2019年08月05日 (月)鉄道フォトライター 矢野直美のおススメ鉄道旅 「広島の路面電車」


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広島の路面電車

 全国を鉄道で旅してきたフォトライター・矢野直美さんが、「みちしる」の動画の中から、日本各地、おススメの鉄道・駅舎・車両を紹介していきます。今回は、広島の路面電車です。昭和20年8月6日の原爆投下から、わずか3日後に運転を再開し、市民を勇気づけた電車です。


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矢野直美

  北海道札幌市在住。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。著作に『汽車通学』『ダイヤに輝く鉄おとめ』『おんなひとりの鉄道旅』など。

広島の路面電車

 10代のころから尾道を舞台にした大林宣彦監督の映画の大ファンです。大林作品を見続け、やがてロケ地を起点に広島をめぐるようになるとイメージが少しずつ膨らんでいきました。当初は広島イコール尾道でしたが、当たり前ですが広島県は広く、その中に尾道が存在し、JR山陽本線や呉線やさまざまな鉄道が走り、世界遺産である安芸の宮島「厳島神社」もあります。この宮島へ行くフェリーの一つが、かつて国鉄時代の鉄道連絡船であり、今では唯一となってしまったJR鉄道連絡線の「宮島航路」であるということも知っていきました。

 そして旅をきっかけに親しくなった広島の友人から聞いた言葉が忘れられません。「広島の町中には緑が多いでしょう。原爆投下後、この先ずっと緑は生えないっていわれて、でもそんなことはない、きっとまたいつか緑も町もよみがえる。そんな思いがあったから広島の人は緑を大切にしているの」。

 今も広島へ行くと、友人のその言葉と、原爆投下の3日後に走ったという広島市電のことを思います。同時に、2011311日の東日本大震災の5日後に一部区間が運行した三陸鉄道のことを。災害時に動いている鉄道は、どれほど人々の支えになり、心を勇気づけたことでしょう。

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被爆後の広島の街を走る路面電車

投稿時間:09時55分


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