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鉄道フォトライター 矢野直美のおススメ鉄道旅 「稚内駅」

投稿時間:2019年7月11日 11:00

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稚内駅(JR宗谷本線)

 全国を鉄道で旅してきたフォトライター・矢野直美さんが、「みちしる」の動画の中から、日本各地、おススメの鉄道・駅舎・車両を紹介していきます。今回は、日本最北端の駅「稚内駅」です。かつて稚内駅のさらに先にあった「もう一つの終着駅」とは?


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矢野直美

  北海道札幌市在住。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。著作に『汽車通学』『ダイヤに輝く鉄おとめ』『おんなひとりの鉄道旅』など。


稚内駅

 よく晴れた夏の日に、稚内からフェリーでサハリンに渡ったことがあります。このときはサハリンを寝台列車でめぐるという企画で、心に残っているシーンがたくさんあります。なかでもすぐ心に浮かぶのは、月食を見ながら列車にゆられたこと。人口の光がほとんど見つけられない区間を走りながら、少しずつ欠けてゆく月を車窓に見る旅となり、天体の不思議と美しさに魅入っていました。

 そしてもう一つ、忘れられないのが稚内からサハリンへ渡るフェリーです。対岸の島が次第に大きく見えるようになり、やがて到着した港町は気温も風に揺れる草木も北海道とさほど変わらないけれど、そこは確かにヨーロッパ。アジアを離れて数時間しか経っていないというのに洋風の情景が広がっていることがとても面白く思えました。

 JR最北端の駅である稚内駅ですが、かつては北防波堤ドームの「桟橋駅」まで線路が延び、稚内とサハリンを結ぶ稚泊航路が定期運行していました。蒸気機関車がドームまで走り、そこから船に乗り換えて海を渡る旅。稚内駅に立つとき、そこが終着駅であるという感慨と共に、その先に続く線路と航路に思いをめぐらせます。


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もう一つの終着駅「稚内桟橋駅」