「なつかしいひと」

2021年5月3日

作:宮下 奈都

(2018年7月9日放送のアンコール)

主人公は、母を亡くした中学生、園田太一。太一の家族は、母がいなくなった辛さに耐えられず、母の実家に住まわせてもらうことになった。慣れない土地で学校になじめず、悲しみで何も手につかない日々を送っていた太一。ある日、街の本屋で不思議な少女に出会う。

テキスト:宮下奈都「なつかしいひと」(光文社文庫「大崎梢リクエスト!本屋さんのアンソロジー」所収)

語り:大槻隆行

「梅の蕾」

2021年5月10日

作:吉村 昭

岩手県三陸海岸のある過疎の村。悩みは医師不在の村営診療所の運営だ。その村へ、千葉県の癌センターに勤務する医師、堂前が家族でやってきた。夫人は野草摘みが趣味で、村の人とも親しくなり、一緒に山に入った。しかし、その夫人は病を抱えていた。

テキスト:吉村昭「梅の蕾」(文春文庫「遠い幻影」所収)

語り:黒沢保裕

「神無月」

2021年5月17日

作:宮部 みゆき

毎年、神無月にだけ行われる押し込みがある。黒装束、黒ずきんに身を包んだその男が脅し取るのは、その場にある現金のみ。襲われる家はばらばらで、共通点も見つからない。その最後の現場には、なぜか小豆の粒が落ちていた。

テキスト:宮部みゆき「神無月」(新潮文庫「親不孝長屋 ―人情時代小説傑作選―」所収)

語り:滑川和男

「ロージン」「マッサージ」

2021年5月24日

作:東 直子

「ロージン」… 40代で病死した母親が、死後の世界で「物としてなら元の世界に戻してやる」といわれ、その「とりつくしま」に選んだのは、野球の試合に使われる滑り止めのロージン。軟式野球の投手である息子の最後の大会を見守るためだった。

「マッサージ」… 働き盛りで死んだ男は、リビングにある「マッサージチェア」を「とりつくしま」に選ぶ。高性能で、家族が喜んで使っているだろうと期待していたが、さにあらず…。

テキスト:東直子「ロージン」「マッサージ」(ちくま文庫「とりつくしま」所収)

語り:松尾剛

「そして、だれも……」

2021年5月31日

作:星 新一

新しい星を発見するという目的のため、地球を出発した宇宙船。5人の探検隊は、長い旅の退屈しのぎにトランプで遊ぶことが日課となっていた。いつものようにトランプをしていたある時、隊長の姿が見あたらないことに気がつく。

テキスト:星新一「そして、だれも……」(新潮文庫「なりそこない王子」所収)

語り:鈴木貴彦