この記事は2021年に公開したものです。
梅雨に入ったこの時期に、ぜひやっておきたい水害への備えをお伝えします。
教えてくれるのは、防災士の、「しほママ」こと柳原志保さんです。

これまでに、3度の大きな災害を経験した柳原さん。
その教訓を活かし、生活に根付いた、実用的な防災術を広める活動をしています。
今回は、「水害ハザードマップ」を見る上での“コツ”を教えてもらいました。

各自治体が発行している、ハザードマップ。
洪水や土砂災害が想定される場所を、地図上にあらわしたものです。
ハザードマップは、各戸に配布されていたり、お住まいの地域の、役所の窓口やホームページなどで入手することができます。

柳原さんの自宅周辺のハザードマップです。
どこが、どの程度浸水するかを予測した、「浸水想定区域」が、色分けして示されています。
ここで、大事なポイントがあります。
ハザードマップ上で、色が付いていない(浸水想定区域でない)からといって、絶対に浸水しない、というわけではありません。

実はいま、ハザードマップの作成が義務づけられているのは、主に大きな川だけ。
そのため、中小河川や、雨水を川に排水しきれずに市街地にあふれる「内水氾濫」による浸水想定は、記載されていないハザードマップが多いのです。
浸水想定区域を指定するためには、河川の精密な測量や水量の把握などが必要で、手間と時間がかかるため、全ての河川を網羅できていないのが現状です。
しかしこれでは、本来、浸水しやすい場所も、安全であると誤解してしまうことから、中小河川や、内水氾濫による浸水想定も、ハザードマップ化が急がれています。
(実際に、それらの浸水想定が反映されたハザードマップもあります。)
そこで、柳原さんは、ハザードマップを自分で“補う”ことが大事だと言います。
柳原さんは、自宅周辺の住宅地図に、「土地が低くなっていて浸水しやすい場所」や「かつて浸水したことがある区域」などを書き込んで、オリジナルのハザードマップを作っています。
それらの情報は、地域に長く住む方に聞いたのだそうです。
ハザードマップは、“主体的に”活用することが大事なんですね。
防災士 柳原さんの
ハザードマップを見る上での“コツ”
- とにかく一度・・・ハザードマップを見てみよう!
ご自宅に配布されたものがなければ、お住まいの地域の役所の窓口やホームページから入手できます。 - 浸水想定区域に指定されていない場所でも 浸水しないとは限らない!
浸水の危険性がありながら、浸水想定が未整備なだけかも知れません。 - ハザードマップは、自分で“補う”!
“近所の浸水リスク”を、地域の方に聞いたり、過去の災害を参照して知ろう。