文研ブログ

2016年3月11日

文研フォーラム 2016年03月11日 (金)

#15 文研フォーラム報告② 「放送100年史」「新・アクセント辞典」「震災アーカイブ」

メディア研究部 中尾益巳

前回に続き、先週開催された「NHK文研フォーラム2016」の報告です。2日目、3日目から3つのプログラムについて簡単にお伝えします。

2日目
C ワークショップ まだ先?既に準備期間?「放送100年史を構想する」
フォーラムの7つのプログラムの中で唯一、ホールではなく会議室で行われた少人数のワークショップでした。ラジオ第一声の放送開始から100年経つ2025年にどのような手法で歴史をまとめ発表するのか、9年前の今から考えようという、先の長いプロジェクトの第一歩です。
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まず問題提起として、東京大学大学院情報学環の松山秀明特任助教がNHKや民放各社がこれまで発行してきた放送史を振り返り、100年史のいくつかの選択肢を示しました。それに対しコメンテーターの丹羽美之准教授はコンテンツ重視の「文化史、社会史としての放送史」を提案。社史研究家の村橋勝子さんの「社史はその会社が関わる領域のディープな資料集」という専門家ならではの言葉も奥深いものでした。さて9年先、放送はどうなっているのでしょうか?
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D
 新・NHKアクセント辞典 ポイント解説! ~改訂から見える“放送のことば”~
今年、アナウンサーやナレーター必携の「NHK日本語発音アクセント辞典」が18年ぶりに大改訂されます。どこがどう変わるのかを、改訂の中心となったメディア研究部 放送用語・表現グループの塩田雄大が解説すると、 “ことばおじさん”こと元NHKアナウンサーの梅津正樹さんが、新しく採用されるアクセントに疑問や反論をぶつけ、予想外の熱い論争が繰り広げられました。ラジオやナレーションの場で辞典(アプリ)を欠かせないユーザー代表・秀島史香さんは両者の間に入りながらも、日本語の面白さを改めて感じていたようです。なお、このプログラムは後日、動画で公開する予定です。お楽しみに!

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3日目
G 東日本大震災から5年 “伝えて活かす”震災アーカイブのこれから
3日間のフォーラムの最後は、震災から5年を迎えた今だからこそ語り合うシンポジウム。大学や自治体、国会図書館そしてNHKなどで写真や映像のデジタルアーカイブを担当している専門家が集まり、「持続性」と「利活用」をテーマとして語り合いました。
登壇者は全部で7人もいましたが、話が分散することはなく、記憶を未来につないで再びの災害を防ぐためにアーカイブを使っていこうという目的は一致。熱のこもった発言が続きました。特に首都大学東京の渡邉英徳准教授はアーカイブをグラフィカルなデータコンテンツとして見せる手法を紹介。観客の関心を集めていました。このシンポジウムは後日、文研の月刊誌「放送研究と調査」でもお伝えする予定です。
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3日間の参加者数はのべ1,312人となりました。これは近年ではかなり多い数字です。会場でのアンケートでも非常に好評でした。ご参加いただいた皆様、改めて御礼申し上げます。上述したように、いくつかのテーマはこれから「放送研究と調査」や動画でご紹介していきますので、ご来場されていない方もぜひご覧ください。