あしたブログ | あの日、そして明日へ

2020年01月24日 (金)

阪神・淡路大震災を忘れない「震災郵便ポスト」

 

1995117早朝に、阪神・淡路大震災は起きました。

 

 

わたしはこの大震災を知りません。

 

 

 

 

WEB担当の花太郎です。

 

今月、正月ムードが抜けてきたころのことでした。ふとテレビをつけると、阪神・淡路大震災の特番が放送されていました。

 

がれきの山や燃えている建物など、画面に映しだされた多くの犠牲者が出た災害映像を、「大変なことがあったんだな」と思って見つめていました。

その番組を一緒に見て泣いていた友人は、泣きやんだころに「映画みたいだったね」と言いました。

 

 

わたしたちのような未体験者には、阪神・淡路大震災は、現実味がない「昔の大災害」というイメージが定着しているかもしれません。

 

 

震災から25年という節目に、神戸市長田区の消防署に「震災郵便ポスト」が設置されています。 

 

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これは震災の体験を共有するために作られたものです。参加方法は簡単。

 

阪神・淡路大震災での思い出、記憶、教訓などを手紙に書いて、このポストに投函するか、郵送またはメールで送るだけ。

 

すると、寄せられた手紙の一つが匿名で自分の手元に届きます。(同様に自分の手紙も匿名で、誰かに送られるそうです)

 

匿名で人に体験を伝えられるようにすることで、これまでさまざまな理由で震災を語って来なかった人たちの教訓を、より多くの人に伝承しようというねらいがあるといいます。

 

 

そして実は、わたしのような震災未経験者でも、希望すれば誰かの震災の経験を読むことが出来るんです。

 

わたしが、神戸市のHPに記載されているメールアドレス宛に依頼すると、すぐに1通の手紙が届きました。

それは、当時消防隊長をしていた方が書いた手紙でした。その一部を紹介します。

 

 

25年経った今、震災を経験していない若い世代の皆さんに、当時長田消防署の消防士達が葛藤し、絶望しながらも、

 

市民の皆さんに助けられながら困難を乗り切っていったことを伝えていければと思い、投稿いたします。

 

当時は同じ苦しみを共感する仲間としか話していませんでした。苦しみを話しても理解してもらえないことが怖かったのかもしれません。                                  

 

(中略)

 

現場を転戦し、水笠通で倒壊家屋での生き埋め現場に到着、救助に必要な削岩機を近所の工事現場から借用し救助作業を開始、

幸い家族5人が生存していて、励ましながら作業を進めなんとか救出しやすい状況であった父親と母親を救出できた。

さらに救助を進めるも残り3人の子供の声が次第に小さくなり、救出できた時には息が無くなっていました。                                     

廃屋から出してきた畳の上に3人の小さな体を乗せ、私たちは涙を流し手を合わせました。

その時に両親から

「あんたらは良くやってくれた。これはこの子らの運命やったかもしれん。」

と言ってくれた言葉に嗚咽(おえつ)しながら涙し、この言葉に救われました。                                     

このような現場が発生から3日間(72時間)くらい続いたと思います。        

これらの現場で培ったことは、命の重要性、特に自らの命を守る重要性と倫理観でした。

 

 

 

25年前のこととは思えないほど、当時の様子と感情が正確かつ繊細につづられた手紙を読んで、わたしは言葉を失いました。

 

 

 

去年の夏、わたしが遊びに行ったときには震災の面影は全くなかった神戸。

 

しかしそこには、25年たった今も、脳裏に焼き付いたあの日の光景とともに生き続けている人たちがいるのです。

 

 

 

燃える自宅、がれきの下敷きになった家族、助けられなかった娘、友人・・・。

 

あのテレビ越しにみた光景は紛れもない事実だったということをようやく実感しました。

 

 

 

そして、自分が当事者になったら、正気を保っていられるだろうか?もしこうした現場にいたら、正しい行動が取れるだろうか?と考えました。

 

 

 

消防隊長の手紙には、次のメッセージもありました。

 

 

震災を経験していない世代に伝えたいことは、経験したくは無いですが、

みんなが生きている間には日本のどこかで大きな災害がやってくるだろう。

その時に精一杯悔いのないよう生きることを伝えていきたい。

“助けてもらう立場なのか”、“助けにいく立場なのか”はわからない。

いずれにしても、その時の為に自分なりの“生き方”を備えていただきたいと思います。

 

25年の月日を経ても忘れてはいけないことがあります。生まれる前のことでも心に刻まなければいけない記憶があります。災害の多い日本で暮らす以上、決して他人事ではない、いつか起こるその日までにわたしたちに何ができるのか考えなくてはなりません。

 

 

手紙の応募は今月いっぱい受け付けています。

 

*郵送の場合 ※返信用封筒と切手は同封不要

《発送先》〒653-0016 神戸市長田区北町3-4-8

                  長田消防署 震災郵便ポスト担当者あて

 

*電子メールの場合

《送信先》 sinsai@office.city.kobe.lg.jp

 

*専用ポストへ投かんする場合

長田消防署の1階 玄関ホール内に設置された赤色の専用ポストに直接投函

※返信用封筒や切手は不要

 

 

※郵送、メール、ポスト投函のいずれも、住所と名前を明記のこと。

 

 

 

*詳細は下記のページを参照:

 

神戸市HP  www.city.kobe.lg.jp/a37423/20191105

 

 

 

119日に放送した「明日へリポート」でも、紹介しています。

 

動画には、震災郵便ポストに寄せられた手紙を、震災を知らない世代の防災教育に役立てたいという地元の高校での授業の様子や、ポスト発案者の思いが語られています。

 

 

リンクURL https://www.nhk.or.jp/ashita/bangumi/5min/200119.html