発掘ニュース

No.280

2020.11.20

バラエティー

91歳、金翁さんリモート出演『お笑い三人組』を語る

発掘ニュースNo.274でご紹介した『お笑い三人組』の貴重な発掘を、先日『ひるまえほっと』(関東甲信越での放送)「発掘!お宝番組」でご紹介しました。
今回はその中から三遊亭金翁さんのリモート出演でのインタビューを中心に特集します!

番組ではまず『お笑い三人組』をダイジェストで紹介。

『お笑い三人組』は昭和31年から10年間、毎週生放送されました。「あまから横丁」に住む人々の、日常の何気ない話題や騒動を面白おかしく演じた娯楽番組です。
400本以上放送されましたが、これまで残っていたのはシリーズの終わりに近いわずか2本。しかし、今回発掘されたのは放送開始から1年後の初期の作品です。

主演の三人組は、保険外交員役で講談師の一龍齋貞鳳さん。パン屋さんは、ものまねでおなじみだった江戸家猫八さん。そして、酒屋の金ちゃんこと、当時の三遊亭小金馬さんです。

お笑い三人組に加えて、桜京美さん、音羽美子さん、楠トシエさん演じる横丁のお友達やゲストも加わって、ドラマを盛り上げました。

松尾リポ「今回の映像は神戸市にある神戸映画資料館からご提供いただきました。この資料館は18000本以上のフィルムが保存されているという民間で最大規模のフィルムアーカイブスです。こちらの16ミリフィルムに『お笑い三人組』は収録されていました。“キネコ”といって放送の時の画面をフィルムで撮影したものでした。」

「映画資料館の館長・安井喜雄さんによると、このフィルムは2年前、安井さんの収集活動の中で発掘されたもので、それまで60年間どういった経緯で残されてきたのかは分かっていないということです。」

そしていよいよリモート中継!出演者の一人だった三遊亭金翁さんの登場です。

柘植アナ「金翁さんは今年91歳、来年は芸歴80年を迎えるそうですね!」
金翁さん「長くなりましたね~(笑)」
柘植アナ「お笑い三人組はどんな番組でしたか?」
金翁さん「一週間のうち4日間はとられる番組でしたね。リハーサルや台本読みだ何だと。本番が火曜日の夜8時半から9時。それまでずーっとリハーサルがあって、本番は8時半に始まって9時にピッタリと終わんなくちゃいけない。当時は生ですからね~、その時間だけはピシッと守らなきゃいけない。あれ呑気そうな顔してやってますけど大変なんです、時間見ながら言葉合わせて、セリフは一つも間違えず、これが大変でしたね。」

柘植アナ「生放送で10年間続けるっていうことは大変なことも多かったんでしょうね?」
金翁さん「やっぱりいろんなことが起こりましたね。放送の少し前に、猫八くんの奥さんが危篤になって…。涙も見せず猫八くんはお芝居していましたし、我々も気持ちは辛かったけどニコニコ笑って商売しなければいけない。これは芸人ですからしょうがありませんよね。でもやり通せたっていうことが私にとっては大変な誇りなんです。体が続いたこと、誰も病気をしなかったことは素晴らしいことだと思います。」

柘植アナ「VTRを見て口ずさんでいましたが、歌は覚えていらっしゃるんですね?」
金翁さん「歌は覚えてます!忘れませんよ。地方に行って宴会なんかがあると、あの歌を一緒に歌いましょうって。僕らよりも賑やかに歌ってくれる人もいるくらいで。」

松尾リポ「3人だからできた番組だったということはありますか?」
金翁さん「3人はしょっちゅうつるんでたというか、くだらないこと言い合っちゃあね。貞丈先生のお弟子さんの貞鳳さん、猫八さんはうちの近所にいた芸人仲間ですから、3人とも貧乏だけどいつでも一緒で、それがそのまんまお芝居やってたんです。だから息が合わないなんてことは無い。お互いがカバーしあったり、しくじってもゴメン!て言えばおしまいですから。いい仲間でした。」

松尾リポ「息子の五代目三遊亭金馬さんもそばにいらっしゃいます。」
柘植アナ「金馬さんは放送当時はまだ小さかったかと…?」
金馬さん「番組が終わったとき、僕はまだ3歳だったんです。1つ違いの兄貴がいるんですが、兄貴はかすかに覚えてるんです。ですから『お笑い三人組』を覚えてるっていう人はだいたい還暦以上の方ですね。僕はちょうどボーダーラインで。」

柘植アナ「若かりしお父さまをご覧になっていかがですか?」
金馬さん「いま自宅にいるんですが、仏壇に祖母の写真が飾ってあってその祖母にそっくりなんです、ビックリしました。」

柘植アナ「毎週生放送だった『お笑い三人組』についてはどうご覧に?」
金馬さん「リハーサルやって、いきなり本番で時間をピッタリ合わせるなんて今じゃ考えられないですよね。」

柘植アナ「金翁さん、最近はオンライン落語にも挑戦されているそうですが大変では?」
金翁さん「大変なことは無いです、同じですから。皆さん、オンライン落語をやる時、お客さんがいなくてやりにくくないですか?とか変なこと聞くんです。」
金馬さん「寄席でもお客さんがいないことありますからね(笑)」
金翁さん「前座の頃なんぞは、私は寄席でタタミ見て喋ってましたから。昔の放送はスタジオの中へみんな入って、マイクロフォン相手に喋っていて、アナウンサーの人がそばにいて笑っちゃいけないって言われてるもんだから、アナウンサーの人が笑いをこらえてるのを何とか笑わそうと変な顔したりして(笑)お客さんがいてもいなくても落語に変わりはないですよね。」

金翁さん「コロナでお客さんが入る席は間引きされてるんです。ここに座るお客さんが来られなかったんだ、気の毒だなと思います。」
金馬さん「でもオンラインの場合はブラジルで見ましたという方もいらっしゃるので驚きますよね。」
金翁さん「心配してるんですよ。明日からパリに来て落語をやってくれなんていわれても、すぐにそうはいかないですからね(笑)」

柘植アナ「『お笑い三人組』のように懐かしい番組をこうしてご紹介することは?」
金翁さん「私は結構だと思います。古い番組は自分も好きで消さずにとってあるし、こういうことやったんだなと思うのも良いですね。私の家で一番古いビデオは、私が金馬になった今から60年前、インタビューされたのを大事にとってありますね。私の母と女房の母と私たち夫婦で、1965年にハワイへ行った時の8ミリ映像があるんです。これは面白いですよ。昔のホノルルなんて全く田舎だったんです、素敵でしたよ(笑)」

金翁さんのお元気な姿、そしてユーモアに富んだ楽しいおしゃべり。
63年前の発掘映像と変わらぬ笑顔をありがとうございました!

番組収録後にはリモートでつながったお二人との記念撮影!

91歳の金翁さん、そして金馬の名を譲り受けた五代目金馬さん、
お二人とも益々お元気に高座でご活躍ください!

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