発掘ニュース

No.262

2020.04.17

ドラマ

美しい田村正和さん『鳴門秘帖』ついにコンプリート!

当時30代半ばの田村正和さんが主役の美剣士・法月弦之丞(のりづき げんのじょう)を演じる娯楽時代劇『鳴門秘帖』(1977年放送 原作:吉川英治、脚本:石山透)。幕府転覆の陰謀を探るために阿波に潜入、その巧みな剣さばきで様々なピンチを切り抜けます。

もともと初回と最終回しかNHKに保存されていなかったこの作品。
発掘ニュースNo.068「美しすぎる剣士・田村正和さん『鳴門秘帖』続々発掘!」では、
3割近くが発掘によってアーカイブスに登録されたことをご報告。
発掘ニュースNo.208「田村正和さんの『鳴門秘帖』一挙に29本!あと2本に!」では、
残りがあと2本となったことをお伝えしました。そして…

ついに今回、全44話コンプリート(完全収集)!!

神戸市にお住いの大濱幹也さんから提供いただいたビデオテープです。なんと!『鳴門秘帖』全話が録画されているのです!

1本のVHSビデオテープに2話ずつ、背表紙にはその回のサブタイトルも丁寧に書かれています。ちなみに残る2話とは、第16回と第32回。

ありました!どちらも、ちゃんとそろっています!ただ一つだけ予想外だったのが…

第16回を再生してみると白黒の映像だったのです。おそらく録画した時の電波状況やビデオデッキの状態などが原因で白黒に…ほとんどの録画テープはカラーの映像で収録されていたのですが…。もしかするとアーカイブスで取り組んでいるAIによるカラー化技術を使えば、カラー映像の復元が可能かもしれません!

さて、第16回の見どころはというと!

★この音色が聞こえると登場!
『鳴門秘帖』では主な登場人物にそれぞれ“和楽器”が割り当てられていて、登場するときに音楽が流れます。回を重ねると音色を聞いただけで誰が出てくるかが分かります!この回のオープニングでは、そのことを紹介。

★多彩な出演者に注目!
『鳴門秘帖』をはじめ、『ふりむくな鶴吉』『早筆右三郎』など金曜時代劇ではメインの出演者だけでなく、周囲を彩る出演者にも注目です。この第16回では…

忍者にふんするのは元女子プロレスラーでのちに女優となったマッハ文朱さん。お綱を怪力で追い詰めます。

全編を通して重要な場面で必ず現れる旅川周馬を演じるのは角野卓造さん!悪役ですがどこか憎めない…と同時にカッコいいです。

★第32回は…?

もう1本の第32回、こちらはカラーで録画されていたのですが、45分間のうちの28分過ぎから白黒に…。女スリとして役人に目を付けられている見返りお綱が追いかけられますが間一髪のところで、助けられます。

その相手がお十夜孫兵衛孫兵衛が十数人を相手にお綱を助け出すシーンの殺陣は圧巻です!さらに続くこの回のクライマックスは、そのお十夜孫兵衛法月弦之丞宿命の対決!田村正和さんの美しい剣さばきに惚れ惚れします。

★提供者にお話を聞きました!
今回、コンプリートに貢献してくださった大濱幹也さんのお話しです!

Q 『鳴門秘帖』はどなたが録画したのでしょうか?
「私が録画しました。当時のビデオデッキはタイマーもオンかオフしか出来ず、直ぐに時間が狂ってしまって毎回テレビの時報で時間合わせをしてからセットをしていました。標準モードしか無く(3倍モード自体が世の中には存在せず)120分のテープも1本5,000円近くしていたと思います。当時、中学生だった私は親に無理を言って鳴門秘帖を録画するためだけにVHSビデオデッキを買ってもらった記憶があります。小遣いの全てはテープ代に消えました。その他では、金八先生や宇宙戦艦ヤマトなど録画したと思います。(NHK作品でなくスミマセン)それらは保存目的ではありませんでした。当時、残したい、独り占めしたいと思ったのは鳴門秘帖だけでした。」

Q どうして『鳴門秘帖』を録画しようと?
「私の生まれが淡路島で鳴門は良く親に連れられて遊びに行ってました。最初は単に時代劇が好き、鳴門という地名が含まれているというだけで何気なく見ていただけでした。しかし、和楽器で奏でられる音楽、特に田村正和さん演じる法月弦之丞の一節切の音色と殺陣の美しさに一気に魅了されました。本気で尺八を習いたいとまで考えました。その後、眉山や剣山の近くを通る度に鳴門秘帖のシーンが回想されます。ストーリー展開のダイナミックさにいつの間にか夢中になっている自分が居ました。」

Q ビデオテープは何度かご覧になりましたか?
「5~6回程見たと思います。直近で見たのは、ビデオデッキの入手が難しくなってきたタイミングでDVDへダビングした時ですから大分前になります。テープの劣化も進んでいましたがどうしても保存しておきたかった作品です。」

Q 白黒での録画になっているところがありましたがご存知でしたか?
「当時はケーブルテレビなどなく、“八木アンテナ”での受信でしたから風の強さや天候で電波が不安定でした。ビデオデッキの調整機能も今ほど高性能ではありませんでした。ですから後から観て白黒だった時は本当に泣きたくなった事を今でも覚えています。」

Q 『鳴門秘帖』はじめNHKの番組に一言どうぞ。
「『鳴門秘帖』の他にも映像では残していませんが『未来からの挑戦』(眉村卓 原作)にも遠い昔に見入った記憶があります。その後、『人形劇 三国志』など私の人生で忘れる事の出来ない作品が多々存在します。これからも夢ある作品を送り出して下さい。」

貴重なビデオテープをご提供いただき、本当にありがとうございました!中学生時代の大濱さんにお会いして感謝を伝えたい気持ちで一杯です。『鳴門秘帖』は現在、番組公開ライブラリーでご覧いただけるように作業を進めているところです。どうぞお楽しみに!

思い出・コメントはこちら

ページTOP