どう増やす「褐色細胞」? 寒冷刺激実験!

2018年4月3日(火)BSプレミアム 午後10時00分~ 午後10時59分

発見!“痩せる脂肪”の極意


どう増やす「褐色細胞」? 寒冷刺激実験!


赤ちゃんの頃から持っている褐色脂肪細胞と、このベージュ脂肪細胞。
実は、この2つを合わせて「褐色脂肪」と呼んでいます。

ではどうしたら、この「褐色脂肪」を味方にすることが、できるのでしょうか。

その答えは、寒冷刺激

新潟大学の清水准教授によると、カラダを冷やすと、ヒーターの役割を担う「褐色細胞」が増えるのだそうです。

そこでヒントとなるのが、「アイスマン」の通称で知られる、オランダ人のヴィム・ホフさん、58歳。短パン姿で雪山を登ったり、極寒の地を素足で走るなど、寒さの耐久に関する世界記録をおよそ20も持っているすごい人です。

 

なぜホフさんは、極寒の環境に耐えられるのか? 世界の研究者が注目したのは、やはり「褐色脂肪」。ホフさんの「褐色脂肪」の量を調べてみると、50代にも関わらずなんと20代並の量がありました。

 

しかし、室温31度の暖かい部屋にいたときのホフさんの画像を見ると、鎖骨や背骨付近にあったはずの「褐色脂肪」が見えません。

一方、室温を13度に下げると「褐色脂肪」が現れました。そう、「褐色脂肪」を活性化させるのが、寒さを与えるこの寒冷刺激なのです。


実際に寒冷刺激で「褐色脂肪」が働くと、消費されるエネルギーが、高くなることがわかっています。

「褐色脂肪」を多く持っている20代女性に、水に手をつける軽い寒冷刺激を受けてもらいます。

調べるのは、呼吸にあらわれるエネルギー消費量。

寒冷刺激を与える前の、平均値と比べると、寒冷刺激を与えた後の平均値は、与える前よりも高くなっています。

その分、基礎代謝がアップし、脂肪が消費されるというわけなのです。

この寒冷刺激に研究者が注目しているのは、「褐色脂肪」を活発に働かせるだけではく、それ自体を増やせるのではないかと考えるからなのです。 

寒冷刺激だけでも「褐色脂肪」は活性します。日常生活に組み込んで活性化させ続けることができれば、いつまでも健康でいられるんじゃないかなと思います。」(清水准教授)

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では、どの程度寒冷刺激を取り入れれば増やせるのか。
それが今、研究者の間でも注目のテーマです。 

さすがに、ホフさんのような過酷な生活はできません。
そこで、できるだけ手軽な方法を、清水准教授と考えてみました。

方法は、夏の熱中症対策グッズ、アイスベルトを使った寒冷刺激。中には保冷剤が入っていて、首もとに巻いて、カラダを冷やすことができます。

首に巻くのは、健康上のことも考えて、1日2時間が限度です。

 

松丸ほるもんさんと、太りやすい体質だという、女性3人が参加しました。
今回は、1週間の実験の結果を、体脂肪率の変化で見てみます。 

 

首には、大きな血管が流れているので、首を冷やして効果的に寒冷刺激を与えます。
清水さんの指導のもと、アイスベルトを1日2時間。それ以外は普段通りの生活を行ってもらいます。

 

1週間後、松丸さんの「褐色脂肪」の変化を、例の10分間の寒冷刺激で調べてみます。

どこが違うのか、一見違いがわかりづらいですが…、
なんと右側の1週間後は、かすかに赤色が増えていました!

 

残り3人の変化も調べてみると、20代の方は鎖骨付近の黄色の範囲が広がっています。

 

「褐色脂肪」が減っているはずの50代の方も、首もとの黄色が増え、鎖骨の赤色が濃くなっていました。

 

40代の方は1週間後の左側は赤色が濃くなり、右側は広範囲に赤色が広がっています。

 

さらに体脂肪率の変化も見てみると、なんと4人中3人が減少していました。

 

こうした寒冷刺激を上手に生活に取り込めれば、痩せ体質に近づくことも夢ではない、ということです。

しかし、注意点もあります。

「あまり冷やしすぎは良くないと思います。血圧が変動してしまって予期せぬ病気になったりすることもあります。」(清水准教授)

今回の実験は、専門家監修のもと、褐色脂肪の変化を確かめるチャレンジ企画。カラダの冷やしすぎには十分気をつけてください。

実は清水准教授によると、冷やしすぎなくても「褐色脂肪」は活性化するといいます。

「(胸元の開いた服を着るなどでも)首の周りの寒冷刺激にさらされる機会が増えるということで、「褐色脂肪」の機能が高まる可能性があるので、日常生活に取り入れる習慣も大切です。」(清水准教授)

例えば首もとの開いた服を普段から着たり、マフラーをしなかったり、暖房をあまり使わなかったり。日常の習慣の違いで、寒冷刺激をよく受けている人と、あまり受けていない人で差が出る可能性もありそうですね。

2時間という長い時間は寒冷刺激を我慢できない場合、1日10分だけ、という寒冷刺激では、どうなるのでしょうか?

「活性化には、ある程度の時間の長さは必要で、やはり時間という軸も寒冷刺激の重要な要素になると思います。」(清水准教授)

そしてもう1つ、寒冷刺激を与えるのに良い方法が「運動」です。

清水准教授によると、例えば水泳のようなカラダを冷やす運動を日常生活に取り入れるのも有効ではないかということです。

さらに「褐色細胞」が活性化することで、ダイエットだけではない重要な効果があるのではないか、研究者たちは注目しています。

「「肥満」や「糖尿病」、もしかしたら「心不全」などにも「褐色脂肪」は関係し、改善できる可能性があると考えています。健康寿命の延伸につながる可能性があると考えています。」(清水准教授)

NHKオンデマンド

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