汗トレで若返れ!汗腺復活作戦
汗トレで若返れ!汗腺復活作戦
たるみを引き起こす原因、「汗腺の萎縮」をどう防ぐのか。
それを知るために集まってもらったのは、年齢の異なる女性3名。
実は、生活習慣に違いがあります。
最近汗をかいているか聞いてみると・・・
「4年汗かいてない」という鎌田さん(20代)。
「1月ぐらいにジムにいって汗をかいたくらい」という小林さん(40代)。
「マラソンをやってるので、週に3日から4日ほど走りますからその時に、汗をかきます。」というのは60代の田中さん。
そんな3人に、暑い室内で45分間、自転車をこいでもらいます。
カラダには、センサーをはりつけ、汗の量と、汗に含まれる塩分を測定します。
ふだん汗をかいているか、いないか。
その違いがどれほど汗腺の萎縮に影響するのでしょうか。
測定開始から40分が過ぎると・・・田中さんは、全身汗びっしょり。
一方、鎌田さんはというと・・・汗が見えたのは顔だけでした。
測定終了!
3人の汗の量を比べてみると、やはり60代の田中さんが、断トツのトップでした。
では、汗腺の萎縮と関係がある塩分はどうだったのか。
グラフの縦軸は、塩分濃度、横軸は汗をどれだけかいたか。発汗量です。
汗をかかない2人。
じわじわと汗をかいて、発汗量が0.1を超えた時、塩分の濃度がはねあがりました。
汗腺の機能が弱っているため、塩分をカラダに取り戻すのが、間に合わなくなってしまったのです。
ところが、田中さんは・・・その3倍の汗をかいても、しっかり塩分を取り戻していました。
たくさん汗をかける田中さんが、もっとも汗腺の萎縮がおきていないと推測できます。
田中さんがマラソンを始めたのは40歳のころ。
それ以前は、ほとんど運動をしていなかったそうです。
当然その時には、汗腺の萎縮はおきていたはず。
実際、田中さんは汗の変化を実感していました。
「最初はベタベタした感じでしたが、だんだん汗の量が増えてきて、サラサラになるような感じはあります。」(田中さん)
つまり、いったん、汗腺が萎縮したとしても、汗をしっかりかけば、汗腺は復活できるのです。
田中さんのように、汗をかく生活、皆さんもはじめてみては?
「田中さんは20年間、ふだんから練習されています。たくさん汗をかいてトレーニングして、汗腺のトレーニング効果で汗がたくさんでるようになりました。老化で減る分を、本当に凌駕したんです。」(井上教授)
「他にもいくつか、汗腺復活の実験の報告があります。私のところでも1週間、若い男性に暑いところで1時間少し自転車をこいでもらいました。すると、汗の機能が改善しました。ただデータを男性と比べてみると、女性の方があまり改善しない。恐らく女性ホルモンの影響があるのではないかと考えられますが、まだはっきりしていません。」(近藤教授)
しかし、正直いうと、楽して汗腺を復活したい!
もっと言うと、運動せずに汗腺を、復活させたい!
汗腺復活実験に挑戦するのは、この人。
現在36歳!ものまね芸人の沙羅さんです。
20代の時は、かいてもサラサラと爽やかな汗だったのが、30代後半からはシトシト、ベトベトの汗という沙羅さん。
実験に先立って、まずは沙羅さんの汗腺の状態を調べます。
実験に協力して頂いたのは、神戸大学教授の近藤徳彦さんです。
50分間の足湯で、汗をかいてもらい、汗の塩分の指標、ナトリウム濃度を測定しました。
すると沙羅さんの汗に含まれるナトリウム濃度は、なんと60代よりも高いという結果に。
汗の老化のすごさが判明してしまった沙羅さんに、近藤教授が汗腺をよみがえらせるトレーニング「汗トレ」を考えてくれました!
ルールは至ってシンプル。
毎日、お風呂で500mlほどの汗をかくということ。
入浴法は、手首と足首をお湯につける手足高温浴(てあしこうおんよく)がおススメ。
これを12日間やってもらいます。
こちらは、汗の量をはかるシール。
腕にはりつけることで、全身の発汗量の目安がわかります。
というわけで!
運動以外の方法で、萎縮した汗腺は復活できるのか!
かつてない実験に挑戦です!
さっそく、近藤教授おススメの手足高温浴。
手首と足首を42℃のお湯に入れます。
50分後。
発汗チェッカーが500を超えました!1日目の汗トレ完了です!
ところがある問題が!
目標の発汗量に到達するまでの時間は、平均するとなんと1時間。これはちょっと長すぎ!
時間を短縮する方法、ないんでしょうか。
そこで向かったのは、大量の汗をかかせてくれるスパ。
一種のショック療法です。
1回でも大量に汗をかけば変わるのでは!と、沙羅さんを連れてきちゃいました!
まずは、サウナ!たった5分で顔から汗の粒が。
続いて岩盤浴。カラダを芯から温めてみると・・・
全身の汗腺が反応。汗がふき出てきました。
この日を境に、沙羅さんの汗腺に驚きの変化が。
500mlの汗をかくまでの時間は、20分に短縮!
スピードアップに見事成功です!
さぁ、果たして12日間で汗腺は復活できたのか。
「実際やらせていただいて、簡単に言うと、ホントに、身も心もスッキリしました。これは変わります。だまされたと思って、皆さん、やってほしいです。」(沙羅さん)
では、この汗の状態がどうだったのか。
汗トレの前後を比べて見ていきましょう。
測定したのは2つ。
発汗量と、汗に含まれるナトリウム濃度です。
汗トレ後の発汗量は、299mlから346mlに増えました。
そして、ナトリウムの濃度は、76.12は結構から63.25に下がりました。
「かなり改善したのではないか思います。もともとの値が高かったですから、かなり、改善度としては大きいと思います。でもまだ、ちょっと高いですね。女性では40台のあたりまでいってもらえるといいと思います。」(近藤教授)
そして、サウナというショック療法の効果は、実際どうだったのでしょうか。
「これ本当にスゴいんです。一番出にくいのが、ふくらはぎとか、太ももの内側、あと二の腕がまったく汗が出なかったんですけど、そこから全部、汗がバーッて出たんです。これをきっかけに、時短できたんです。(沙羅さん)
近藤教授に、汗トレについて詳しく解説していただきました。
(サウナのメリット)
「サウナ以前に4日間ほどトレーニングをされていたので、汗腺もある程度活動していた時にあの刺激が来たので、より働くようになったのだろうと思います。はじめからサウナだとなかなかうまく行かないでしょうけれど、少しずつ汗腺がトレーニングされた状態での刺激だったので、大きく効果がでたのかと思います。
(手足高温浴とは)
全身でなく、手と足だけをつける理由は、手首と足首はカラダを温めやすい部位だということが1つめの理由。2つめは、普通のお風呂だと、水につかっている部分は水圧で汗が出にくい状態になっていますので、カラダを出しておいて汗をかかせるということです。
(汗トレ前の冷えたカラダと温めたカラダ、どっちがいい?)
カラダを温めてからの汗トレは、冷えたカラダでのものとは活動の速さが違います。夏のほうが汗腺の活動が高まってきているので、よりトレーニング効果がでやすい可能性があります。」(近藤教授)
そして汗トレには注意点もあります。
「注意していただきたいのは2つです。水を飲みながらやっていただきたい。血管が開いていくと、血圧が下がる場合があるので、フラフラするようなことも起こる可能性もあります。そういうことも念頭に置いて、継続しておこなってください」(近藤教授)
・汗トレは、水分補給をしながら。
・血圧が下がってフラフラしたら直ちに中断。
持病をお持ちの方は、医師に相談した上で行って下さい。