02.家族にも向けられた差別

敵から攻撃されても、自力で逃げることが難しい障害のある人たち。守ったのは家族だった。しかし、その家族にも厳しい目は向けられていた。周りに迷惑をかけたくない、障害を隠してほしい…。家族の複雑な思いがあった。

  • 1.“穀つぶし”の姉

    耳が聞こえないために兵隊になれなかった堀登喜雄さん。姉は周囲から、「“穀つぶし”の姉が生意気な事を言うな」と言われたという。そして姉は、人前での手話を禁じた。

    “穀つぶし”の姉

    堀登喜雄さん(聴覚障害)

    大阪 羽曳野(取材当時)

  • 2.“迷惑にならないように” 集団から離れて避難

    激しい地上戦が繰り広げられた沖縄。足の不自由な屋富祖忠治さんは父に背負われ、視覚障害の姉は父の手に引かれて逃げた。集団から離れての逃避行。捕虜になった後の収容所でも、人とのかかわりを避けていた。周囲に迷惑をかけたくないと家族は思っていた。

    “迷惑にならないように” 集団から離れて避難

    屋富祖忠治さん(両足にまひ)

    沖縄 那覇