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調査あれこれ 2022年01月27日 (木)

#361 幼児はインターネット動画をどんな機器で見ているのか ~2021年「幼児視聴率調査」から~

世論調査部(視聴者調査) 行木麻衣


 私には2歳と6歳の息子がいます。2人ともテレビ(リアルタイム)もインターネット動画も大好きで、テレビとインターネット動画視聴は日常生活のひとコマとなっています。我が家では、子どもたちがインターネット動画を視聴するときにスマートフォンやタブレット端末も利用しますが、最近では、テレビ画面でインターネット動画を視聴する機会が増えてきました。
 では、幼児はインターネット動画をどんな機器で視聴しているのでしょうか。東京30km圏内に住む26歳を対象にした2021年「幼児視聴率調査」のデータを見てみましょう。

 こちらのグラフは、休日をのぞくふだんの日にインターネットで動画を1日にどのくらい再生して見ているのかを尋ねたものです。「ほとんど、まったく見ない」という幼児も26%いますが、30分以上のインターネット動画利用者が51%と幼児の半数は日ごろから1日に30分以上インターネット動画を見ています。また、年齢別にみても、すべての年齢で30分以上のインターネット動画利用者が5割以上でした。

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 続いて、インターネット動画を視聴する機器についてみたのが下のグラフです。
テレビが最も多く65%、次いでスマートフォン、タブレット端末がいずれも39%で、スマートフォンやタブレット端末よりもテレビがインターネット動画視聴に使われていました。年齢別で見たところ、どの年齢でも6~7割程度がテレビを使用しています。
NHK放送文化研究所が13歳以上を対象に実施した別の調査では、インターネット動画利用者がインターネット動画を視聴する際には、テレビよりもスマートフォンが多く利用されていることが分かっています。インターネット動画視聴にテレビ画面が最も利用されているのは幼児の特徴なのかもしれません。

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 たしかに、我が家も「子どもに小さい画面でインターネット動画を見せると目が悪くなるかも…」、「子どもが見ているインターネット動画の内容を把握したいからテレビ画面で共有しよう…」といった経験があるため納得の結果となりました。
そして、今日も我が家では、子どもたちがテレビ画面でインターネット動画を見ている時、親である私はスマートフォンでNHKプラスを視聴するのでした…。

このほか、幼児にテレビはどのくらいの時間見られているのか、録画番組・DVD、動画利用の状況…など、2021年の結果は「放送研究と調査」12月号で報告していますので、お読みいただければ幸いです。