今回の発掘ニュースは1963（昭和38）年放送のラジオドラマ『架空実況放送』「松の廊下」です。
5月30日（土）の『発掘！ラジオアーカイブス』の中で57年ぶりにオンエア！
上の写真は、当時ＮＨＫの放送会館があった東京・千代田区内幸町のスタジオでの番組収録の様子、アーカイブスに資料として残っていました！

『架空実況放送』というのは歴史上の大きな出来事を、ＮＨＫのアナウンサーがあたかもそこで見ているかのように実況するという歴史劇です。

1957（昭和32）年に始まった番組で、年間に1～3回ほど特集番組として放送。およそ30回続く人気シリーズでした！

“実況された”場面は、「タイタニック号の沈没現場」「二・二六事件」など有名な出来事ばかりです。「関ヶ原の戦い」の架空実況ではアナウンサーが東西の陣営に分かれて次々に変化する合戦の様子をスポーツ実況のように描写。ＮＨＫのラジオ放送ならではの演出ですよね！

そして今回お聞きいただいたのが、ご存知、赤穂事件の発端ともなった浅野内匠頭刃傷事件。江戸城「松の大廊下」からアナウンサーが架空実況しました。

あっ！聴き逃してしまった！という方、6月6日（土）13時55分頃まで「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでお聴きいただくことが出来ますので是非！リンク先は後ほど！

★アナウンサー＆主要キャストをご紹介！
「洋の東西を問わず、われわれの歴史の上に華々しい、そして刮目すべき跡を残した事がらの真っただ中に、ＮＨＫがアナウンサーを派遣してそのありさまをお伝えしようと試みました。」と始まる『架空実況放送』。今回、江戸城に“派遣された”実況アナウンサーの姿をアーカイブスの映像から探し出しましたのでご紹介しましょう！

河原武雄アナはスポーツアナとしてオリンピックでも実況。ヘルシンキ大会（1952年）ではレスリング・石井庄八選手が日本選手・戦後初の金メダルを獲得した試合を実況しました。架空実況では城内の移動マイクロフォンを担当しています。
羽佐間正雄アナからは番組発掘プロジェクトに“お宝ビデオ”を提供いただいています。（発掘ニュースNo.019参照）1964年東京オリンピックはじめ高校野球やゴルフなど国内外の数多くのスポーツ実況で活躍。架空実況では、終盤の刃傷事件が起きた後のドタバタの中での実況が聞きどころ！
梶原四郎アナはニュースなど報道系の番組やナレーションを主に担当。架空実況では、冒頭の江戸城内メイン実況が聞きごたえあります。

この3人のＮＨＫアナウンサーの他に、懐かしい俳優の皆さんが歴史的な人物を演じています。こちらは、これまで発掘された番組の中から映像を探してみました。

浅野内匠頭を演じたのは平幹二朗さん。吉良上野介は浜田寅彦さん。柳沢出羽守を演じた小沢栄太郎さんは、なんと大河ドラマ『元禄太平記』で吉良上野介役！松の大廊下で斬られる場面が女優の岡田茉莉子さんから提供されたビデオテープに残されていました。

さらになんと！音楽を担当したのは現在放送中の連続テレビ小説『エール』のモデルとなった古関裕而さん！

さあ、聴きたくなってきた！という皆さん、「らじる★らじる」の聴き逃しサービスでお楽しみいただきましょう。今回の放送は6月6日（土）13時55分頃までお聴きいただけます！

こちらへ↓

最後に『発掘！ラジオアーカイブス』のスタジオの様子をちらっとご紹介！

今回も新型コロナウィルスへの対策をしっかりとした中での放送。ラジオスタジオは幾つもあるため、消毒グッズはその度ごとに現場へ…それで“レンタル”と書いてあるそうです。

副調整室も出来る限りの少人数で…

終了後は、番組管理人こと後藤康之アナが自ら機材の消毒！

マスクの無い姿も1枚、パシャ！
毎月最終土曜日、午後1時5分から『発掘！ラジオアーカイブス』是非お聞きください！

思い出･コメントはこちら