味噌汁は食べる美容液

2018年5月1日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

味噌(みそ)から発見!美容パワー


味噌汁は食べる美容液


最近、世の女性たちが美と若さを手に入れるために食べている食品といえば、
発酵(はっこう)食品

例えば、ヨーグルト、チーズ、キムチ、パン。
そして日本伝統の調味料、味噌(みそ)
味噌には、カラダを内側から変える新たな力が、次々と発見されています。

味噌の海外への輸出量をみてみると、
健康食として人気が高くなっている和食の食材のひとつとして、
40年で16倍以上になっています。


ところが、国内の味噌消費量は、正反対。
1960年と比べると、40%以上減少しています。

 

そんな中、発酵学の第一人者である東京農業大学名誉教授の小泉武夫さんは、味噌には、あまり知られていない健康効果があり、日本人の健康にとって欠かせない食品であると言います。

「味噌をみんなで研究してみたら、ガンの予防になるとか血圧を下げるとかいろいろなことがわかってきました。おいしくてカラダに良いんだからこれはとるべきだと。」(小泉教授)

それだけではありません。小泉教授はなんと味噌に美肌効果があるというのです。

「味噌というのは大豆。それにこうじ菌が入る。そうすると味噌こうじになる。そうすると大豆のタンパク質を分解してアミノ酸にする。だから良質なアミノ酸がたくさんあると肌がきれいになってくる。」(小泉教授)


え!? 肌がきれいになる!?

そこで向かったのは、長野県にある味噌メーカーの研究所。

 

研究員の中村彩乃さんは、味噌の美肌効果を調べています。

 

中村さんの研究チームでは、20代から30代の女性14人に、味噌汁を毎日2杯ずつ飲んでもらい、肌の状態を調べました。
すると、肌の水分量が約1.4倍に増えていたのです。

 

肌の水分がいかに大切かをちょっとおさらい。
肌の断面で、もっとも上にあるのが角質層です。
角質層に水分がたっぷりあれば、美しい肌になります。

 

逆に水分が減ってしまうと、表面がめくれて外敵が侵入し、
肌トラブルが起きてしまします。

 

その大切な角質層の水分量が、味噌汁を飲んだ2週間で1.4倍に増加したのです。

「肌の弾力が上がるということやキメが細かくなるというような結果が得られました。」(中村さん)

美肌効果の多い発酵食品。
味噌には、ヨーグルトやチーズにも負けない実力があることが、浮かび上がってきたのです。

 

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味噌をとるだけで美肌になるというのは本当なのか。
新たな実験女子が番組に名乗りを上げました。
お笑いコンビTOYのきくちゃん。

 

普段は、味噌とは無縁の弁当や外食ばかりの生活です。
もちろん冷蔵庫にも味噌はありません。

 

そして、仕事柄メイクも濃く肌荒れに悩んでいます。まさに、実験にピッタリの女子です。

やる気満々のきくちゃんと向かったのは、銀座にある化粧品メーカーの検査室。

 

最新の機械を使って、お肌の状態をチェック。

水分量の数値は、きくちゃんは38と、平均値の45より低い値です。

さらにキメを調べてみると、
キメが整った美肌は、三角形が目立たなければいけませんが、
きくちゃんのキメは、かなり乱れた状態…。

 

そんなきくちゃんに挑戦してもらうことにしたのは、お湯で溶かすだけで飲める、インスタントの味噌汁

 

味噌汁を毎日2杯ずつ、2週間飲み続けてもらいました。
再び、化粧品メーカーの検査室に向かいます。

 

結果はこちら!


水分量38→67(平均値45)

弾力性67→69(平均値45)

透明感46→90(平均値55)

 

すべての項目で平均を上回るスコア! 
この2週間の肌の変化、専門家から見てどうなのでしょうか?

「味噌のなんらかの成分が効いているのではないかと思います。もちろんほかの食事全体の改善もあると思うけど、味噌も効いていると期待できますね。可能性は十分にあると思います。」(北垣教授)

味噌の塩分と血圧の関係を研究している、共立女子大学教授の上原誉志夫さんも味噌汁の効果をこう話します。

「味噌汁を飲むことで食事全体のバランスが良くなったり、いろんなことが総合的に効いていたりするのではないか。インスタントでも、生の味噌も効果があります。味噌の中に含まれている健康機能性の成分は安定しているためです」(上原教授)


・・・・・・

なぜ味噌で美肌になるのというのでしょうか?
そのメカニズムを教えてもらうために、やってきたのは佐賀大学。

 

佐賀大学 農学部教授 北垣浩志さんは、2005年から味噌を作る上で欠かせないこうじに注目し、
美肌効果を確かめてきました。

 

味噌に含まれる美肌成分を抽出してもらいました。

肌の保湿をアップする、グルコシルセラミド
発酵の過程で多く作られる成分です。

 

そもそも味噌はどのように作られるのでしょうか?

味噌の原料は大豆です。

 

そして、欠かせないのが米や麦などのこうじ。
煮たり、蒸したりした大豆に、そのこうじと塩を加えます。

 

それを潰して、桶(おけ)で寝かせ、発酵させていきます。
3か月から半年後に味噌ができるのです。

その発酵過程で様々な成分が作られます。

 

グルコシルセラミドもそのひとつなのです。

 

北垣教授は、こうじから抽出したグルコシルセラミドを肌の細胞に投与し、
熱の刺激を加えることで肌の細胞の活性度を調べました。

すると、通常の細胞に比べて、グルコシルセラミドを加えた場合は、そうでない場合と比べ、
肌の細胞の活性度を示すグラフの曲線が大きく上昇したのです。

 

グルコシルセラミドは、どのように肌の細胞を活性化させるのでしょうか。
鍵を握るのは、肌の表皮の一番下にある、基底層(きていそう)です。
この基底層には肌全体の細胞を活性化させる、スイッチがあります。

 

味噌に含まれるグルコシルセラミドの成分は血液を通って、
この基底層に達し、そのスイッチを押します。
それによって、肌の細胞が活性化されるのです。

 

すると、増えるのがセラミドという成分です。
セラミドは、肌の水分とくっつき、内側に保つ働きがあります。
セラミドが増えれば肌の水分も増える。
これが美肌効果を生んでいるメカニズムのひとつと考えられるのです。

「味噌にはいろんな成分が含まれ総合的に効いています。グルコシルセラミドもそのひとつ。グルコシルセラミドを肌の細胞に与えると肌のバリア機能がアップするということも我々は明らかにしていますので、そうすると肌が元気になって水分量がアップする」(北垣教授)

味噌を食べることで私たちは、カラダの内側から肌の潤いを保つことができるのです。

味噌以外にグルコシルセラミドがたくさん含まれている食べ物はないのでしょうか?

「今のところ、グルコシルセラミドがひとつのお肌に良い成分、有力な成分じゃないかと思っています。味噌を食べることで、お肌がどんどんきれいになるのはいろんなデータを見ていると間違いないかなと。味噌以外にもグルコシルセラミドを含む食べ物は、こんにゃく、とうもろこし、りんごの皮、甘酒、こうじなど。こんにゃくの田楽などは、たくさん(グルコシルセラミドが)とれると思いますね。」(北垣教授)


味噌には、いろいろ種類がありますよね。こうじによってどう違うのでしょうか?

すべて味噌というのは大豆が原料です。だから例えば、麦味噌といっても麦で作るのではありません。大豆を使って麦こうじと塩と大豆で作るのが麦味噌。米味噌は大豆に米こうじと塩。豆味噌は大豆に豆こうじと塩。そういう風に決まりがあります。必ずこうじと大豆が入っています。」(小泉教授)

NHKオンデマンド

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