文研ブログ

調査あれこれ 2020年09月08日 (火)

#269 「データをもっと身近に!~国民生活時間調査の新サイト誕生」

世論調査部(視聴者調査) 木村義子


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文研サイトには、さまざまな調査結果の論考がPDFで掲載されています。
でも何だか「とっつきにくいな」とか、「調査データを使ってみたいけどPDFは扱いにくいな」…など感じたことのある、メディア関係者や研究者の方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
 この新サイトは、それらを解決し、世論調査データをもっと多くの方に利活用して頂きたけたら…という思いでスタートした試みです。ぜひ、実際にサイトを、ご覧いただければ幸いです!

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 ・・・とその前に、このブログでは、国民生活時間調査について少しだけご紹介した後、
「ここをぜひ見て!」というポイントを3つご紹介します。手っ取り早く、サイトの魅力を知りたい方は、ぜひもう少しだけ、お付き合いください。

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 「日本人は1日をどんなふうに過ごしているのか」。国民生活時間は、ズバリ、日本人の生活そのものがデータから見えてくる調査です。1960年から5年ごとに、NHK放送文化研究所が行ってきた歴史ある調査で、統計の基礎データとして、各方面で活用されてきました。マスメディアへの接触のみならず、睡眠・仕事・学業・家事・レジャー活動・食事など、生活行動別に時間の使い方がわかることが特徴です。

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 今回、サイト制作で心掛けたのは、データを身近に感じてもらうこと。そのために、まずはデータを見て、実際にふれてほしい、と作られたのが、この動くバブルチャートです。

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 好きなデータを選び、時計を動かすと…様々な生活行動を表したバブルチャートの大きさが、時間と共に変わります。グラフは左右2つあり(スマホ版は「矢印」で左右グラフを切り替え)、2つのデータの比較もできます。使用しているのは、「時刻別行為者率」=1日の中で、ある時刻に該当の行動をしている人の割合を、15分ごとに示したデータです。
 例えば、この画像では、左側に2015年20代男性の平日、右側に2015年50代女性の平日のデータが選ばれていますが、朝7時~7時15分に、男性20代は【睡眠】【身のまわりの用事】【通勤】が大きく、女性50代は【家事】【マスメディア接触】【食事】が大きいことがわかります。同じ時刻でも、属性の違いで、生活行動が大きく違うことが、円の大きさで直観的にわかるようにしました。

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 調査結果を、1テーマごとに簡潔に紹介した「データにまつわる話」。いわば、コラムです。2015年調査の結果を中心に、全部で5つのコラムを掲載していますが、2020年秋にも調査を実施するため、新しい結果が出たら、コラムは増やしていく予定です。もし、コラムを読んで、詳しく知りたいと思ったら…「放送研究と調査」の関連記事ともリンクしていますので、ぜひ、あわせてお読みください。

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 そして最大のポイントは、1995年~2015年までの主な調査結果を、CSVデータとしてダウンロードできること。研究者の方やデータに関心のある方に、ご活用頂ければと思います。ダウンロードできるデータの種類は、バブルチャートの元となっている「時刻別行為者率」や、「全員平均時間量(日本人全体が、その行動に費やした時間量の平均)」などです。調査年や、どの種類の層(国民全体・男女年層別・職業別・在学別・都市規模別)のデータが欲しいか、選んでダウンロードできます。
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 生活時間調査のチームでは、この秋の2020年調査の実施に向けて、準備を進めています。今回は期せずして、コロナ禍での日本人の生活を調査でとらえることになりそうです。この新サイトと共に、2020年の結果(2021年公表予定)にも、ぜひご期待ください。