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明日ナビmini 知っておこう いざというときの救命処置

「明日をまもるナビ」の放送でお伝えしたノウハウやさまざまな知恵を、短くお伝えする「明日ナビmini」。街中で倒れている人を見つけたときにどうするか。そのために覚えておきたいのが救命処置です。災害や事故の現場での人命救助に役立ちます。

この記事は、明日をまもるナビ「帰宅困難 そのときあなたは?」(2021年7月4日 NHK総合テレビ放送)の内容をもとに制作しています。


救急指導のプロフェッショナルである東京消防庁の畠中正太郎さんが、対処法のポイントを教えてくれました。

まずは119番通報を

「意識のない方が倒れていたら、まずは119番通報してください。通報をうけた通信指令員や、出場中の救急隊員から応急手当のやり方をアドバイスしてもらえるので、迷ったらすぐ119番通報してほしい」

「そして、AEDの使い方をぜひ覚えてください。同時に、心臓のポンプ機能を補助するための『胸骨圧迫』、いわゆる心臓マッサージを行うことが重要です」(畠中さん)

AED(自動体外式除細動器)とは?

心臓の震えを電気ショックで取り除くための機器です。
通常、心臓は全身に血液を送るポンプの役割を行っています。しかし、心臓が規則正しく動くのではなく、ブルブルと細かく震える「心室細動」という状態になると注意。血液を全身に送り出せなくなり、長時間放置すると心停止します。その震えを取り除き、本来の心臓の動きに戻すのが、AEDによる電気ショックです。

AEDの設置場所

多くの場合、病院や診療所、歯科医院などの医療機関に設置されています。 学校や市役所、スポーツセンター、公民館、ターミナル駅など沢山の方が利用する場所でもよく設置されています。 AEDが必要となった際は、近くにそのような施設がないか確認しましょう。

AEDと設置場所の表示
AEDと設置場所の表示

1.倒れている人を発見したら

①周りの安全を確認してから倒れている人に近づく。

②両肩をたたきながら「わかりますか?大丈夫ですか?」と3回程度呼びかける。

両肩をたたいて3回呼びかける

③意識がなければ大声で協力者を募り、119番通報とAEDの手配を依頼。

④胸とおなかの動きを横から見て、呼吸があるか確認。

⑤呼吸を確認できなければ胸骨圧迫を始める。


2.胸骨圧迫(心臓マッサージ)の方法

マスクをして行う

①コロナ禍での感染防止のため、必ずマスクをして実施。倒れている人の口と鼻にもタオルやハンカチをかぶせる。

倒れている人の口と鼻にタオルやハンカチをかぶせる

②胸の真ん中に手のひらの付け根をおき、両手を重ねて垂直に押し下げる。

両手を重ねて垂直に押し下げる

③押す深さは約5センチ、1秒に2回程度の間隔で繰り返す。

押す深さは約5cm

④AEDが届いたら、いったん胸骨圧迫を休止してAEDを開始する。


3.AEDの使い方

①AEDを倒れている人の頭側に置く。

②AEDのフタを開けると電源が自動で入る。

③声とモニター画面に従い、順番通りに進める。

装着するため服を脱がす
装着するため服を脱がす
AEDのモニター画面
AEDのモニター画面

パッドを2か所に貼る

パッドを2か所に貼る
パッドを2か所に貼る
体にさわらないでください
「体にさわらないでください」と指示が出る
体から離れて点滅ボタンを押す
体から離れて点滅ボタンを押す

④AEDから「電気ショックが終わりました」「ただちに胸骨圧迫と人工呼吸を始めてください」と指示があるので、胸骨圧迫を再開。人工呼吸の訓練を受けていない人は胸骨圧迫に専念する。

⑤救急車が近づいても胸骨圧迫を止めず、救急隊員が目の前に来て交代するまで続ける。

AEDの使い方を知っておかないと、いざというときに有効に活用できません。消防本部やNPO法人で講習会を開いているので、ぜひ事前に学んでみてください。東京消防庁では使い方を動画で詳しく紹介しています。

【参考】東京消防庁公式チャンネル
(大人向け)心肺蘇生(AED)動画(一般成人用)
キュータとやってみよう!AED(AEDの使い方)
※NHKサイトを離れます