この記事は2021年に公開したものです。
「水害ハザードマップ」を確認したことはありますか?
自分の住む場所にどんな「浸水リスク」があるのか知ることができる地図です。でも、“文字や数字だけではあまりイメージがつかない…”という方もいるのではないでしょうか。そこで、AR(拡張現実)を使ってリスクを「見える化」してみました。
AR映像は、神奈川歯科大学の板宮朋基教授が開発したソフトウエアで撮影します。
実際の風景に、3D-CGの水面を重ねて表示できるんです。 ハザードマップが色ごとに示す浸水想定に基づき、実際の場所を訪ねていきました。
まずは「黄色」から。浸水想定が「0.5m未満」の区域です。
街なかでARを使ってみると…自動販売機は取り出し口あたりまで浸水。
駐車場の車は、タイヤがほぼ全て水に浸かり、とても運転できそうにありません。
水位は低いように感じますが、さまざまな危険が。
もし水が濁っていたら、マンホールや側溝などのフタが開いていても見えず、思わぬケガをするおそれがあります。また、水の流れが速ければ大人でも立っていられません。
続いて、マップ上の「薄いピンク色」。浸水想定は「0.5m~3m未満」の区域です。
この水位となると、多くの建物で1階が床上浸水します。3mは、街なかではカーブミラーの半分が浸かる高さでした。
最後に「濃いピンク色」の区域です。浸水想定は「3m~5m未満」。
北九州市では、小倉駅の南側にもこのエリアがあります。2mの浸水だと私が完全に水没しました。
5mとなると建物の2階を超える高さ。街なかの歩道橋が水に浸かってしまうことも分かりました。
街が、道路が、水に浸かった状況になってしまえば避難も難しくなります。
いかに早い段階で避難できるか。自分にとっての安全な避難場所はどこか。ふだんから考えておく必要がありますね。