放送済みの作品（2011年）

『鳥の名前の少年　あるいは、
ある小惑星探査機の冒険』

あらすじ：
「少年」の声が聞こえる。
日本には古来より、万物に魂が宿るという考え方がある。動物や植物はもちろん山や川、動かない一つの石くれ、あるいは人の手によって作られた人工の品にさえ、魂が宿ることがあると考えられる。もしも、たくさんの研究者の創意と工夫と情熱が注がれた探索機に一つの魂が宿っていたとしたら・・・。もしも、たくさんの人々の宇宙への夢を託されたその無機物の体に一つの精神が宿ることがあったなら・・・。その"幼い魂"は、7年あまりに及ぶ長旅の中、暗く冷たい宇宙で一人、何を思い何を信じたのか。宇宙をさまよいながら、何故、自分が宇宙にいるのか、自分は何者なのか自問自答する。これは、小惑星探査機「はやぶさ」をめぐる大冒険をベースに、人が生きることの切なさ、素晴らしさをファンタジーとして詩情豊かに描く60分のドラマ。


【作家の言葉…オカモト國ヒコ】
映画ピノキオで「星に願いを」が歌われてから70年、科学技術は見上げて願うだけだった星に実際に触れて帰ってくる事を可能にしました。触れたの は人の手ではなく小惑星探査機はやぶさのサンプラーホーンです。他に天体を歌った歌といえばジャズスタンダード「Fly me to the moon」。発表当時の原題は「In other words」で、歌詞にも出てきますが「言い換えれば」という意味です。
というわけで、誰もが知る小惑星探査機「はやぶさ」の物語を僕流に言い換えたところ、一人の少年の冒険譚が浮かんできました。彼はみんなに期待さ れてたった一人、過酷な旅に出ます。目的は遥か彼方にあるという不思議な山から石のかけらを持って帰ること。それにどんな意味があるのか、少年には知らさ れないまま・・・。
実際には音のないはずの世界を舞台に、音声のみで物語られる少年の旅を是非、一緒に体験してください。そして旅の後、少しの間、夜空を見上げてくれればとても嬉しいです。

文化庁芸術祭参加作品

『空の防人』（再）

(名古屋局制作)

『空の防人』

(名古屋局制作)

『雪姫（ゆき） 遠野おしらさま迷宮』