文研ブログ

2020年5月27日

調査あれこれ 2020年05月27日 (水)

#250 何が避難行動を後押しするのか!? ~「災害に関する意識調査」結果から~

世論調査部(視聴者調査)  中山準之助

 

突然ですが、いま、あなたが、大きな災害に見舞われたとします。 どういう状況になれば避難しますか?

また、放送で、アナウンサーに“どう呼びかけられたら”避難しますか?

 

阪神・淡路大震災から今年で25年。

地震や豪雨などの自然災害に人々はどう向き合っているのか、全国世論調査を実施しました。

 

その中で、「どうすれば避難行動を起こしてもらえるのか」、避難行動を後押しする “トリガー” について探りました。

まず、どのような状況のときに避難しようと思うのか。避難行動を後押しすると思うものを選んでもらった結果です。

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グラフからもわかるように、複数回答でも、1番目に答えた回答でも、順番はほぼ変わらず、

最も多いのが、「周囲の状況から危険を感じたとき」で、次いで、「消防団などから直接避難を促されたとき」、

「家族や知人に避難を強くすすめられたとき」など“身近な人などからの直接的な呼びかけ”が上位を占めました。

つまり、危険を自分事として捉えられたとき、人々は避難行動を起こすことがみてとれたのです。

 

また、アナウンサーからどのように言われたときに避難しようと思うかを尋ねた結果は、次のようになりました。

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最も多いのが、「詳細かつ身近な地名を言われたとき」。次いで、「直ちに、避難してください」。

これらから、差し迫った危険を自分事として感じてもらうためにも、

「どこ」にいる人が、「いつ」避難すべきなのか、具体的に示されることが必要であることがみえてきたのです。

 

では、放送で、“誰に”呼びかけられたら避難しようと思いますか?

その結果は、「放送研究と調査」2020年4月号で、詳しく紹介しています。

 

今回の調査では、避難行動を後押しする“トリガー”のほかにも、様々な質問をしました。

 

▼自宅での災害への備えが「不十分」と思う人が大半を占めている。

▼食料や飲み水を自宅で備蓄する人が減ってきている。

▼地域の高齢化や近所づきあいが減っていることを背景に、

  大災害時に住民どうしの助け合いが「期待できない」という人が増えている。  等々

 

調査結果から浮かび上がった災害や防災に対する人々の意識を参考に

地域の実情にあわせて、被害を減らす対策に役立てていただければ幸いです。

是非、ご一読ください。