文研ブログ

調査あれこれ 2019年08月23日 (金)

#203 「放送のインターネット同時配信」で、テレビコンテンツの視聴機会が増える!?

世論調査部(視聴者調査)山本佳則


リビングでスマホのアプリを起動させ、見逃していたテレビコンテンツを夜な夜な視聴する妻(本当は放送と同時にリアルタイムで見たいのだが・・)、その横の寝室で子どもを寝かしつける私。

日中は仕事・育児・家事に追われ、ゆっくりテレビなんて見られない!
ましてや子どもが寝てからは、テレビはなんとなくスイッチを点けにくい!
テレビコンテンツを、インターネットを経由してスマホで視聴することが、我が家では普通の光景になりつつあります。

放送研究と調査7月号」では“ユーザーからみた新しい放送・通信サービス”と題し、2018年11月に実施した「メディア利用動向調査」の結果を掲載していますが、この中から「放送のインターネット同時配信」についての報告の一部をご紹介します。


まず、実際に利用したいと考える人はどの程度なのか、「あなたは、インターネット同時配信が災害時などに限らず、日常的に実施されるようになったら、利用したいと思いますか」と尋ねました。

結果は「利用したいと思う」と「どちらかといえば利用したいと思う」を足した「利用したいと思う」計が全体で37%でした。男女年層別にみると男女16~29歳、男40~50代でおよそ5割と全体よりも高く、若中年層で一定の需要があることがうかがえます。

<インターネット同時配信の利用意向>(男女年層別)
19823.png
   
は全体と比べ統計的に高い層であることを示す


次にインターネット同時配信の利用意向はテレビ視聴時間の長短と関係があるのかをみてみました。
ここでは、テレビの視聴時間が比較的長い高齢者を除いて59歳以下の方に絞っています。

<インターネット同時配信の利用意向とテレビ視聴時間量(59歳以下)>
19823-2.png
                        
は「利用意向なし」と比べて統計的に高いことを示す
                           〇は「利用意向なし」と比べて統計的に低いことを示す

同時配信を「利用意向あり」の人は「意向なし」の人に比べて、「テレビをほとんど、まったく見ない」は少なく(10%<16%)、逆に「テレビを30分~1時間くらい視聴する」は高くなっています(33%>27%)。

つまり、インターネット同時配信の利用意向のある人は、テレビに接触しているものの視聴時間が短い、いわゆる“ライトユーザー”であると考えられます。

まさしく私も妻も子育て中の身で、いわばテレビ視聴の“ライトユーザー”。
インターネット同時配信が始まったら、みたかったスポーツやドラマも、リアルタイムでスマホで視聴できるようになるかも・・と期待しつつ。

放送研究と調査7月号」もぜひご覧ください。