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調査あれこれ 2018年05月11日 (金)

#124 トランプ政権1年 日米同時世論調査から

世論調査部(社会調査) 吉澤千和子

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世界に衝撃を与えた2017年1月のトランプ政権の発足から1年3ヶ月あまりが経ちました。メキシコ国境に壁を建設して移民の規制を強化する方針を打ち出したり、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱したり、さらには鉄鋼製品などの輸入制限措置、初の米朝首脳会談を行う意向表明など、トランプ大統領にまつわるニュースを目にしない日はないかもしれません。

先月、フロリダで日米首脳会談が行われました。一緒にゴルフを楽しみ親密さを示した両首脳、北朝鮮に非核化に向けた行動を求めることでは一致しましたが、経済や貿易の問題では、自国の利益を優先する姿勢を鮮明にしているトランプ大統領が日本との間の貿易赤字削減に強い姿勢を示し、今後厳しい交渉となることも予想されます。

私たちの暮らしに大きな影響を与えるトランプ大統領の政策や言動について、アメリカや日本の国民はどう見て、今後についてどう考えているのでしょうか。NHKでは就任1年を前にした去年12月にアメリカと日本の両国民の意識を探る日米同時世論調査を実施しました。

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■トランプ大統領に良い印象を持っているのはどんな人?

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トランプ大統領に良い印象を持つ人は、アメリカで3人に1人、日本では5人に1人と多くはありません。
では、アメリカでトランプ大統領に良い印象を持っているのはどんな人なのでしょう?まとめると下の表のようになり、共和党を支持する白人の男性で、地方に住み、年齢は40歳以上の中高年、そして年収の高い人たちとなります。
逆に、トランプ大統領に悪い印象を持っているのは、民主党支持層、黒人、女性、都市在住者、若年層です。 

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■アメリカ第一主義は支持されているの?

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トランプ大統領がスローガンに掲げるアメリカ第一主義をどう思っているかについても聞きました。日本では3人に2人が良くないと思っていますが、アメリカでは6割の人が支持しています。アメリカでは、トランプ大統領へは悪い印象を持つ人が多い一方で、アメリカ第一主義については、多くの人が支持しています。

このほか、調査では「アメリカは分断が深まったと思うか」や「アメリカは世界で指導的役割を果たすべきか」「北朝鮮問題の解決方法」「日米関係の展望」なども聞いています。詳しい分析結果は『放送研究と調査』5月号 に載っていますので、ぜひご一読ください。