水害の時、自宅で起きやすい嫌な被害は「汚水の逆流」!どうやって防ぐの?「明日をまもるナビ」に寄せられた質問にズバリお答えします。
この記事は、明日をまもるナビ「防災の知恵 あなたの質問に答えます」(2022年10月16日 NHK総合テレビ放送)の内容をもとに制作しています。
これだけは知っておきたい、汚水の逆流対策
▼水害で汚水があふれてくる場所は、お風呂やトイレ、洗濯機の排水口など。ゴミ袋で作った水のうで防ぐ。
▼設置のタイミングは、自宅周辺が冠水しそうなとき。便器からボコボコと音が聞こえたり、中の水がはねたり、悪臭がしているときはすぐに準備。
▼トイレが使えないときに備えて、簡単に作れる組み立て式の簡易トイレを用意しておくと便利。
水のうをゴミ袋で作る
水害の時、自宅で起きやすい被害が「汚水の逆流」です。これは家が浸水したとき、下水道や排水管から逆流する現象です。
汚水があふれてくる場所は、お風呂やトイレ、洗濯機の排水口など。もしそうなったら、あとの処理が大変!においが残ったり、細菌やウイルスなど、病気の原因になったりします。
こんなときに役に立つのが「水のう」です。どこの家庭にもある大きなゴミ袋で作ることができます。
作り方は簡単。
① まず、45リットル程度の袋を2枚重ねにします。
② そこに半分ぐらい水を入れ、重さを20キロ以上にします。
③ 最後に空気を抜いて、口をしばって完成。
便器に袋をかぶせ、その上から水のうを詰めることで、逆流を防ぐ効果があります。国や自治体などが推奨する方法です。
水のうをいつ、どこに設置すればいいの?
設置のタイミングは、自宅周辺が冠水しそうだなと不安を感じたとき。早いに越したことはありません。
便器からボコボコと音が聞こえたり、中の水がはねたり、悪臭がしているときは、汚水が逆流する可能性があるので要注意です。
トイレのほかにも家の中にある排水口はすべてチェックしましょう。
洗面台、洗濯機の配水口、キッチンのシンクなども、水のうを乗せておきましょう。逆流を防ぐ効果があります。
集合住宅の場合は、2階ぐらいまでは逆流してくる可能性があると言われています。水害だけではなく、地震の時も下水管がずれて逆流することがあるので、トイレの使用を制限するルールが必要です。
トイレの備蓄 組み立て式簡易トイレを作る
非常時の携帯トイレは便器に被せて使うものが大半なので、水のうを乗せているときは使えません。
しかし、最近は製品が進化して、簡単に作れる組み立て式の簡易トイレが出てきています。
段ボールのキットを使って、お手洗いを作ってみましょう。
●材料
段ボールの箱が大小2つ
便座と蓋も段ボール製、ごみ袋(45リットル)を2枚用意します。
●作り方
①段ボール箱の台を、折りたたんだ状態から開いて、その中にもう一つ、小さい段ボールをそこに被せます。
②次は便座。中の段ボールと外のものの間に挟みます。
③この上からごみ袋を2重にして、便座の上からかぶせて完成です。
ごみ袋を2重にした理由があります。ひとつはカバー用。もう一つは汚物が入った袋だけを入れ替えます。(処理の方法は各自治体のルールを確認)
尿や便を吸収させるために、新聞紙をちぎって丸めて入れたり、ペット用の砂、おむつなど吸収剤を入れたりするとより快適に使えます。
トイレットペーパーの備蓄はどのくらい必要?
4人家族で1日30メートルほど使うと言われています。
1ダースのものを2から3パック用意しておくと困らないと永田さんは言います。
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