わかってきた!"いい肥満"の正体

2020年9月3日(木)BSプレミアム 午後8時00分~午後8時59分

わかってきた!“いい肥満”の正体


わかってきた!“いい肥満”の正体


ここ最近、ぽっちゃりさんの活躍が注目です!
こちらのみなさんは、歌って踊れる“おデブ系アイドル”

3人の総体重量はなんと270kgオーバーです。

モデル業界でも、痩せた人ばかりというイメージが変わりつつあります。
こちらは、ちょっと太めの方向けの雑誌で活躍中、ぽっちゃりモデルさん!

でも、「肥満は健康によくない」って、いいますよね。
ぽっちゃりが好きなのは構わないけど、やっぱり肥満は健康にはよくない。
この考え方は、真実なのでしょうか?

実は、これまでの肥満の常識を覆すレポートが、去年発表されました。

アメリカとヨーロッパに住み、健康と診断された肥満の人12万人を対象に、調べた研究です。
実に24%の人が、将来、肥満に関する病気になるリスクが低いことがわかりました。

出展:metabolically healthy obesity: facts and fantasies (2019/Gordon L.Smith)

太っているのにも関わらず、病気になるリスクが低い。
いったいどういうことでしょうか?

肥満の問題を長年追い続け、メタボリックシンドロームの怖さを明らかにしてきた慶應義塾大学の伊藤裕教授は、こう言います。

「最近は1人1人の肥満のタイプといいますか、それに注目するようになってきて、一概に何でも肥満だったら悪いということではなくなってきたというところです。」(伊藤教授)

つまり、見た目にはほぼ同じぽっちゃり体型の人でも、 医学的には、“いい肥満”と“悪い肥満”があることがわかってきた、というのです。

そもそも、肥満というのは、医学的にどう考えられてきたのか、 さらに詳しく、慶應義塾大学教授伊藤裕さんに聞きました。

「肥満は、医学的に定義され、BMIで決まっています。BMIは、体重と身長から割り出した値で、日本肥満学会では、25以上が肥満としています。正常が18.5~25です。これまで、太っているほど病気が起こりやすく死亡率も高いということが、集団の統計結果からいわれていました。ですから、「みんな痩せましょう、痩せましょう」というかたちになってきていました。しかし最近、それぞれの人のデータを詳しく見ることができるようになってきました。そうして見ると、意外にそうではない人もいることがわかり、その個人個人でかなり健康に対する影響というのは違うということがわかってきたんです。」(伊藤教授)

「美と若さ」のアドバイザー、東京医科歯科大学特任講師の宇山恵子さんは “いい肥満”への研究がいま注目だといいます。

「研究最前線で、『肥満がすべて悪い』みたいに、ずっと研究が進んできたんですけども、血液検査のデータも悪くもないのに、『痩せなさい』みたいにいわれるのは、やはり理不尽なことなので、『いい肥満という方向性はどこにあるんだろう』と、それを突き詰める研究が進んでいます。好きなものを食べても、健康でいられれば、ストレスもないですし一番いい人生ですよね。」(宇山さん)

では、実際にどういう人のことを“いい肥満”というのでしょうか?

その手がかりを得るために訪ねたのは、ある撮影現場。

実はこちらの撮影は、ぽっちゃり女子向けの専門雑誌の現場なんです。
自分の体型にあったオシャレの参考になると、ぽっちゃり女子たちの支持を集めて大ヒットしているんだとか。

こちらは、この雑誌のモデル、ももさん。
身長162cm、体重77.5kg。
まごうことなきぽっちゃり女子です。

ももさん、食べることについてはまったくの自由。
撮影の合間に、おやつも食べますし、お昼のお弁当も残さず食べます。

ふだんの食生活を写真に撮ってもらうと…

毎食ボリュームありますよね。
特にカロリーなどは気にしていない様子。

ももさんの健康状態はどうなっているのか、調べさせてもらいました!
ももさんの体型はこちら。

BMIでいえば29.5、体脂肪率も41%。
正常値を超えています。
医学的には肥満ということに。

ところが血液検査の結果は・・・。
とてもいい数値が並んでいます!

血糖値は基準値の範囲内。
悪玉コレステロールと中性脂肪に至っては、基準値の中でも、とても少ない部類に入っています!

この結果をどうみればいいのでしょうか。

20年以上もの間、肥満に関する研究をしてきたプロフェッショナル
千葉大学附属病院院長の横手幸太郎さんにみて頂きました。

「ももさんの場合は“いい肥満”という考え方で間違いないと思います。中性脂肪も低いほうで、血糖も高くないので、完全な健康体です。」(横手さん)

さすが、人気ぽっちゃりさんモデル!
ももさんは、“いい肥満”の典型だったのです!

さらに、ももさんだけなのか、探してみました。
こちらは会社員の佐藤祐月さん。

身長、体重、体脂肪率は、ももさんとほとんど一緒。
血液検査はいずれも正常値の範囲。

同じく横手さんにみてもらったところ、その結果は…

「佐藤さんは、それほど問題はないです。何か引っかかるところは、ないように思います」(横手さん)

たちまち2人も“いい肥満”の人を発見しちゃいました!

この2人、血液検査の値はいいのですが、ちょっと気になるデータもあります。
それは「内臓脂肪」。
こちらは、基準値を超えてしまっていたのです。

それでも、やっぱり“いい肥満”と言えるのでしょうか。

慶應義塾大学の伊藤教授はこう言います。

「(内臓脂肪量は)一応、100というのが、診断基準の1つになっていて、それを超えるのはやはり要注意なのですが、この方の場合、脂肪の中での内臓脂肪の割合が比較的少なめなんです。なおかつ、ほかのデータが本当にいい数字が並んでいるので、そういう意味では、いい肥満といわざるをえない方たちです。」(伊藤教授)

全体の脂肪の量を教えてくれるのは、体脂肪率の数値。
それに対して、内臓脂肪の量を考えるとその割合は、少なめだといいます。

ポイントとなるのは、「内臓脂肪の割合」
それは一体なにを意味するのか。

伊藤教授が解説してくれるのは、こちらのCT画像、おなかを輪切りしたものです。

「左側がいい肥満、右側が悪い肥満です。(見た目は同じように太っていて)、おなか周りは2人ともほぼ一緒なんですけれども、左の方は、黄色いところが多いです。これは、皮膚の下にある脂肪、いわゆる皮下脂肪です。茶色いところは筋肉です。その中、オレンジ色が内臓脂肪です。腸の周り、肝臓の周りにたまってくるのが内臓脂肪です。右の方を見ると、黄色いところは薄いのに、中は内臓脂肪がほとんどを占めています。この2つというのは非常に大きな違いがあって、この右側が、いわゆる悪い肥満になりやすいということになります。」(伊藤教授)

こちら、皮下脂肪の多い方が“いい肥満”の正体なんだとか。

「(いい肥満には)実は、女性ホルモンがあるということが非常に大事で、女性ホルモンに、皮下脂肪をためる作用があるのですが、女性は生物学的に子どもを産んで育てるため、食べるものがなかった時代には、栄養やカロリーの余分は全部皮下脂肪でエネルギーをため込もうとしていました。そのため、女性の方はふっくらしていて、それで皮下脂肪をためやすくなっているんです。男の人はそういう作用が弱いために、カロリー全部が内臓脂肪にいってしまいます。」(伊藤教授)

ももさんのぽっちゃりのヒミツは、全体の脂肪の量の割合が皮下脂肪に多いタイプ、皮下脂肪型肥満。 つまり、“いい肥満”だということがわかりました。

ももさんの食生活について、ご本人に聞いてみると…

「私は、嫌いなものがあまりないので。好きなものを好きなだけ食べています。ほっそりしたモデルさんだったら、ほぼ食べないとか、そういう制限もありますが、私にはできません。目の前にあるものは食べてしまいます。」(ももさん)

運動はどうしていますか?

「運動は、週2~3くらいで走ってます。」(ももさん)

どうですか。参考になりましたか?

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