#334 予想外?予想どおり? 日本人の環境意識
世論調査部(社会調査) 村田ひろ子
皆さんは、スーパーやコンビニで買い物をするとき、レジでレジ袋をもらっていますか?それとも、持参した袋に買った商品を入れていますか?
文研が実施した環境に関する世論調査※1の結果をみると、レジ袋の有料化が義務付けられる前(20年6月以前)では、レジ袋を「毎回もらっていた」が53%と過半数を占め、「必要なときにだけもらっていた」(41%)を合わせた『もらっていた』は94%に上ります。
一方、有料化が義務付けられた後(20年7月以降)では、「毎回もらっている」は、わずか3%で、「必要なときにだけもらっている」を合わせた『もらっている』は50%です。レジ袋をもらっている人は、有料化が義務付けられた後、大きく減少したことになりますが、これは、ほぼ予想どおりの結果でした。
一方で、レジ袋の有料化が、プラスチックごみの削減につながると思っている人は、予想以上に多くいました。有料化がプラスチックごみの『削減につながる』という人は70%※2で、『削減にはつながらない』の28%を大きく上回っていたのです。ペットボトルなどのプラスチック製品も大量に使われているので、レジ袋を有料化してもプラスチックごみの『削減にはつながらない』と考える人が多いのでは?と予想していたので、私はやや意外に感じましたが、皆さんはどう思われますか?
調査では、人々が気候変動問題をどうとらえているかについても尋ねています。「気候変動による世界的な気温の上昇」が危険だと思っている人は、どれくらいいたのでしょうか・・・?
答えは75%! 調査方法が異なるため単純な比較はできませんが、10年前の調査でも、76%もの人が気温の上昇を危険視していて、多くの日本人が気候変動を心配していることがうかがえます。
「放送研究と調査」2021年6月号では、「脱炭素時代」を迎え、日本人が環境問題とどう向き合い、行動しているのか、世論調査の結果からご紹介しています。2011年の福島第一原子力発電所の事故を受けて、原発や放射性廃棄物に対する意識がどう変わったのかも注目のポイントです。ぜひご一読ください!!
※1 ISSP国際比較調査「環境」・日本の結果 時期:2020年10月28日~12月2日、
調査方法:郵送法、調査対象:全国18歳以上の2,400人、調査有効数(率):1,491人(62.1%)
※2 回答結果をまとめる場合は、実数で足し上げて%を計算しているため、
単純に%を足し上げた数字と一致しないことがある。