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「地理院地図」で土地の成り立ちを知り防災に生かそう!

2024年1月25日

土地の成り立ちや地形を知ることで、その場所が安全か危険かを見ることができます。国土地理院のホームページ「防災にも役立つ!地理院地図の使い方」で手軽に調べることができます。

昔はどんな土地だったのかを知るにはどうしたらよいのか?
国土地理院のホームページ「防災にも役立つ!地理院地図の使い方」で手軽に調べられます。

「土地の成り立ちから災害リスクを知る」(国土交通省・国土地理院)
※NHKサイトを離れます

「防災にも役立つ!地理院地図の使い方」ホームページ画面

今回は、佐賀県大町町を例に調べてみます。

大町町は、たびたび水害に見舞われています。2019年8月、線状降水帯が原因で起こった佐賀豪雨。1時間に100ミリ以上の記録的な大雨で佐賀県内では3人が亡くなったほか、一時、3000人近い人が避難を余儀なくされました。

佐賀豪雨のときの天気図

大町町では、1メートルを超える浸水で救助要請が続出。工場の油も流出し、甚大な被害をもたらしました。

3000人近い人が避難

水害の時の写真を見てみると、大きく曲がりくねっている白い道路のようなものが見えます。これは六角川という川です。

2019年8月 佐賀県大町町
2019年8月 佐賀県大町町

■国土地理院地図の見方

まずは国土地理院のホームページ「土地の成り立ちから災害リスクを知る」をクリック。“土地の成り立ち”とは、今の土地がどのようにできてきたかということです。

ここで大町町の昔の地形の特徴を調べます。今回の例、「佐賀県 大町町」と打ち込んで検索。

地理院地図の画面を拡大してみると、地図で白く塗られている川の周りに青いところがあります。これはかつて六角川が流れていた跡「旧河道」です。

青く示された「旧河道」

「川はずっと同じところを流れているわけじゃない。この地域には曲がりくねった昔の川があることが、この地図を見ると勉強できます」(京都大学防災研究所 矢守克也教授)

(参考)旧河道とは
「地図はいまも悪夢を知っている/耳慣れない“キューカドー”」(災害列島)

地図には、他にもいろんな色が付いています。その部分をクリックすると、小窓が開き、場所の特徴を教えてくれます。

薄い緑色は何を表しているのか?
クリックすると「氾濫平野」と書いています。川が氾濫して、あふれてできた平たい土地のことです。川が曲がりくねって流れているので、このあたりの土地は低く、河川の氾濫に注意が必要です。

「氾濫平野」の説明画面

ところどころにある黄色いところは「自然堤防」。洪水が土砂を運んでできた土地で、丘のように少し高くなって残っているものです。

黄色く示された「自然堤防」

自然堤防でも被害を受けるおそれはあります
※自然堤防でも被害を受けるおそれはあります

このように調べてみると、一つの地図からいろんなことがわかります。皆さんもぜひご自分の「わが町」の地図をチェックしてみてください。

この記事は、明日をまもるナビ「チャレンジ!BOSAIアクション 第六弾」(2023年11月23日 NHK総合テレビ放送)の内容をもとに制作しました。

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