいた「川と自分」

メディア研究部(メディア動向)福長秀彦

来月1日から始まる文研フォーラムまであと2週間余りとなりました。
私は去年9月に起きた鬼怒川の氾濫について、フォーラム2日目に同僚と二人で研究発表をします
私のパートは「放送研究と調査」2月号に書いた調査報告がモトになります。

調査をしていて一番ビックリしたのは、河川の用語の分かりにくさでした。
堤防決壊の原因究明に当たっている国の調査委員会を傍聴しましたが、
テイナイチガワテイタイカブセンクツが…」などという耳慣れない言葉が次々と交わされて、
最初はサッパリ分かりませんでした。
後で調べてみると、「テイナイチガワ」とは「堤内地側」で、川とは反対側の堤防で守られている土地側のこと。
「テイタイカブ」とは「堤体下部」で堤防本体の下の部分、
「センクツ」は「洗掘」で川の水によって堤防の斜面が削り取られることでした。

難解な用語と悪戦苦闘を続けるうちに、ふと自分が昔から川のそばで暮らしてきたことに気がつきました。
これまで特に意識したことは無かったのですが…。

子供の頃は、東京都と神奈川県の境を流れる多摩川の堤防のすぐ近くに家がありました。
河川敷は子供たちにとって格好の遊び場でしたし、上流に向かって堤防を歩くピクニックをしたものです。
大雨が降った時にこっそり川を見に行って、普段とは違う、荒れ狂ったような様相に息を呑んだこともありました。
NHKに就職し、福井放送局や高知放送局で勤務しましたが、いずれも川沿いに住んでいました。
福井では桜並木の堤防で小学生になった子供たちとサイクリングしたり、水鳥を観察したりするのが楽しみでした。
そして、今暮らしている東京の自宅も、氾濫を繰り返してきた神田川と善福寺川の合流地点近くで、
孫と川辺を散歩したりしています。

古くから馴染んでいたのに、川のことをよく知りもせず、知ろうともしていませんでした。
でも、今は違います。堤防や治水の歴史など川のことをもっと深く知って、
コミュニケーションの研究者として分かりやすく伝えたいと思っています。

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