文研ブログ

調査あれこれ 2023年04月05日 (水)

#469 中高生の学校生活、どんな感じ? ~第6回「中学生・高校生の生活と意識調査」から~

世論調査部(社会調査) 村田ひろ子

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 いよいよ新年度がスタート!新たな友だちや先生との出会いに、期待と不安の入り交じった気持ちでいる中高生の皆さんも多いのではないでしょうか。新しい教科書やノートで心機一転、「勉強頑張るぞ~」と張り切っている人もいるかもしれませんね。
 ところで、いまどきの中高生は、学校や先生、勉強についてどんなふうに感じているのでしょうか。
 文研が昨夏、全国の中高生を対象に実施した世論調査1)の結果をみると、学校が『楽しい(とても+まあ)』と答えたのは、中学生、高校生ともにおよそ9割を占めています。楽しい理由として、「友だちと話したり一緒に何かしたりすること」を挙げた中高生は7割台に上ります。

学校は楽しいか
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 学校といえば、部活動を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「部活動に入っている」と答えたのは、中学生が8割、高校生が7割。このうち、部活動に『満足している(とても+まあ)』という人は、中高ともに9割近くでした。
 それでは先生に対しては、どう思っているのでしょうか?担任の先生が、自分のことを『わかってくれていると思う(よく+まあ)』と答えたのは、中高ともにおよそ8割。身近な担任の先生が自分を理解してくれていたら、安心して学校生活がおくれそうですね。

担任の先生は、自分のことをわかってくれているか
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 さて、勉強についてですが、「一生懸命勉強すれば、将来よい暮らしができるようになると思う」中高生は7割台に上ります。多くの子どもたちが、勉強を頑張れば、豊かな将来が期待できると考えているようです。また、自分の将来に『期待している(とても+ある程度)』という中高生は6割台で、明るい将来展望を思い描いている様子がうかがえます。

「一生懸命勉強すれば、将来よい暮らしができるようになる」と思うか
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 ただ、進学意向についてみると、子どもたちが考える将来像は、親の状況によって少し異なっているようです。 進学の最終目標について尋ねたところ、親の学歴や生活程度2)が高いほど「大学・大学院まで」進学したいという中高生が多くなっています。

進学の最終目標(父親の学歴別)
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進学の最終目標(父親の生活程度別)
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 日本は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均と比べて教育費に占める家計負担の割合が高く、特に高校生・大学生のいる家庭の家計に教育費が重くのしかかっています。学費の負担ができずに大学進学をあきらめる子どもたちが相当数いることも指摘されています。子どもたちの将来が、親の学歴や経済状況によって左右されることがないように、格差の是正や教育費用の負担についての議論を高めていくことも必要ではないでしょうか。

中学生・高校生の生活と意識調査2022の結果は、こちらから!↓↓↓
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/20221216_1.html


1) 第6回「中学生・高校生の生活と意識調査2022」

2) 生活程度については、父母を対象にした調査で、「上」から「下」まで5段階で尋ねているが、このうち「上」と「中の上」を「上」、「中の中」を「中」、「下」と「中の下」を「下」としてまとめ、分析を行った。