潤いベールを作る白い粉

2018年10月30日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

めざせ美ボディ!温泉の極意


潤いベールを作る白い粉


カラダやお肌にいいことづくめのお風呂ですが、
お風呂には、あまりよく知られていない弱点があると
東京都市大学教授 早坂信哉さんはいいます。

こちらは、入浴後の皮膚の水分量を示したグラフです。

「これは入浴後の皮膚の水分量を示したものなんです。入浴した時は、当然、お肌が一旦潤います。グラフも非常にいい状態にグッと潤ってますね。しかしこの後、驚くことに、急速にこの水分量が減って下がってくのです。入浴が終わってから、ものの10分もしないうちに、水分量は元と同じぐらいになってしまいます。その後は、入浴前に比べると、余計乾燥してくるんです。過乾燥と言いますが、実は、肌が乾燥してしまうことがあるんです。」(早坂教授)

このお風呂の弱点を克服できる力が、ある種類の温泉にはあるそうなんです。

それは、日本でも言わずとしれた名湯です。

東は、熱海温泉。

西は、有馬温泉。

どちらにも共通点があります。
それが、この白い結晶。「塩化物泉」です。

その名の通り、塩が入った温泉です。
中には、海水よりも塩分の濃度が高い温泉もあります。

早坂教授は、
その塩が乾燥からお肌を守ってくれると言います。

「1番大きい働きは、湯上がりのときに皮膚の表面に塩の成分が付着することです。これによって、皮膚から水分が蒸発するのを防ぐのです。」(早坂教授)

実際の写真が、こちら。
肌のキメと言われる、たくさんの溝。
その一部が白くなっています。これが、塩の結晶です。

では塩を入れると、どれくらい水分の蒸発が防げるのか、実験を行いました。
協力してくれたのは、こちらの女性。

初日、普通のお風呂に10分入浴。

入浴後に、肌の水分量を測定しました。

入浴直後に水分量はぐんと上がりましたが、その後は、急速にダウン。
入浴前より、水分量が減ってしまいました。

翌日は、塩をお風呂に入れて実験。
塩分濃度の高い有馬温泉とほぼ同じ濃度に設定しました。

塩を入れたお風呂でも水分量を計測しました。

お風呂から出た直後、水分量はあまり増えませんが、
その後の減り方はなだらか。
結果、水分量はほとんど変わりませんでした。

なぜ、こんな違いが出たのでしょうか?

普通のお風呂に入ると水分は増えますが、
肌のバリア機能をはたす角層がふやけます。
そして、お風呂から出た後は、肌の水分が蒸発してしまいます。

ところが、塩の場合、
皮膚の表面にあるタンパク質などと結合し、
「錯塩(さくえん)」と呼ばれる膜を作ります。

この塩の膜が、水分の蒸発を防いだと考えられるのです。

とはいえ、家のお風呂にたくさんの塩を入れるのは大変。
どうすればいいのでしょうか。

「家庭では、なかなかできないと思いますので、浴室の中で保湿するというのが、1つのポイントだと思います。お風呂の中の湿気のある状態で、すぐに塗ってもらうような保湿剤がありますので、できればそういうケアをしていただきたいです。」(早坂教授)

海に囲まれた日本には塩の温泉が多く、
他にも、北海道の定山渓温泉や鹿児島県の指宿温泉などがあります。

ちなみに、塩がお肌の潤いをキープするので、
温泉から出たあとは、あまり洗い流さないほうがいいそうです。

NHKオンデマンド

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