久しぶりに実家に帰る方も多いと思います。ふだん離れて暮らしていると、実家の親がどのくらい災害への備えをしているか、分からないもの。帰省時は防災グッズの準備や、地震で危険が及ばないような家具の配置を確認するいい機会です。またお子さんと川や海へ遊びに行く時の注意点もまとめました。実家に帰省する前に、8つの防災ポイントをぜひチェックしてくださいね。
〇車で移動中、大地震にあったらどうする?
実家に帰省する道中、車を運転している時に大地震に遭遇したら、どう行動すればいいのか。その対処法です。
大地震が発生すると、道路の安全点検に時間がかかってその場に長時間とどまらなければいけない状況も想定されます。渋滞の可能性もありますので、車に人数分の携帯トイレを積んでおくと安心です。
〇家具の配置は大丈夫?
地震による家具の転倒を防ぐため、固定することも大切ですが、必ずしも万全ではありません。家具の下敷きになって親がけがをしないよう、家具の置き場所を見直すことも重要なポイントです。高齢の親だけでは重くて動かせない家具があれば、帰省している間に移動させておくと安心です。
〇高齢の親の「非常用持ち出し袋」
〇簡単に点検できます「火災警報器」
総務省消防庁の統計によると、2021年に火災で亡くなった人の数は1143人で(放火・自殺者などを除く)、このうち65歳以上の高齢者が74%を占めています。
もし家で火災が起きた時、大きな音で知らせてくれるのが「住宅用火災警報器」。10年を目安に電池や本体の交換が必要です。全国すべての住宅での設置が義務づけられたのが2011年なので、気付かずに交換の時期を迎えているかもしれません。
警報音が鳴らないなど反応がなかったり、異常を知らせる音がしたりする場合は、取扱説明書の確認やメーカーに問い合わせて電池や本体を交換してください(電池切れを自動的にアラーム音で知らせる機種もあります)。
〇散歩するなら「避難所」に寄り道を
帰省中、実家の近くを散歩する際はぜひ「避難所」に寄り道していってください。できれば家族全員で出かけ、高齢の親が避難する際に危険な場所がないか、みんなでチェックしましょう。避難所がどこか分からない場合は、必ずハザードマップを見ながら一緒に確認することが重要です。
避難ルートでチェックするポイント
〇ご近所さんと連絡先を交換
ふだん親と離れて住んでいる場合、大きな災害が起きても、親の手を取って一緒に避難することができません。そんな時、頼りになるのは親の近くに住む「ご近所さん」です。避難所まで一緒に歩いてみて、親が自力で避難するのが難しそうだと感じたら、信頼できる地域の人に一声かけて、サポートをお願いしてみてはいかがでしょうか。
帰省の際に、親のご近所づきあいを後押しするとともに、電話番号やLINEなどの交換をしておくと安心です。
〇災害用伝言ダイヤル・171の使い方
災害時は電話やSNSがつながらないことも。離れた親の安否確認を行う手段として、「災害用伝言ダイヤル171」の使い方を知っておくと便利です。通常は、災害が起こった時に開設されますが、毎月1日・15日など、体験利用できる日が設定されています。
ポイントは、伝言を録音・再生するための電話番号をみんなで決めておくことです。携帯電話や実家の固定電話など、誰の、どの電話に伝言を登録するか、あらかじめ話し合っておきましょう。ぜひ親と一緒に、試しに伝言を登録して、再生して聞いてみてください。
〇毎年相次いで発生!川や海の事故に注意
春の大型連休や夏休み、川や海など水辺のレジャーに出かける機会も多くなると思いますが、毎年、水難事故が相次いでいます。お子さんと一緒に注意点を楽しく学べるみんなのうた「カッパは知っている」、川や海へ遊びに行く前にぜひ聞いてみてください。
特に注意したいのが「川」。川は海と違って「真水」なので、人の体はわずか2%しか浮きません。川のように流れがある場所では、溺れたり流されたりすると、水面に体を出して呼吸を確保するのは非常に難しくなります。川で遊ぶ時は「ライフジャケット」を必ず着用してください。