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〝リアルすぎる〟防災教育

避難情報を発信しても、なかなか避難行動につながらない。意識を変えるためにはどうすればいいのか? 大牟田市が出した一つの答えが「子どもたちの教育」です。昨年から市内の中学校とタッグを組んで独自の防災教育カリキュラムを進めています。〝リアルすぎる〟防災教育の現場に密着しました。

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大牟田市立宅峰中学校。2020年の水害で、学校周辺も被害を受け、一部の生徒が帰宅できなくなったという経験から、大牟田市とタッグを組んで防災教育に力を入れました。

3年をかけて防災を学ぶカリキュラムを作成し、学習を進めてきたのです。

〝リアルすぎる〟防災教育

座学の他に、テントの張り方などの備品の使い方や応急処置、実際に災害の現場で役に立つ技術を学んで来ました。

〝リアルすぎる〟防災教育

この日は、その集大成となる「避難所運営シミュレーション」の授業です。
生徒たちは「設営係」「誘導係」「物資係」など、いくつものチームに分かれます。

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さらに、避難者役が80人!
高齢者や妊婦など、どんな状態の人なのかまで、細かく設定されています。

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避難所運営の要が「設営係」です。
どこにどんな人を受け入れるか、みんなで話し合って避難所全体を設計します。

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しかし、準備が整わないなか、避難者役がやってきました!

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それでも、生徒たちは慌てません。テントやベッドを手慣れた様子で組み立てていきます。

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これまでの授業で学んだことをしっかり生かしているようです。

ところが

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指導する消防職員から、誘導係の持ち場で大勢の避難者が止まってしまっていると指摘を受けました。

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どこにどんな人を避難させるのか、設営係と誘導係の間の連絡が行き届いていませんでした。

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改めて、情報を共有し、準備した場所に案内しました。

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押し寄せる避難者に、他の係も大忙し!
物資係には「どこに」「何が」「いくつ」必要なのか、具体的な要請が次々と舞い込みます。

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使うのは本物の避難物資。種類も数も多くて、さばくのは大変!

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避難所の運営がなんとか回り始めたとき、トラブル発生!
人手が足りないなか、寝たきりの高齢者がテントの床に寝かされたまま放って置かれたようです。さあ、どう対処する!?

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設営係のリーダー中嶋さん(2年生)が避難者に声をかけ始めました。
元気に動けるかどうか、体の状態を確認しているようです。

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「元気な避難者に協力してもらう」という選択肢があること、授業で習っていたんです!

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避難者に手伝ってもらい、放って置かれたおじいさんのための段ボールベッドを運ぶことができました!

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とにかくリアルな状況を体験できるこの授業。
運営役も、避難者役も、参加した生徒ひとりひとりが「何か」に気づきます。

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