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100年前の「関東大震災」から学ぶ3つの教訓 災害用伝言ダイヤル・帰宅困難・デマ(流言)

2023年8月22日

1923年に起きた関東大震災。激しい地震の揺れと火災で、死者・行方不明者は10万5000人以上と、明治以降の日本では最大の被害となりました。現代とは人口や街の様子も異なる、100年も前に起きた災害。しかし今を生きる私たちにも通じる、大事な教訓が詰まっていました。

 

【教訓①】 家族の安否をどうやって確認する?

大地震が起きたら、まず一番気がかりなのが、家族の安否ですよね。当時、被災した人たちは、上野の西郷隆盛像や電柱など、目立つ所に貼り紙を貼って、行方が分からない家族の居場所を尋ねたり、自分の居場所を知らせたりしたということです。

「今は携帯電話ですぐに連絡が取れる」と思っていませんか?実際は、今でも大地震が起きると、被災した地域ではアクセスが集中し、電話がつながりにくくなることがあります。2011年の東日本大震災で経験した人も多いと思います。

そんな時に役に立つのが、「災害用伝言ダイヤル」(171)です。

NTT東日本によると、災害用伝言ダイヤルは被災地以外にある伝言センターに接続するようになっているため、つながりやすくなっているということです。

171にかけると災害用伝言ダイヤルセンターにつながります。音声案内に従って、連絡を取りたい電話番号を入力、伝言を録音したり再生したりすることができます。

 

災害用伝言ダイヤルを使う際のポイントです。

①どの番号にするか家族で決めておく

固定電話や携帯電話など、家族がそれぞれ別々の番号に伝言を残すと、なかなかメッセージにたどり着けません。災害時スムーズにやりとりするためには、録音や再生を行う番号をどれにするか、家族であらかじめ決めておくことが大切です。

30秒で伝える

録音できるのは30秒間です。以下の項目を中心に伝言を残すようにしましょう。

名前
「父の○○です」(携帯電話のように話している相手の名前は表示されません!)

 

現在地
「いま避難所の○○小学校にいます」
 
誰と一緒か(安否も)
「お母さんとおばあちゃんと一緒に避難しています、無事です」
 
次に伝言を残すタイミング
「次は午後○時ごろに伝言を残します」

災害時に初めてのことをしようとすると、不安で焦ります。災害用伝言ダイヤルは、毎月1日と15日など、下記の期間に体験利用ができるので、家族で練習しておくと安心です。

 
体験利用ができる日
■毎月1日と15日      
■正月三が日(1月1日〜1月3日)
■防災とボランティア週間(1月15日〜1月21日)
■防災週間(8月30日〜9月5日)
 
 
171にはweb版もあります。詳しくはこちら
災害時の連絡法
asunavi171number
 
 
 

【教訓②】 街に大量に人があふれると「二次災害」が!

関東大震災では、下町を中心に火災が広がったため、大量の避難者が街にあふれました。中には、人混みの中で押し倒されてけがをしてしまう人もいたということです。一斉に避難すると二次災害につながるリスクがあります。

人口増加で市街地が拡大したいま、懸念されるのが「帰宅困難者」の発生です。首都直下地震では、1都3県で650万人の帰宅困難者が想定されていますが、一斉に徒歩などで帰宅を始めると、緊急車両が通行できなくなって救助活動の妨げになるほか、群集雪崩などでけがをするおそれがあります。

「家族が待つ自宅に、一刻も早く帰りたい」「安心したい」という気持ちはもちろんですが、自分の命を守るためにも、「すぐに帰らない」こと。これが大事です。

 

【教訓③】 うわさ話に注意!

関東大震災で、地震による激しい揺れや火災と並んで、人々を怖がらせたのが「デマ(流言)」でした。「富士山が大爆発した」とか「井戸に毒を入れられた」といった根拠のないうわさが広がり、殺傷事件まで起きてしまいました。

また驚きなのが、100年前にもかかわらず「フェイク画像」が作られていたこと。ねつ造された画像が、震災の惨状をとらえた写真として、世の中に広まっていました。

 

詳しい記事はこちら

100年前の「フェイク画像」 関東大震災でも拡散したデマ20230619_01_thumb

 

100年たったいま、災害が起きるとSNS上にはさまざまな情報が飛び交います。

 

「地震で○○地区の道路が損傷していて、通るのは危険です」

「断水した○○地区では、○○小学校に給水所が設けられています」

 

その多くが、被災した人たちにとって役立つ、安心につながる、まさに「ほしい情報」です。しかし、中にはあやふやな情報も混じっています。災害に対する「不安」や「善意」から、自分がよかれと思って拡散した情報が、ときには被災地を混乱させてしまうおそれがあります。

情報の真偽を見極めることは難しいですが、拡散する前に「この情報は本当なのか、根拠はあるのか」と、少し冷静に立ち止まって考える習慣をつけることが、少しでも被害をおさえることにつながるはずです。

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