「晩夏」

2021年9月6日

作:井上 靖

(2020年9月14日放送のアンコール)

夏場だけ海水浴でにぎわう、半島の漁村で育った私。小学校の四年か五年だったある夏、避暑のために、村で一番大きい旅館の離れを借りている家族がいた。私は、その家族の娘、きぬ子という病弱な少女に、思慕の情を燃やしていく…。

テキスト:井上 靖「晩夏」(中公文庫「教科書名短篇 少年時代」所収)

語り:山岡裕明

「栄光の証言」

2021年9月13日

作:東野圭吾

今年で四十五になる正木孝三は、土曜日の夜、おでん屋からアパートに向かう帰り道、路地で男が2人もみ合っているような様子を目撃する。翌朝、部屋の外を見ると、通りにはパトカーが数台とまり、人だかりもできていた。聞けば、路地で人殺しがあったという…。

テキスト:東野圭吾「栄光の証言」(集英社文庫「毒笑小説」所収)

語り:羽隅将一

「こーちゃんのおみそ汁」

2021年9月20日

作:小川 糸

幼い頃に母を亡くした呼春(こはる)は、おみそ汁を毎朝作り続けてきた。前の晩に煮干しを仕込んで、朝、ダシを引く。母の作り方を教え込まれた幼い呼春は、母とある約束をしていたのだ。そして、結婚する日の朝。呼春は父におみそ汁を作る。

テキスト:小川 糸「こーちゃんのおみそ汁」(新潮文庫刊「あつあつを召し上がれ」所収)

語り:久保田祐佳

「どこから行っても遠い町」

2021年9月27日

作:川上弘美

(2019年10月14日放送のアンコール)

羽生高之には、妻・千秋と娘の千夏がいる。千夏の受験をめぐって千秋と意見が対立し、ふたりにすきま風が吹き始めたころ、高之は純子と出会い、不倫関係になる。ある日、純子から「我慢できない」と迫られ、千秋からは、「そろそろマイホームを買おう」と言われる。

テキスト:川上弘美「どこから行っても遠い町」(新潮社「どこから行っても遠い町」所収)

語り:原口雅臣