脂肪細胞が食欲を抑える!

2019年4月9日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

痩せるカギは“脂肪細胞”を小さく!


脂肪細胞が食欲を抑える!


ダイエットの敵と言えば、止まらない「食欲」
このにっくき食欲、抑えたいですよね〜

そのヒントを求めて訪ねたのは、自治医科大学医学部 准教授 海老原健さんです。

海老原准教授が注目しているのは、1つのホルモンです。

「食欲を抑えるというホルモンは、レプチンが代表です。」(海老原准教授)

食欲を抑えるホルモン「レプチン」。

レプチンは脳にある、食欲を司る視床下部に作用します。

すると脳は満腹感を感じ、食欲がおさまります。

このレプチン、実は脂肪細胞から生み出されているのです。

「レプチンというホルモンは脂肪細胞から分泌されています。体脂肪量が増えれば増えるほど血中レプチン濃度は上がり、減れば減るほど血中レプチン濃度も下がります。」(海老原准教授)

脂肪細胞から生み出されたレプチンは、血流に乗って脳へ運ばれます。

脂肪が少なすぎる場合、当然レプチンの量も少なくなります。
すると食欲は盛んになり、脂肪を増やそうとします。

そして脂肪が十分蓄えられると、脂肪と共に増えたレプチンにより、食欲が抑制。
これ以上の脂肪増加を防ごうとします。

このようにレプチンは、食欲をコントロールして、適正な体重を維持するのに役立っているのです。

しかし、ここで1つ疑問が。

とーっても太っている人は、食欲を抑えるレプチンをたくさん持っているハズなのに。
実際は、たくさん食べる人多いですよね。

この矛盾は、一体なぜ起きるのでしょうか。

この謎を突き止めるため、とびっきりの太った人で実験をすることにしました。
ピン芸人のゆめちゃんと、ハンサム金魚というコンビの寺田さんです。

まずは、彼女たちの食欲を調べるため、焼き肉食べ放題に連れて行くと、なんと2人で、27人前を完食。

次に2人がレプチンをどれぐらい持っているのか、血中のレプチン濃度を調べました。

すると2人の量たるや・・・。
通常の人は5~10 ng/ml持っているはずなのですが、ゆめちゃんのレプチン量は32.1 ng/mlと通常の人の3倍以上。

寺田さんはさらに上回る、44.3 ng/mlという驚異結果でした。

なぜ2人は、レプチンをこんなにたくさん持っているのに、食欲が抑えられないのか?

その謎を解くキーワードは「レプチン抵抗性」

「いくつか仮説はあるのですが、1つはこの脳内のレプチンの受容体が減少してしまった、あるいは機能的にうまく働かなくなり、このレプチンのシグナルが伝わっていかないというメカニズムというふうに考えられています。」(大石さん)

このレプチン抵抗性が止まらない食欲の重要な原因であることがわかったのです。

レプチン抵抗性の問題をどう改善すればいいのか。

そのとっておきヒントを教えてくれるのが、産業技術総合研究所 生物時計研究グループ長 大石勝隆さんです。

「レプチン抵抗性を改善するためには食べる量、質だけではなく、食べるタイミングが大事ではないかと思います。」(大石さん)

大石さんは、マウスを2つのグループに分けてレプチン抵抗性を改善する方法を探りました。

2つの違いはエサを食べさせる時間です。

青のグループには、起きている時間にエサを与えます。
一方、赤のグループには本来、寝ている時間にエサを与えます。

そして数日後、両方のグループに食欲を抑えるレプチンを投与しました。

2グループとも、レプチンを投与する前は、ほぼ同じ量のエサを食べていました。
しかしレプチンを投与すると・・・。

起きている時間帯にエサを食べた青のグループは食べる量がしっかり減りました。

一方、寝ている時間にエサを食べた赤のグループは、食べる量は減りませんでした。

寝ている時間にエサを食べたグループだけ、レプチン抵抗性になっていたのです。

「たった1週間なのですが、寝ている時間帯だけにエサを与えたネズミというのは、レプチン抵抗性が起こり体重も増え、脂肪も増えて、肝臓にも脂肪が溜まってきました。」(大石さん)

ということで、食欲が止まらない2人に10日間のレプチン抵抗性改善生活を実施!

改善生活の内容はこちら。

就寝時間の最低3時間前までに、夕食を済ませること。
夕食後の3時間で、口にしていいのは水かお茶のみ。

食事の回数や量は制限しません。
この10日間で食欲がおさまり、痩せることができれば成功です!

「活動している時間帯に食べる時間帯をシフトすることで、肥満が改善していくと良いと思っています。」(大石さん)

改善生活スタート。

食事量は相変わらずですが、ルール上は問題ありません。

改善したのは、このルール。食後は最低3時間何も食べてはいけない、ということ。

ゆめちゃんはテレビで時間を潰しています。
ところがこれが意外に辛い。

寺田さんも3時間がなかなか耐えられません。

しかし1週間もたつと、ある変化が。
相変わらずのカップ焼きそばですが、なんと夕食はこれだけ。

改善生活前と比べると、明らかに減っています。

10日間の実験で、抑えられない食欲に変化が起きたのでしょうか。

「きつかったです。最初は我慢してるという意識があったので、すごくつらかったのですが、でも4日目、5日目ぐらいになると、食欲も抑えられてきて、我慢している感覚はなくなりました。」(寺田さん)

「普段は朝昼、1人前では絶対に足りなくて、4人前ぐらい食べてしまうのですが、(寝る前の)3時間前に食べるようにしたら、必然的に1人前でおなかいっぱいだという感覚を覚えてきて、やっと人間になれたという感覚でした。」(ゆめちゃん)

10日間の体重とレプチンの変化も確認してみると…

ゆめちゃんの体重は62.9kgから61.5kgに。
血中のレプチン量は、32.1 ng/mlあったのが26.2 ng/mlに。

「レプチンが減って、食欲も、体重も減っているので、レプチン抵抗性も改善していると考えていいと思います。」(大石さん)

そして寺田さんの体重は95kgから91kgに。
血中のレプチン量は、44.3 ng/mlから32.8 ng/mlまで落としました。

「(食事制限などよりも)まず生活のリズムを直すほうが意識的に楽だと思います。睡眠と生活習慣病の関係もよく言われてまして、睡眠時間が短くなったり、不規則になると、それだけで肥満や糖尿病のリスクが上がると言われてますので、睡眠(の時間)を動かすのはあまり良くないということです。」(大石さん)

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