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「みんなで助かる」防災の心得を学ぼう チャレンジ!BOSAIアクション2

子どもたちが防災力アップを目指す「チャレンジ!BOSAIアクション」。今すぐ挑戦できる取り組みを7月に続いてご紹介します。第二弾は「みんなで助かる」がテーマ。大人も意外と知らない「防災の心得」を、「防災キッズ団」の4人が「NHKデジタル防災クラス」の解説キャラクター・ヤモリン博士(矢守克也 京都大学防災研究所教授)と一緒に楽しく学びます。

この記事は、明日をまもるナビ「チャレンジ!BOSAIアクション 第2弾」(2022年10月9日 NHK総合テレビ放送)の内容をもとに制作しています。


BOSAIアクション①
群馬大学「防災キャンプ」


子どもたちが自分たちで決め、行動する

災害社会工学が専門の群馬大学・金井昌信教授が2018年から毎年主宰している防災キャンプです。

●ポイント
・小学生が避難所生活を疑似体験する中で、防災の心得を習得します。
・キャンプの前に小学校で事前授業を行い、子どもたちは避難所生活のルールをあらかじめ考えておきます。
・予想もしないさまざまな問題に遭遇することで、実際の災害でも、自分たちで解決していく力をつけることが目標です。

【動画】防災キャンプで学ぶ!避難所生活の心得

番組では防災キッズ団の徳渕来美(とくぶち・くるみ)さん(11歳)と鈴木楽(すずき・たの)くん(9歳)が、新潟県新発田市で行われた小学生の防災キャンプに参加しました。

ミッション① 段ボールを使った「寝床づくり」。段ボールが足りない、さあどうする?
ミッション② 救援物資のカレーが避難者の数の半分しか届かない!さあどうする?
チームで話し合い、協力し合って、解決策を考えます。

段ボールを使った寝床づくり
段ボールを使った寝床づくり

金井昌信教授
「地震であれ水害であれ、何か起こったときに、自分で考えて行動しないと命って守れないんですね。ルールというのは、「考えて行動する」練習の一環になる。防災キャンプの中ではそれがいちばん重要だと思っています」

「防災キャンプ」を主宰する群馬大学の金井昌信教授
「防災キャンプ」を主宰する群馬大学の金井昌信教授

▼ヤモリン博士(矢守教授)のポイント解説
「自分で考えて行動する」という、とても良い学びがありました。避難所で気持ちよく過ごすことも大事です。避難所には自分ひとりでいるわけではありません。一緒に寝たり食べたりすることが初めての人も多いし、海外の方もいるかもしれない。非常に良いところに気づきましたね。

ヤモリン博士こと矢守克也教授
ヤモリン博士こと矢守克也教授

BOSAIアクション②
チコちゃんと防災クロスロードを体験

災害では、大事なことを自分で決めなければならない難しい状況が出てきます。
自分だったらどうするか?を考えることで防災を学ぶ教材、それが「防災クロスロード」です。

ヤモリン博士こと矢守克也教授と司会の塚原愛アナウンサー
ヤモリン博士こと矢守克也教授と司会の塚原愛アナウンサー

NHKの「明日をまもるナビ」ホームページでもさまざまなクロスロードを紹介しています。監修は番組のナビゲーターを務める京都大学防災研究所の矢守克也教授です。

番組ではその中のひとつに挑戦しました!それは…

防災クロスロード チコちゃん編

【防災クロスロード チコちゃん編】

チコちゃんが出す「究極の選択」に挑戦!できないと、チコちゃんに叱られる???

▼ヤモリン博士(矢守教授)のポイント解説
どちらかを選んだら、チコちゃんに叱られる…ことはありません。どちらかが正解ということではなく、自分で考えることがテーマです。
でも、本当にこんなことになったら、時間がなくて考えていられません。今のうちにモヤモヤと考えておくことが大事なのです。
その中で、もし大きな地震があったら何分ぐらいで津波が来るかを示した“ハザードマップ”を調べたり、友達とどちらのルートから逃げるか事前に確かめておく。先に準備をしておくと、いざという時により動きやすいということを、学ぶことができます。


BOSAIアクション③
北海道教育大学釧路校「津波寸劇」


逃げる姿勢を身につける・伝える

●ポイント
・北海道東部で5年前から続く、寸劇を通した防災授業です。北海道教育大学釧路校の学生たちが発案し、3、4年生が中心となって年に数回の公演を行っています。
・大地震が起きた後、ある家族が津波に備えて避難するかどうかを描いた寸劇を上演します。見る人たちにも劇中で問いかけ、一緒に考えます。
・開催場所や見る人たちの年齢層によって、場面設定や演技内容を見直します。

【動画】逃げる姿勢を身につける!津波寸劇

2022年9月、知床半島の東側にある羅臼町で上演が行われました。羅臼町は、内閣府の最新の「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定」では、最大5メートルの津波が押し寄せる地域です。しかし、この100年ほど大きな津波の記録がない上、目の前にある国後島(くなしりとう)が「津波から守ってくれている」と信じる大人が多いのが実情です。

そこで学生たちは、「子どもたちが大人たちに避難を呼びかける存在になってほしい」と考え、子どもたち自身に考えてもらうような舞台設定と役回りを考えました。

寸劇の様子

今回の寸劇の責任者、加藤香帆奈さんは
「自分の考えで動いてほしいという部分を軸に授業を考えました。自分の命をちゃんと自分で守れるような子どもたちに育ってほしい。」と語っています。

▼ヤモリン博士(矢守教授)のポイント解説
ここで学ぶのは、「逃げる姿勢を身につける 伝える」ことです。

逃げなくていいと気持ちが固まっている人たちに、危ない時は逃げようかなと心の持ち方を変えてもらう。それには、逃げようと自分がまず思うことと、それを伝えることが大事ですね。

災害には絶対はない、予想外のことが起こるかもしれないことを視野に入れて行動することも、ここで伝えたかったメッセージです。


BOSAIアクション④
津波寸劇を演じて、防災の心得を学ぼう!

●ポイント
・津波からみんなで助かるために、ヤモリン博士監修の台本をもとに寸劇を演じることで、防災の心得を学びます。
・北海道教育大学釧路校の寸劇は、「津波なんか来ない」と考える人たちをどう避難に結びつけるかがカギでした。このヤモリン博士監修の寸劇は、津波が来るとわかっていても避難ができない人がいたりする場面で、自分はどうしたらいいのか?考えます。

【動画】演じて学ぶ、津波寸劇

【状況設定】
ある午後、ふたりの姉弟は自宅の居間でのんびり過ごしていました。お母さんは夕飯の買い物へ出かけています。
すると、大きな地震が!津波の恐れがあるため、学校へ避難するか、それとも自宅で母の帰りを待つか?ふたりは話し合います。
結局、避難して津波から逃れることができたふたり。その後、お母さんとも避難所で会うことができました。

▼ヤモリン博士(矢守教授)のポイント解説
今日はみんなに“逃げる姿勢を身につける”を心得として学んでもらいました。

これには大事なルールがあります。「大切な人がそれぞれ違う場所にいても、お互いにまず逃げなきゃいけない」と事前に約束していることです。

それぞれがすぐに安全な場所に逃げて、避難できたらお互いに災害ダイヤルなどで連絡するようにするといったルールを、家族や大切な人との間で決めておくことが大事なのです。


BOSAIアクション⑤
NHKアナウンサーの防災教室


ことばで命を救う

NHKアナウンサーは全国各地で防災教室を行なっています。防災を学びたいという希望を伺いながら、その地域をよく知るアナウンサーが学校や公民館で開催しています。

NHKアナウンサーによる防災教室

●ポイント
・アナウンサーが行っている災害報道訓練を題材に、どんな呼びかけを考えているのかを伝えます。
・災害級の大雨に見舞われた想定で、「誰に」「どんな言葉」を呼びかけるのかを考え、呼びかけの3つの目的を。
 ①正確な情報を伝える ②こころを寄せる ③関心のない人を振り向かせる
・呼びかける側と呼びかけられる側を演じて発表することで、どう呼びかけたら避難行動を後押しできるかを学びます。

【動画】ことばで命を救う アナウンサーの防災教室

番組で紹介したのは、岡山県笠岡市の小北(おきた)中学校での防災授業。NHK岡山放送局の塩田慎二アナウンサーのふるさとです。ここは西日本豪雨で被害が大きかった地域で、小北中学校も小田川と尾坂川の氾濫で浸水してしまいました。

授業を終えて、塩田アナは…
「一人一人が大切な人のことをしっかりと考える中で一緒に逃げようっていう言葉が出てきた時、何か涙が出てきそうになったんですよね。それだけみんな一人ひとりが地域のこと、そして大切な人のことを思っているんだなというのがすごく伝わってきました」

塩田アナがおじいさん役になって、子どもの呼びかけに応える
塩田アナがおじいさん役になって、子どもの呼びかけに応える

BOSAIアクション⑥
町内の皆さんへ避難呼びかけをしてみよう

●ポイント
・災害用の無線で避難の呼びかけをする設定で、どんなことばが伝わるのか考えます。
・住んでいる町で、両親や兄弟、おじいちゃんやおばあちゃん、お友達など大切な人たちを避難させるための最後の一言を考えて下さい。

矢守地区に避難指示を発令しました。塩田川が増水し、氾濫するおそれが高まっています

防災キッズ団が小学生チームと中高生チームにわかれて挑戦しました。小学生チームは…

塩田川に近い人はすぐ逃げてください。この放送はウソではありません。とにかく逃げてください

中高生チームは…

川の近くにいる人は自分の命を優先して、いますぐ避難してください。まわりの人にも声かけ、おねがいします。

▼ヤモリン博士(矢守教授)のポイント解説
小学生チームの「ウソではありません」はびっくりしますが、こういう情報を聞いたときに「ウソだろう」と思う人がいるじゃないですか。そういう人の心を動かす強いメッセージでした。

中高生チームは、声の調子が落ち着いていて、人の心を動かす深みがあった気がします。たくさんの人が避難するだろうなと思いました。

今回のテーマである「自分の命をまず守ること」と、「周りにも声をかけてみんなで助かる」ということがうまく組み合わさっていましたね。とてもよかったです。

このほか、番組で紹介した全国各地の取り組み

【動画】BOSAIアクション 全国各地の防災アクションご紹介!

①名古屋地方気象台「ちょこっとぼうさい」
名古屋地方気象台と日本赤十字社愛知県支部が開発し、ネットに公開している「ちょこっとぼうさい」。監修は愛知工業大学の横田崇教授。5つの学習テーマをプリント1枚、10分程度で取り組めます。

「ちょこっとぼうさい」

②長崎大学工学部
水害の実験装置は国土交通省の発案で、かつて多くの被害を出した諫早大水害の模型を長崎大学の学生が製作。地元の小学校で防災教育に役立てています。

模型を使って地元の小学生に説明

③福島大学災害ボランティアセンター「集まれ!ふくしま子ども大使」
福島大学の学生は、全国の小学生を集めた交流キャンプを2013年から実施。これまで全国から276人が参加。
東日本大震災について学ぶほか、子どもたちが感じた福島の魅力を全国に広めてもらおうという取り組みです。

「集まれ!ふくしま子ども大使」

④岐阜大学地域マネジメント研究室「減災教室」
2022年7月、岐阜大学主催の「減災教室トランプ・大カルタ大会」が行われました。通常の5倍の大きさのかるたを使ったこの大会。子どもたちは、かるたの絵札を見ながら、災害時に身を守る知恵や備えを学んでいきます。
岐阜大学では独自の防災アプリ「減災教室」を開発し、無料で配信中。日本語のほか、英語や中国語など6か国語に対応しています。

減災教室トランプ・大カルタ大会


チャレンジ!BOSAIアクション 報告動画 募集中!

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皆さんからの報告動画を募集中です。

NHK防災・命と暮らしを守るポータルサイト
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