2019年01月09日 (水)にっぽん 着物作りの技 西日本編


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 各地の着物作りの熟練の技をシリーズでお伝えしている、「にっぽん 着物作りの技」。今回は西日本編です。紡ぎ、染め、織りと、各地に伝わる伝統の技を動画で紹介していきます。

■絞り染め(京都)

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絞り染めとは、布の一部を糸で縛ったあと、染料につける技法です。糸で縛った部分には、染料が染み込まず、模様が生まれます。

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 絞り染めの中でも、究極の絞り染めとされるのが「鹿の子(かのこ)絞り」です。着物1枚の絞りの数は、15万を超えると言います。

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 絞りを生み出すには、指先で生地をつまみ、わずか2ミリほどの粒を糸で縛って行きます。糸で縛った部分には、染料が染み込まず、模様が生まれます。振袖1枚仕上げるのに、1年以上が費やされます。

■藍染め(徳島)

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 古くから日本人に愛された藍染め。どんな布でも鮮やかに染まるため、着物から、手ぬぐいまで幅広く用いられてきました。

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 徳島県の吉野川流域は、日本一の藍の産地です。収穫した葉を細かく砕き、水を加えて発酵させ、染料を取ります。

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 藍染めは、時間がたち乾いてくると深みのある青に変っていきます。左は染めて3年、右は20年がたっています。3年目の方は、少し赤みを帯びた青。右の方は20年を経て、深い紺色に変化しているのがわかります。

■大島紬(鹿児島 奄美大島)

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 鹿児島県奄美大島の特産品・大島紬(つむぎ)。江戸時代、幕府への献上品として重宝された絹織物です。上品な色合いと精緻な柄で、着物ファンを魅了します。

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 大島紬の最大の特徴は、職人が生み出す柄です。「龍郷柄(たつごうがら)」の幾何学模様はハブの背中の模様。ソテツの上をはう様子が織り込まれています。

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 もう一つの特徴は、少し茶色がかった淡い黒。島に生えているテーチ木という木からできた染料で、赤く染めた糸を泥田と呼ばれる田んぼの泥に浸します。テーチ木に含まれるタンニン酸と泥の中の鉄分が化学反応を起こし、大島紬独特の、味わい深い黒が生まれます。

■芭蕉布(沖縄)

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 素朴な色合い。軽く、サラリとした風合い。沖縄の伝統工芸、芭蕉布(ばしょうふ)。多くの着物ファン、憧れの逸品です。

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 秋、高さ2メートルほどに育った芭蕉を収穫します。茎の繊維を、一枚一枚剥がしたあと、繊維を裂き糸にします。

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 着物1枚に必要な糸は、芭蕉の茎、200本分。およそ半年、20もの工程を経て、ようやくできあがります。根気のいる作業ですが、暑い沖縄の気候に合った、薄くて風通しのいい布ができあがります。

■加賀友禅(石川)

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 金沢の冬の風物詩。加賀の友禅流しです。染め上がった布から、余分なのりや染料を雪解け水で洗い流すことで、鮮やかな色が浮かび上がります。

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 多彩な色の柄で知られる加賀友禅。ポイントとなるのは白。純白からグレーに近い白までさまざまです。これは、金沢の四季を彩る変化に富んだ白を取り入れたからだと言われています。

■西陣織(京都)

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 応仁の乱で、西軍が本陣を構えたことから西陣という名が付けられた、京都市北西の西陣。応仁の乱が終わると、織職人が集まり、やがて西陣界わいで作られる織物が西陣織と呼ばれるようになりました。

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 西陣織には緞子(どんす)、唐織(からおり)、お召織(おめしおり)、綴織(つづれおり)など、個性豊かなさまざまな織り方があります。

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 そのうちの一つ、綴織。織り手の方に向かって真っすぐ伸びた縦糸を、色のついた横糸で包み込むように織り、模様を描いていきます。緻密な作業のため、1日で1センチしか織り進めないこともあります。

投稿時間:11時00分


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