文研ブログ

調査あれこれ 2017年11月10日 (金)

#101 東京オリンピック、ふたたび!

世論調査部(視聴者調査) 斉藤孝信

◆嗚呼(ああ)、なつかしのオリンピック ~文研の倉庫を掘り起こしてみれば~

2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで、早いもので残り3年を切りました。そこで今回のブログでは、オリンピックのお話をさせていただきます。
皆さんの記憶に残っている一番古いオリンピックは何大会でしょうか?40歳の私にとっては、1984年のロサンゼルス大会です。ロケット・ベルトを装着した宇宙飛行士のような格好の人が空を飛んだ開会式。柔道の斉藤仁さんと山下泰裕さんの感動の金メダル。毎日、家族と一緒に、ブラウン管テレビにかじりついて観戦した思い出があります。
53歳以上(「記憶」ということでいうと、50代後半ぐらいからでしょうか)でしたら、「1964年の東京オリンピックだ!」という方も多いと思います。開会式やバレーボール「東洋の魔女」の映像は今でもよく目にしますが、大会前に高速道路や鉄道網の整備が急ピッチで進んだこともよく知られています。きっと東京の街は大騒ぎだったのだろうなあ、と想像します。
当時の人々はどんな思いでオリンピックを迎えようとしていたのか。実は開催直前の1964年6月に、文研が東京23区民を対象に世論調査を行っていました。
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文研の倉庫に保管されている64年調査の資料


それによると、「オリンピックが開かれるのをうれしく思うか」という問いには、92%が「うれしい」(「大変うれしい」+「うれしい」)と答えていました。

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さらに時代を反映していて面白いのは「どんな点で一番関心をもっているか」という問いで、最も多かったのが「外国に対してはずかしくないオリンピックの運営ができるかどうか」の36%で、「日本選手がよい成績をあげるかどうか」の23%を上回っていました。戦後最大の国際イベントだっただけに、人々が、日本の復興を世界にアピールできる機会を喜び、並々ならぬ思いで成功を願っていた様子がひしひしと伝わってきます。

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◆迫る!2020年東京オリンピック・パラリンピック 人々の期待と不安の「現在地」を報告します

それから半世紀あまり。東京で2度目となるオリンピックが迫る中、文研では全国3600人を対象に「2020年東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」を昨年10月に実施しました。
開催都市になることへの評価を尋ねたところ、8割を超える方が「よい」と答えました。9割以上の方が開催を喜んでいた1964年調査とは質問も対象の地域も違うので単純に比較はできませんが、多くの人が肯定的にとらえていることがわかります。こうした調査は2020年まで毎年10月に実施しますので、今後、人々の思いがどのように変化していくのかも楽しみです。

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今回の調査結果は、『放送研究と調査』11月号に掲載中です。「東京都民」と「東京都民以外」での比較分析もしています。期待や不安の度合いに、果たしてどんな違いが見られるのでしょうか!?
さらに!実は今年10月に、2回目の調査も実施しまして、今まさに鋭意分析中です!いずれ皆さんにご報告できればと思っておりますので、そちらも合わせて、どうぞお楽しみに。