文研ブログ

調査あれこれ 2018年04月06日 (金)

#120 東京オリンピックまで2年余り。あなたが見たい競技は!?

世論調査部(視聴者調査) 斉藤孝信

年度替りのこの時期はただでさえせわしなく感じるものですが、今年は桜の開花が早かったせいか、あるいは日本勢の活躍に沸いたピョンチャンオリンピック・パラリンピックに夢中になっていたせいか、特にあっという間に時間が過ぎ去った気がします。
あっという間といえば、2020年東京オリンピック・パラリンピック。開催決定の頃には「まだ先の話」と思っていたのに、気が付けば、残すところ2年余りに迫ってきました。
世界の一流アスリートを直接見られるチャンス!楽しみです。テレビ観戦でも、最近の夏のオリンピックは、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと、「地球の裏側(?)」で開催されたため、深夜・早朝の競技中継が多く、寝不足に悩まされた方も多かったと思いますが、2020年は「良い時間」に見られそうで楽しみですね。

皆さんは、2020年の東京オリンピックでどんな競技の観戦を楽しみにしていますか?
文研が2017年10月、全国の20歳以上の男女3600人を対象に実施した「2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」では、東京オリンピックでどんな競技や式典を見たいと思うかを、複数回答で尋ねました。

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トップ5をみてみると、「体操」が71%で最も多く、以下、「陸上競技」「開会式」「競泳」「卓球」も半数以上の人が見たいと回答しました。前回のリオ大会で、男子団体が「体操王国」の意地を見せて金メダルを勝ち取った「体操」や、男女とも団体でメダルを獲得した「卓球」(すさまじいラリーに、手に汗握った方も多いのではないでしょうか)など、日本勢の活躍が印象的だった競技が上位を占めています。きっと調査にご協力くださった皆さんが、あの感動を思い起こしながら調査票に○をつけてくれたのだろう、と想像しながら集計しました。

前回私が担当したブログ(2017年11月10日号)では、1964年の東京オリンピック直前にも、文研が東京都民を対象に世論調査を行っていたことをご紹介しました。再び当時の調査結果をひもといてみると、そこにも「どんな種目を見たいか」という質問項目がありました。

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当時のトップ5は、「水泳」「体操」「開会式」「マラソン」「陸上競技」。やはり直前の大会(1960年ローマ)で日本が多くのメダルを獲得した水泳や体操を見たいと答えた方が多く、「次も活躍してくれるはず!」「東京でも勇姿を見せてくれ!」という期待が大きかったのだろうと想像できます。

ちなみに、1964年東京大会終了後の11月に行われた調査では、「とくに印象に残っている競技」を1人3種目まで挙げてもらっているのですが、この結果も面白い!

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大会直前の「見たい種目」としては37%だった「バレーボール」が78%でトップになったほか、事前には8%だった「重量あげ」も44%の人が「マイ・ベスト3」に挙げたのです。皆さんご存知の通り、バレーボールでは「東洋の魔女」の愛称で知られる女子チームが当時のソ連を破って金メダル、男子も銅メダル。重量あげでは三宅義信選手が金メダルを獲得しています。こうしたデータを振り返ると、気が早いようですが、2020年の東京大会ではいったいどんな競技のどんな選手が私たちに感動を与えてくれるのか、今から楽しみです!

話を戻しますと、2017年10月調査で尋ねた「見たい競技」を男女別に集計してみると、興味深い違いが明らかになりました。果たして男性、女性、それぞれが見たいと思っている競技とは!?さらに、2020年東京大会から追加種目となる「野球・ソフトボール」「スポーツクライミング」「空手」「スケートボード」「サーフィン」は、現時点でどの程度の人が見たいと思っているのでしょうか?
こうした分析結果は、『放送研究と調査』4月号で、詳しくご報告いたします。
どうぞお楽しみに!