発掘ニュース

No.266

2020.06.05

音楽

『きらめくリズム』動画公開!カラオケの元祖?

今週は発掘映像の動画クリップシリーズ、まずはご覧ください!45年前の映像で見づらい部分もありますが、当時の雰囲気を味わいながらお楽しみください。

いかがでしたか?1974年から4年間にわたって放送した音楽番組『きらめくリズム』(1975年12月13日放送分)。昭和40年代に活躍したムードコーラス・グループ鶴岡雅義と東京ロマンチカでお馴染みの鶴岡雅義さんから提供いただいた映像です。

最初に流れたのは名曲「影を慕いて」。作曲したのは古賀政男さん、鶴岡さんの師匠でもあります。そして現在放送中の朝ドラ「エール」で主人公・古山裕一と一緒にコロンブス・レコードの専属作曲家となった木枯正人(こがらし まさと)のモデルが古賀政男さん

鶴岡雅義さんからの発掘情報は発掘ニュースNo.211でたっぷり紹介しています!

『きらめくリズム』ってどんな番組?!
子供向けの音楽教育番組のような不思議なタイトル…『きらめくリズム』
4年間の放送での中で、NHKに保存されているのはわずか5本余り、すべて発掘された映像です。限られた資料ではありますが、番組の歴史と内容をひも解いていきましょう!

★はじまりは…
実はテレビ放送開始の翌年、1954(昭和29)年にも同じタイトルの番組が1月4日~4月5日まで月曜日のお昼どきに計13回放送されていました。残念ながら全く保存されていないのでどんな番組だったのかは分かりませんが、出演者の情報などから洋楽を楽しむ番組だったようです。(更に数年前の1950年頃に始まったラジオ番組にも『きらめくリズム』というタイトルがありました!シンフォニック・ジャズなどを放送し、その後、内容を少しずつ変えながら1954年1月テレビとの同時放送になったようです。)

★インストゥルメンタル音楽番組?
では、1974(昭和49)年に始まった『きらめくリズム』とはどんな番組だったのか?
新番組として紹介している年のNHK年鑑によると…
“一流のフルバンドを中心に、随時ソロ楽器のプレイヤーを加え歌謡曲の演奏を中心に楽しんでもらう番組。”
となっています。歌の無いインストゥルメンタル音楽の番組というイメージですよね。

★中西龍アナの名調子が盛り上げる!

動画クリップでもご覧いただいた通り、この番組に欠かせないのが中西龍アナの語りです。
大河ドラマや歌番組でお馴染みだった“中西節”!オープニングや曲の合間に入る中西さんの“語り”は、もう曲の一部分。『きらめくリズム』の魅力の一つでした。

★そして…!!
一番大きな変化を発見!3、4年目の番組方針が書かれたNHK年鑑によると…
“歌のない歌謡曲のテレビ版。毎回一つのテーマに沿った選曲で、楽団演奏に合わせて歌えるように歌詞をスーパー(表示)する。曲はなつメロから最近のヒット曲まで幅広く取り上げ、写真やフィルムなどを入れて曲の雰囲気を盛り上げる。

こ、これは…まさにカラオケではありませんか!!
映像の付いたカラオケが世の中に出回るのは1980年代に入ってから…。
1976~7年に、すでに音楽に合わせて歌詞の文字が画面に現れる“カラオケ風”テレビ番組が登場していたことになります。

発掘された『きらめくリズム』の一本から…

「使い古して疲れた心を、しばらくお互いに一人になっていたわろう。このままだと、きっと駄目になってしまうから。新しい愛を新しい心に育て、今度会う時は昔のように走り寄って抱き合いたい。じゃあ元気で。ええ、あなた…」

当時の東京の風景を映しながら中西龍さんの語りが流れ、次の瞬間…!

尾崎紀世彦さんが歌う名曲、「また逢う日まで」のイントロがスタート。もちろん歌手は出てこず、インストゥルメンタル!そして歌詞が!!1977年4月23日放送分で、女優の岡田茉莉子さんから提供いただいたビデオテープに録画されていました。

きっとテレビの前で歌っていた人がいたはず!と思いながら口ずさんでいる自分がいました…(笑)

この日の放送では、「さよならをするために」「つめ」「知りすぎたのね」「好きになった人」「また逢う日まで」の5曲が“カラオケ風”に茶の間に流れました。

いかがですか『きらめくリズム』カラオケの元祖というのもうなずけませんか?
色々調べて、ちょっとした発見をした気分なのですが、アーカイブスでの保存は数本だけ…。
もし『きらめくリズム』の録画テープをお持ちだという方は是非、情報をお寄せください!

思い出・コメントはこちら

ページTOP