肉はダイエットの敵ではない

2017年6月15日(木)BSプレミアム 午後9時00分~ 午後10時00分

ダイエット女子必見 肉でキレイに!


<肉はダイエットの敵ではない>

肉に多い栄養素と言えば、タンパク質です。

私たちは1日にどれぐらいタンパク質をとればいいのでしょうか?
厚生労働省が目標に掲げている数字は、成人女性で1日50グラム

出典:厚生労働省・食事制限基準より

この数字を食材に換算すると、

出典:厚生労働省・食事制限基準より

  • 和牛もも肉 181g(焼いた状態)
  • 豚ロース 187g(焼いた状態)
  • 鶏ささみ焼き 196g(焼いた状態)
  • 真アジ一尾 およそ25センチ
  • 鶏卵 6個
  • 豆腐 2.5丁

意外と多いと思う方もいるのではないでしょうか?

 

厚生労働省の調査では、若い女性を中心にタンパク質不足が増えていると警告しています。 

その一因は…そう、ダイエットです。

ダイエットのためにお肉を避けている女性たちに警鐘を鳴らしているのが、50年の歴史を持つ女子栄養大クリニックの教授でダイエット講座を続けている蒲池桂子さんです。

行き過ぎたダイエットがタンパク質不足を招き、意外なカラダの不調を引き起こしていると言います。

「意外に多いのが、タンパク不足で、睡眠がなかなか取れないっていう方が結構いらっしゃるんです。あとは髪の毛とか、爪とかが割れやすくなってるとか、そういうこともあるかもしれないです。」(蒲池教授)

 

そこで今回、お笑い芸人のやしろ優さんにダイエットでの実験をお願いしました。
実はやしろさんは新婚ホヤホヤで、ただ今、絶賛ダイエット中。

披露宴で可愛い花嫁姿になるという夢のため、ダイエットに励んでいるやしろさん。昨年、夏にも蒲池さんにダイエット指導を受けていました。

その時の体重は81キロ。前回のルールは、「夕食は夜10時前にとる」というもの。大好きなお寿司も制限せず、1か月で2キロの減量に成功。しかし、その後リバウンドしてしまい、一念発起!

やしろさんは、炭水化物を制限する低糖質ダイエットを始め、運動も頑張りました。すると、82キロからひと月2キロのペースで体重を減らし、ついに69キロまで減量したのです。

しかし、蒲池教授はそんなやしろさんのカラダに何かよくない影響が出ていないか危惧していました。
昨年と比べてみると、体重は11キロ減っていますが、筋肉量も1キロ減っています。

やはりタンパク質不足が気になります。
ここ数日のやしろさんの食事記録を見ると、空欄が目立ち、1日2食の日も少なくありません。蒲池さんは、その記録をつぶさに分析しました。

 

やしろさんの栄養状態を表すチャート図。全ての値が100をさすのが理想です。

やしろさんは糖質制限をしているため炭水化物が不足している分、他の栄養素の値はもっと上げるべきだと蒲池教授は考えました。

特に、タンパク質は、70にとどまっていては代謝が上がらず、リバウンドしやすい体質になってしまいます。

そこで蒲池さんが立てた方針は1日180から200グラムの肉を食べること
ただし、牛乳や卵・魚などをとった場合はそのぶん減らしてもOK、というもの。

せっかくここまでがんばって痩せることができたのに、1日200グラムもお肉を増量しろとは…?
逆に太っちゃわないでしょうか?

ダイエット中にもかかわらず肉を増量するという無謀な挑戦の実態とは…

やしろさん、この日は200グラムの豚肉を3度に分けてとる作戦にしました。
朝はスープに豚肉。
昼は炒め物に豚肉。
そして、夜はもやしに豚肉を入れて。

糖質制限を続けながら、毎日、献立に肉を加えていきます。

 

3週間にわたる肉づくしの挑戦、結果はどう出るか??

体重68.7キロだったのが、なんと67キロという大成功。

わずか1.7キロしか減らないの?とお思いになったみなさま
3週間あれだけ肉を食べながら1.7キロの減量
体脂肪も0.6パーセント減らすことができたのです。

まさに、肉はダイエットの敵ではなかったということなんですね。

肉を食べても、なぜダイエットの妨げにならないのでしょうか? その理由を、蒲池教授はこう説明します。

「第一に、肉、タンパク質を食べると、肉自体を消化するためにエネルギーを使います。そのため、エネルギーが普通よりも使われてしまう。消費エネルギーが30%アップという考え方ができるかと思います。
次に肉、タンパク質を食べることで、筋肉がプラスされていきます。増強されるのにはちょっと時間もかかるのですが、代謝がアップすることになり、今度はリバウンドしにくいカラダになると思います。」(蒲池教授)

 

では、トレーニングしなくても、タンパク質で筋肉は増えるのでしょうか?

「やっぱりある程度、トレーニングをしていただくことが重要です。そして最後に、タンパク質の中に入っているアミノ酸を、一度に取ることができるということで、お肉を食べることで、足りないようなアミノ酸を、非常に効率的に摂取することができるということが言えます。」(蒲池教授)



<肉で内側から強くキレイになる!>

街ゆく女性に気になる体の不調は何か聞いてみたところ、冷え性や爪が割れる、疲れやすい、眠れないといった回答が返ってきました。

そんな女性たちのカラダの不調は、タンパク質不足が原因ではないか。そう考えているのは、AOI国際病院内科医の仲眞美子さん。東京丸の内の人間ドッグで、7,000人以上の女性を調査したところ、驚くべき実態が浮かび上がってきたと言います。

「1日20~30人ぐらいの女性のドックをしますと、そのうち半分以上はもっと卵、お肉、チーズを食べましょうというお話をしなくちゃいけない。女性によく言うのは、生理の前にすごくいらいらしたり、すごくカラダが疲れたりしたら、それは肝臓の解毒機能が落ちているよっていうお話をするんです。」(仲医師)

肝臓は要らない老廃物を取り除いたり、カラダに必要な栄養分を作り出したりする役割があります。
実は、タンパク質が不足すると、肝臓の機能が低下して全身に栄養が行き渡らなくなり、お肌はカサカサ。疲れやすくなったり、爪が割れやすくなったりするほか、冷え性、貧血、不眠などを招くのです。

 

長くカラダの不調を抱えている都内に暮らす34歳の主婦、大城知恵さん。
疲れやすい、眠れない、肌が乾燥する、冷え性などの症状に、ずっと悩まされてきました。

大城さんは、子供のころから牛肉のアブラが苦手で、肉を進んで食べることはなかったと言います。

 

しかし、疲れやすいカラダをなんとかしようと、苦手な肉を克服することにした大城さん。
料理研究家 今泉久美さんのスタジオを訪ねました。

 

今泉さんは、カロリーは減らしてもタンパク質は減らさないダイエットメニューを考えるエキスパートです。
この日、伝授するのは、「エリンギ入りハンバーグ」。このエリンギが秘密兵器です。

肉のアブラが苦手な大城さんのため、赤身の豚と牛の合いびき肉を使います。
そこに、エリンギをみじん切りにして練りこむことで、魔法のように食べやすくなるのだと言います。

 「今日は、赤身の肉を使いました。タンパク質量をアップしたいから。ジューシーに仕上がるコツといって、脂身を多くするんですが、そのアブラの代わりになるのが、実はこのキノコなんですね。」(今泉さん)

エリンギなどのキノコ類は、加熱すると、水分といわゆるうま味成分が出てきて、肉汁の代わりをしてくれるんだとか。

大城さんのような人はもちろん、肉が食べたくてもカロリーが気になる人にも最適です。

 

「牛肉って意外と鉄分の供給源になるので、お肉を遠ざけちゃってると貧血になる方も結構いる。」(今泉さん)

貧血気味の大城さんには、嬉しい新メニューです。 

 

その後も大城さんは、1日200グラムを目標にいろいろな肉料理を食べ続けました。
そして、2週間後、食事指導をしてくれた女子栄養大学の蒲池教授の栄養クリニックを訪れました。

実は、彼女には、実感できる変化があったと言います

「こういうところすごいカサカサするんですけど私、あまりしない気がします。髪の毛ももっとペタッとしてるんですけど、ちょっとふわっとした感じがします。」(大城さん)

母親からは顔色が良くなったと言われたそうです。

 

蒲池教授が注目したのは、筋肉量の変化。
全身の筋肉量がアップし、特に、太ももの筋肉量が、1,000グラム以上も増えていました!

 

大城さんは、食事が劇的に変わったことで、気分が変わり、外を歩くことが多くなったと言います。

この日は、しばらく休んでいた阿波踊りの練習に参加。どうしても途中で疲れてしまうので、しばらく足が遠のいていそうです。この日、最後まで踊り抜いた大城さんは、はつらつと輝いて見えました。

 

大城さんの体重は、肉を増やす前より300グラム減りました。
蒲池教授の指導でタンパク質を増やしたことで筋肉量が増え、代謝が上がったからだと考えられます。

この変化について、女子栄養大学教授の西村敏英さんは次のように説明します。

「私たちのカラダって、髪の毛も、皮膚もタンパク質でできてるわけです。それは新陳代謝で、常に新しいものに変わってます。その時の原料になるのが食べ物から取るタンパク質なんです。それが足りないと、手がカサカサだとか、髪の毛ボリュームが増えたっていうのはおそらくタンパク質を取ることによって、新しくそういったものができてるからですね。」(西村教授)

 

さらに、食事でメンタルも良くなってくるのでしょうか? 静岡県立大学名誉教授 横越英彦(よこごし ひでひこ)さんは次のように解説します。

「当然、食べたものによって、脳は影響を受けるわけです。ですから今回、筋肉量が増えたということと、体調が良くなった。それによって気分であるとか、心の充実といったようなところにも、影響があったんじゃないかというふうに思います。」(横越教授)

NHKオンデマンド

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