No.201
2018.07.13
情報番組
将棋の内藤國雄さん、発掘番組は…!?
藤井聡太七段の活躍で注目を集める将棋界、そのレジェンドの一人、内藤國雄さんが今回の発掘提供者です!『ひるまえほっと』(関東甲信越の放送)「発掘!お宝番組」にご出演いただきました。
内藤さんは将棋の世界で最高の段位九段までのぼりつめ、「棋聖」と「王位」という大きなタイトルをそれぞれ2度獲得。NHK杯でも優勝の経験があり、史上6人目(当時)の公式戦1100勝を達成した、まさにレジェンドの一人です。
その内藤さんから提供いただいたビデオテープの数々がこちら!将棋番組だけでなく、内藤さんの色々な一面が見られる番組が残されていました。順にご紹介していきましょう!
まずは少年時代のお話から…
武内アナ「藤井聡太さんは中学生でプロ棋士になりましたが、内藤さんは?」
「私は14歳、中学2年やったかな、(奨励会の)6級。藤井君はもう社会人ですよね、中学生で“棋士”ですから。私はまだ14歳のころは将棋に熱中し始めで全然弱かったです。」
関西出身の内藤さん、どんな少年だったのでしょうか?発掘ビデオの中にこんな映像が…
NHK大阪放送局が制作した『大阪発 ユーモア列車』。桂三枝さん(現・文枝さん)が司会をつとめ、この回は内藤さんの少年時代についてインタビューしています。
三枝さん「これはおいくつくらい?」
内藤さん「小学校5年生でしてね、このころはニワトリの飼育に凝ってました。大人になったら養鶏場のおやじになろうと思いましてね、ニワトリの本を買ってきては勉強していました。」
三枝さん「こちらは二十歳の頃なんですよね。ホントに老けてましたね。」
内藤さん「将棋のプロというのは、子供の頃から付き合うのがずいぶん年上の人ばっかりなんです。将棋ファンの皆さんと付き合いますからね。ですから“老成”するといいますか“ひねる”といいますか…」
三枝さん「今のほうが、かえって若く見えますよね!」
内藤さん「まあ、ちょっと芸能界に入りましたんで(笑)」
養鶏場を経営するのが夢だったという内藤さんはニワトリの言葉が分かるとのこと。スタジオでは、卵を産む直前のメスのニワトリの声や、危険を知らせる声など子供の頃から聞き分けていたニワトリの言葉で盛り上がりました!
実際は将棋の道へと進みプロとなり第一線で活躍した内藤さん、ご存知の方も多いと思いますが、全く違う世界でもプロの顔があります!こちら…
内藤さんは1976年に「おゆき」という曲で歌謡界デビュー!発掘された『歌のグランドショー』で久しぶりに「おゆき」を聞きましたが懐かしく、さすがヒット曲!フレーズも覚えているものですね。
「調子のいい日と悪い日がありましてね、悪い日のが映ったらカッコ悪いなと思ったんです。これはまあまあ80点くらいですな(笑)将棋は待った無しでしょ。歌もね、“しまった”と思うことがあるんです、「待った」したいというときが。しまった、しまった…と思いながら歌うとヘトヘトになるんです。なかなか気分良く歌えるというのも珍しいんです。」
「着物を着て歌っていましたけど、将棋指すときは背広やのに、歌うたう時は着物てなんか変な感じでね。将棋のイメージを上げようという気もありまして…将棋の宣伝も兼ねて歌ってたわけです。」
さて内藤さんの、もう一つの特技?といっていいでしょうか、こんな映像も発掘されました。
1978年放送の『芸能百選』。民謡を特集した番組のオープニングなのですが…
実は内藤さん、お酒が大好き。番組の中にお酒に絡んだ演出が組み込まれるくらい、内藤さんのお酒好きは有名でした。
こちらは関西ローカルの『きんき‘77』。タイトルがすごいですね!
小六アナ「飲みっぷりというのは、やはりグイッといっちゃう方ですか?」
内藤さん「いや、やっぱり最初の30分は慎重に飲むのが一つのコツじゃないかと思うんです。最初の30分で1合くらいをチビチビと飲みまして、それからあとは少々ピッチを上げても大丈夫ですね。」
小六アナ「身体をまず慣らして、なるほどね!序盤、中盤、終盤とあるわけですね。」
内藤さん「序盤は緩やかでないといけないですね。」
小六アナ「将棋にかなってますね。」
清水リポ「対局の前は、お酒をひかえるんですか??」
内藤さん「あー…、前の日とか“歌”の前はね。」
武内アナ&清水リポ「(大笑い)」
内藤さん「高音が出にくいですからね。『おゆき』はキーが高いんです(笑)」
色んな映像を提供いただきましたが、ご自身の将棋の対局の映像はありませんでした。 何故なのでしょうか??
「『棋譜』があるから映像が無くても将棋の場合はいいんです」
なるほど!『棋譜』というのは指した手順が全て記録された対局のデータ。棋士にとっては映像より棋譜が大切なのですね!最後に今後の目標を聞かれた内藤さん…
「再来年、“盤寿(ばんじゅ)”になるんです、81歳に。将棋指しにとって盤寿というのは、ものすごくめでたい事でして。81歳になってまだ自分が元気でおれたら、同じく盤寿になる加藤一二三さんと『盤寿対決』というのをやれたらいいなと。」
内藤國雄さん、ありがとうございました!再来年の『盤寿対決』、是非実現してください!楽しみにしています。