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証言記録「災害を生き抜くレシピ」をご紹介!

管理栄養士の鶴島綾子さん。物流が遮断され食料が尽きそうになる中、限られた食材を大切に使い、身も心も温まる料理に生まれ変わらせました。

2020年4月5日(日)放送の「証言記録 災害を生き抜くレシピ ~知られざる栄養士の闘い~」では、原発事故による屋内退避指示により、病院に閉じ込められた300人にのぼる患者と病院職員たちの命をつないだ管理栄養士の鶴島綾子さんを紹介。鶴島さんは、物流が遮断され食料が尽きそうになる中、限られた食材を大切に使い、身も心も温まる料理に生まれ変わらせました。

その鶴島さんから、「災害時に命をつないだレシピ」とメッセージを寄せて頂きましたので、ご紹介します。


「災害時に作った3種のレシピ」について

日頃、私達は何不自由なく暮らし、それが当たり前と思いこんでいました。
震災と原発事故によって物流が途絶え、屋内退避指示で、野外の炊き出しもできずにいました。
大規模な被災、寒く雪が降るなかの避難、そうした状況の中で体力をどう維持できるのかが最も重要な課題でした。

震災直後は炭水化物中心のおにぎりや菓子パン、カップ麺などで空腹を満たしていましたが、免疫力の低下で発熱、風邪症状やストレスにはタンパク質、ビタミン、ミネラルの補給が欠かせないと感じました。

そこで考えたのが、次のようなレシピです。

フレンチトースト

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【材料】支援物資のコッペパン、卵、コーヒー用クリープ、マヨネーズ それぞれ適量
 

  • 支援物資としていただいたコッペパンは日が経って硬くなってしまったため、何とか食せないかと思いついたのがフレンチトースト。
  • 牛乳が無かったため、コーヒー用クリープを湯で溶かし、卵と混ぜてパンを柔らかくなるまで浸す。
  • フライパンを熱し、バターの代わりにマヨネーズを入れて、中火でパンを焼く。
    ※マヨネーズは、油分もあり卵も入っているので栄養価が高く、いざという時に重宝する調味料。
  • 卵液に、乾燥パセリやみじん切りの青菜類を加えて同様にすれば、野菜入りフレンチトーストに。

おにぎりおじや

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【材料】市販のおにぎり、水、卵 それぞれ適量

  • 支援物資としていただいた市販のおにぎりは日が経って硬く、そのままでは食べづらかった。そこで、おにぎりを割って鍋に入れ(梅干し入りの場合は種を除く)水を加えて、おじやに。
  • おにぎりに入っている「鮭」や「梅」、「昆布」など、様々な具材をひとつの鍋で煮ることで、それぞれの旨みが出汁になり、特に味付けをしなくても十分おいしい。
  • 最後に、溶き卵を回し入れる。
  • 好みで、めんつゆを加えて味付けしたり、あればネギや大根、青菜などを加えてもよい。
  • 量を増やす場合は、インスタントラーメン、カップ麺などを砕いて入れると、ラーメンおじやに。商品の付属として付いてる粉末スープで、味を調整する。

野菜スープ

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【材料】手に入る野菜類、水、スープの素などの調味料 適宜 

  • 鍋で適量の湯を沸かし、普段使っている「スープの素」や「だしの素」等を入れて野菜類を煮込む。
  • 多少傷んだ野菜でも、煮込むことで食することができるうえ、乾麺や米を加えれば主食にもなる。
  • 常備品の缶詰め(鮭缶、さば缶、大豆缶等)や乾物(桜エビやちりめんじゃこ)などがあれば、加えることでタンパク質の補給にもなる。
  • 最後に、片栗粉でとろみをつける。温かい状態で提供できる上、高齢者でも飲み込みやすく、誤嚥性(ごえんせい)肺炎などを予防する効果がある。

食を共にすることで、互いを共感でき身近に感じることができました。何より心身ともに温かくなれば、頑張る意欲につながっていく感じます。作る側、食べる側、お互いに感謝をしていたと思います。