発掘ニュース

No.276

2020.10.02

音楽

8時間半!レコードの音に酔いしれた初秋の一日

30万枚のアナログレコードが保管されている埼玉・川口のNHKアーカイブス。
ここで9月21日、敬老の日に『今日は一日 川口アーカイブス レコード三昧』の生放送がおこなわれました!今回の発掘ニュースはそのダイジェストです。

一昨年11月に放送して大好評だった“レコード三昧”、その第2弾
なんと8時間半、合計66曲のレコード音楽をお楽しみいただきました!

第1弾に続き、司会はラジオDJの矢口清治さん。今回もソフトな低音で、クラシック、洋楽ポップス、ジャズ、ムード音楽、昭和歌謡などなど、さまざまなジャンルの音楽をご紹介、レコードファンを魅了してくれました!

最初のゲストは、ふかわりょうさん!司会者やコメンテーター、お笑い芸人、執筆活動、
そしてROCKETMANの名で音楽活動も行うなど多岐にわたって活躍されています。

今年3月までNHK-FMで放送していた『きらクラ!』では8年間MCを担当、クラシックにも造詣が深いふかわさん、音楽との関りのバックボーンは…
「私の音楽の根幹、基軸となっているのが兄、そして父が所蔵していたレコードなんです。こっそり兄や父に黙って針を落として聴いていた音楽が、人生の音楽ライフの核になっているんです。兄と父には本当に感謝しています。」

そのふかわさんが最初にリクエストしたのは、ご自身が生まれる前の曲。
オフコース「僕の贈り物」「水曜日の午後」です。

じっと聞き入っていたふかわさんは感極まって、曲が終わった後もしばらく目頭を押さえたままに…
「大好きな曲、大好きなレコードといっても日常で聴いているわけではないので、久しぶりに聴いて…いろんな記憶が…。無意識に聞いていた音楽を、自分から音楽を手にするようになった多感な頃にあらためて聴くと、無意識に聞いていた時とは違う共鳴の仕方というか。何層にもわたってオフコース・サウンドが私の人生を彩っているので…スミマセン、今日最後までたどりつけるか(笑)」

その後も、80年代の洋楽、クラシック、ビートルズ、ボサノバなどなど…ふかわさんの音楽ライフの一面をリクエスト曲を通して聴かせていただきました!
Q ふかわさんにとってアナログレコードの魅力とは…?
「レコードというのは可聴領域外の音も取り込んでくれる。耳では音に変換されていなくても振動は体で感じ取っていて、そういったものを我々は温かいとか、そういった表現に代えているのかと思います。針を落とすとき息を止めてしまうくらい真剣勝負の、あの時間だったり、色んなメンテナンスで手間ひまかかることも、音と対峙できる私の生活の大事な時間になっています。」

2人目のゲストはシンガーソングライターの渡辺真知子さん
「デビューが1977年ですので、まだまだA面、B面というレコードの時代。一枚一枚かける時にはキレイにして、そーっと針をおいて、その動作が良いですよね!」

「初めて買ったレコードは小学校4年生の時、加山雄三さんの『夕陽は赤く』と『蒼い星くず』の2曲が入ったシングル盤です。…先日、そのEPレコードが出てきて、見てみたらボールペンで“渡辺真知子”って名前が書いてあるんです。お友達に貸して欲しいといわれて貸した後に、ちゃんと戻ってくるようになんでしょうね(笑)」

もちろん渡辺さんの最初のリクエストは、その加山雄三さんの2曲。そして渡辺真知子さんがゲストの、この時間帯だけ…

公開生放送として、近隣の方28人に観覧いただきました。大ファンだという女性は、会場からのリクエストタイムに…
「『かもめが翔んだ日』や『迷い道』って、当時私は23歳くらいだったと思うのですが、ちょうど失恋したり恋をしたりする青春時代で、うしろでいつも真知子さんの音楽が流れていて、元気をもらった青春時代を思い出しています。真知子さんを見て可愛らしくて、自分も歳を取っていられないと思いました!」

ご自身の曲、「かもめが翔んだ日」「片っぽ耳飾り」「ブルー」「唇よ、熱く君を語れ」
「明日へ」
の5曲もアナログレコードでお聴きいただきました。「唇よ、熱く君を語れ」ではレコードならではの“針飛び”のハプニングも…。もう一度プレーヤーを変えてレコードを再点検したうえでオンエア。無事、お楽しみいただくことが出来ました。

Q 渡辺さんにとってアナログレコードの魅力とは…?
「CDだと100%以上の全ての音をクリアに届けてくれるので、受け止める方もある意味でお腹がいっぱいになってしまうんです。アナログは届くところだけ来るので耳が探す、こっちから追うんです。だから両方で歩み寄る、欲しがるっていう自分の心が探す。これが人間が出来ることなんです。」

そして、この日最後のゲストは…

華道家の假屋崎省吾さんです!
「父は公務員で母は専業主婦でした。2人とも音楽が大好きで知らず知らずのうちにクラシックを聴いていました。小学生の頃、毎月1回、母と町のレコード店に行って10枚くらいLPレコードを買ってきて、家で聴くのが楽しみだったんです。」

「小さい頃、まずバイオリンを習わせてもらったんです。N響の奏者の方に家まで来てもらって教えていただいていたんですが、とても厳しい方で一度もほめられたことが無くて…小学校6年間頑張ったんですけどやめたんです。中学一年から、すてきな楽器だなと思っていたピアノを始めたんです。」

そんな假屋崎さんからはピアノ曲をはじめクラシックばかり5曲のリクエストとともに、それぞれの曲に関する豊かな知識やエピソードを披露していただきました。
“クラシックのレコードと華道との結びつきは?”との質問に…
「すべての美しさ、ピアノ、クラシックにしても、華の世界にしても、共通点がいっぱいあるんです。“美しさ”というのは神様が創った神秘的なものです。美しいものを見たり聞いたり触ったりして癒されて、元気が百倍、千倍出てくると良いですよね。」

ゲストがいない時間帯のスタジオはこんな感じでした。
川口アーカイブスにお越しいただいたゲストの皆さんのほかにも、
渡辺満里奈さん(タレント)
横山 剣さん(クレイジーケンバンド)
春風亭昇太さん(落語家)
林家たい平さん(落語家)
辻井伸行さん(ピアニスト)

以上の皆さんからも、声のメッセージとリクエストをいただきました。
皆さん、ありがとうございました!

今回、公開で観覧いただくに当たっては、座席やマイクなどの消毒、サーキュレーターや扇風機14台を使っての換気、そして飛沫対策のためのアクリル板設置など、出来る限りの新型コロナウィルス感染防止対策を行いました。来場いただいた皆さまも、ご協力ありがとうございました。

放送した全66曲のプレイリストはこちらから!

またいつか、埼玉・川口のNHKアーカイブスから『レコード三昧』で!

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