文研ブログ

2023年4月19日

メディアの動き 2023年04月19日 (水)

【メディアの動き】テレビ朝日『タモリ倶楽部』が最終回,40 年余りの歴史にピリオド

テレビ朝日系列で1982 年10月から放送されてきた『タモリ倶楽部~ FOR THE SOPHISTICATEDPEOPLE ~』が3月31日深夜(4月1日未明)で,41年にわたる放送を終えた。

テレビ朝日は終了について「番組としての役割は十分に果たしたということで,総合的に判断した」としている。

コロナ禍の時期などを除き,番組はほぼ一貫して全編ロケスタイルで制作された。番組内では「低予算でスタジオセットが組めない」と説明し,MCのタモリによる「毎度おなじみ流浪の番組『タモリ倶楽部』でございます」という口上が人気だった。

開始当初から深夜特有の独自性の高い企画を放送し,番組内のミニコーナーなどで“サブカルチャー”をいち早く取り上げるなど,世に数々のブームをもたらすきっかけとなった。

タモリ個人の鉄道の趣味に寄り添う「タモリ電車クラブ」や,洋楽歌詞の聞き間違いを募集しVTRを添え楽しむ「空耳アワー」などが特に注目されてきたが,番組は長年にわたり音楽・アート・料理・伝統文化・地形,時には専門性のきわめて高いニッチな工業製品の世界なども,『タモリ倶楽部』ならではの軽快さで伝えた。

もちろん,深夜帯ならではのお色気度の高いものもあったが,マイナーなテーマを数多く取り上げるというスタンスは,多くのテレビ番組制作者にとって憧れ・目標でもあった。

最終回は,ネット上にあふれるタモリ考案の料理レシピの不確実さを,本人がいつもと変わらずゆるい空気で訂正していった。

メディアの動き 2023年04月19日 (水)

【メディアの動き】GYAO!が終了, U-NEXTとParaviが統合など 動画配信サービスの再編進む

ヤフーのグループ会社GYAOの動画配信サービスGYAO! (ギャオ)が,3月31日に終了した。

GYAO!は,Yahoo! 動画とGyao(当時のUSEN)が2009年に統合して発足し,早くからテレビ局の公式動画などの見逃し配信を行ってユーザーを獲得してきた。

しかし,2015 年にコンテンツホルダーである民放テレビ局自体が連合し,TVerを開始した。

また,2019 年にLINEとヤフーが経営統合。2023年2月には,2 社と,その親会社にあたるZホールディングス(以下,ZHD)が合併した。

ZHDが内部の重複・類似する事業の整理を進めていることに加え,2023年1月31日に,TVerとZHDが長期的な業務提携に向け基本合意したことも,GYAO !終了の理由とみられる。

一方,同じ3月31日には,動画配信サービスU-NEXTとParavi(プレミアム・プラットフォーム・ジャパン)が経営統合した。

U- NEXT が存続会社となり,2023年7月からはサービスも統合する予定で,視聴者370万人以上,売上高800億円超の規模となり,国内勢では最大となる見込みだ。

TELASA,FOD,NHKプラスなど, テレビ局が単体で自社の見逃し配信を展開し,さらにNetflixやAmazonプライムビデオなど海外プラットフォーマーに国内のテレビ番組が外販されている。

プラットフォームが乱立し,視聴経路がきわめて複雑になる中,ユーザーはどれを選べばいいのかがわかりづらい状態が続いている。

今後のプラットフォーム再編などさらなる動きを注視したい。