休止
2021年1月4日
「白石城死守」
2021年1月11日
作:山本周五郎
慶長5年、関ヶ原の合戦に臨む徳川家康の依頼を受け、伊達政宗は会津の上杉をけん制するため、占領したばかりの白石城から岩手沢に陣を退くこととなった。城の留守を任された若い家臣の浜田治部介は、攻撃を受けたときはすぐに援軍を送るので使いを送れと指示され、わずか51人の手勢とともに城に残る。その直後、白石城は上杉の猛攻を受ける。しかし治部介は援軍を頼むことをせずに、そのまま籠城を続けることを決意する。その真意とは?
テキスト:山本周五郎「白石城死守」(講談社文庫「白石城死守 山本周五郎コレクション」所収)語り:杉原 満
「一冊の本」
2021年1月18日
作:大島真寿美
(2020年1月13日放送のアンコール)
半世紀以上にわたり私設図書館の館長を務めた父が亡くなった。一人娘の洋子は喪主として立派な挨拶をするが、実はその挨拶は生前父が書き置いたものであり、しかもその内容は大嘘だった・・・。
父の「置き土産」に翻弄されながら、やがてその目的に気づいた洋子は、「『父』という分厚い本を、ほとんど読まないままに返却したこと」に思い至る。
語り:山田敦子
「御船橋の紅花」
2021年1月25日
作:山本一力
色々な職人が暮らす江戸の町人長屋。その中に還暦を過ぎた、担ぎ売りを商う泰造がいる。無愛想で、若い店子からは疎まれる始末。しかし、商う姿勢は若い頃から真面目そのもの、頑固一徹。儲けもあくまでお客様本位。この一直線な生き方に、差配の甚五郎は一目置いている。そんな泰造に天ぷら屋台の女将との懸想話が持ち上がる。町ではもう評判だという。それを聴いて、甚五郎は泰造のためにひと肌脱ごうと決心する。
テキスト:山本一力「御船橋の紅花」(朝日文庫「情に泣く」所収) 語り:山本哲也