紅梅月毛(こうばいつきげ)

2019年4月1日

作:山本周五郎

(2018年6月4日放送のアンコール)

本多家の家臣深谷半之丞(はんのじょう)が戦場で共に戦った名馬「紅梅月毛(こうばいつきげ)」。戦場で離れ離れになってしまった。戦に勝利し、「半之丞が乗る馬はどんな馬でもたちまち名馬となる」と評判が広まる。家康・秀忠の前で馬比べが行われることになる。そんな中、半之丞は、農民が連れているよぼよぼの馬を買い取る。この馬に乗って半之丞は、3位になる。家康の質問に「戦場ではどんな馬でも乗りこなす。これが、本多家の家風である」と堂々と答える。最後に実はこの馬は「紅梅月毛」ということがわかる。馬と人、山本周五郎の思いが伝わってくる作品。

語り:飯田恵一

「黄泉から」

2019年4月8日

作:久生十蘭

主人公の光太郎はフランス遊学から大戦直後の日本に帰国した。近い家族にはすべて先立たれ、唯一の肉親で光太郎を慕っていた従妹のおけいも、戦争中にニューギニアで亡くなっていたが、特に思い出すこともなくフランスで身につけた知識を生かして美術品の仲介人として日々を暮らしていた。終戦翌年のお盆に、光太郎は、戦争で亡くなった弟子たちを悼む恩師に出会う。おけいへの情のなさを責められ、自己流でショコラとマロン・グラッセとワインで彼女を迎える支度をしていると、おけいの戦地での同僚だった千代が、偶然訪ねてくる。千代は、おけいの最期の日々を光太郎に語りだすのだった…。

語り:吉岡大輔

「失恋の演算」

2019年4月15日

作:有川 浩

小さい頃から、よく間違えられてきた双子の兄弟、修司と貴司。ある日、貴司が連れてきた彼女は、決して修司と貴司を間違えることはなかった。そんな彼女に惹かれていく修司だが、それは決して許されない恋だった。そんな思いを抱えつつ、貴司の結婚式の日が訪れる。兄弟とその彼女をとりまく優しさと失恋の物語。

語り:塩澤大輔

「千姫桜」

2019年4月22日

作:有吉佐和子

(2018年3月10日放送のアンコール)

豊臣秀頼の正室でありながら、大坂城落城を生き延びた千姫は、いまは吉田御殿の女主人である。世間では、「若い男を庭の井戸に切り捨てる」とはやり唄に歌われるほど、悪い噂が広まっていた。ある春の宵、吉田御殿の桜見物に、女歌舞伎が召し出された。一座を率いるお園は、笛吹きの四郎と恋仲だが、四郎が千姫の目に止まるのではあるまいかという怯えが頭から離れない。やがて篝火に照らされた夜桜の下、桜の枝を手にした女たちの舞や踊りが始まって…。

語り:秋鹿真人

休止 (ラジオ深夜便特番「平成とともに30年『ラジオ深夜便』新時代へ」のため)

2019年4月29日