No.194
2018.05.18
ドラマ
あべ静江さん登場!『いごっそう段六』全話発掘!
「♪お元気ですか?そして今でも愛していると言ってくださいますか?」
1973年にレコードが発売され大ヒットした『みずいろの手紙』。
歌っているのはあべ静江さん!翌年にはこの曲で紅白歌合戦にも初出場しました。
『ひるまえほっと』「発掘!お宝番組」新年度最初のゲストとしてご出演いただき、ビッグな発掘の報告をしていただきました!(4月からは甲信越も放送エリアに!)
ご提供いただいた映像には、歌手、女優としての姿はもちろん、バラエティー番組など幅広く活躍する姿が残されていました!
「初めて見た感じがします…!あの当時って忙しすぎて、自分でもう一度見てみるっていう時間は無かったんだと思うの。だから今初めて見たような(笑)。」
武内アナ「可愛らしくて綺麗な静江さん、なぜか私はすごく面白い方というイメージが…。」
「世代によっては、そういう時期があるんです(笑)わたしのお友達の子供たちもみんな、私のことはコメディアン系の女優だと思っているみたいです。NHKでも『お笑いオンステージ』で三波伸介さんと色んなことをやらせていただきました。」
実は、あべ静江さん、最初は“おしゃべり”の仕事からスタートしたとのこと。短大生時代に名古屋の民放アナウンサーの方が講師をする学校に1年間通い、卒業後はいきなり民放ラジオでパーソナリティーとして2つの番組を同時に持つことになったといいます。
さらにその前、子供の頃は少女歌手、そして子役としてドラマなどに出演していたそうです。
「両親が音楽の仕事をしていたんです。母が歌い手で、父親がミュージシャン。母は実は、NHKさんとご縁があります。第4回のNHKのど自慢で優勝しているんです。」
武内アナ&坂本リポ「えーーーー!」
「でもその時にはわたしが既にお腹にいたので、そのまま“かけおち”をして私を生んでくれたという…私よりも情熱的な母だったなと思います。」
さて、こちらが今回提供いただいたUマチックテープ。
「うちには何百本もテープがあって、私が買った分ももちろんあったんですがファンの方からプレゼントしていただいたVTRも。」
そうしたビデオの中でも、やはり、あべ静江さんといえば冒頭にもご紹介したこちら!
「みずいろの手紙」!
武内アナ「もう、昨日のことのように思い出します!日本中が『みずいろの手紙』だったと思います、あの頃。」
坂本リポ「でも、ご自身は実は『みずいろの手紙』そんなに好きじゃなかったそうですよ。」
武内アナ「えー!!初めて聞きます!」
「抵抗感があったんです。何故かというとあのころ、どんどん女性が強くなっていく時代。だけど男性社会がまだ根強い頃で、女性は三歩下がってついていくのが美とされていたわけです。そこに抵抗したいのが女心じゃないですか。そう思うと『みずいろの手紙』は時代の女性の心の流れからは逆行している…だから私には抵抗感があったんです。この歌は歌ったら“危険”だわって。絶対この歌の色に染まってしまうって危機感を感じたの。」
「レコーディングの日に、ストライキを起こして家に立てこもるという作戦に出まして。」
武内アナ「えっ!これ阿久悠先生と三木たかし先生ですよ!」
「最終的には連れ出されて…泣きながら歌いました、悔しくて。歌ってしまうんだということが。」
しかし、逆にそんな状況でのレコーディングでの歌声が多くの人たちの心をくすぐり大ヒットにつながりました。
「この歌は本当に色が強くて、そこから脱皮できなかったんです。これじゃいけないと思って、ある時期10年間くらい封印したんです、歌わないということで。ところが、どうしても歌わなければいけないシチュエーションで歌わせていただいた時に、目の前の女性がパラパラパラっと涙をこぼされたんです。その時に、あっ!なんて私は間違ったおごった気持ちを持っていたんだろうと気付かされたの。世の中に発表した以上、この歌は私の私物ではなく皆さんの思い出とつながった皆さんのものなのに、なんて私は…と思って。それからは吹っ切れて気持ちよくこの歌を歌えるようになりました。」
そして今回の大発掘!
1976年放送の金曜ドラマ『いごっそう段六』。
全16話のうち初回を含む4話分がこれまでNHKに保存されていましたが、
あべ静江さんからの発掘ですべてがそろいました!!
舞台は戦後の東京。無名の画家(藤岡弘、さん)と、彼を一流に育てあげようとする新人画商・段六(宝田明さん)との友情を描いています。
あべ静江さんが演じたのは、段六の憧れの女性。新進気鋭のファッションデザイナーとして成功する若宮琴江です。
「すっごく印象に残っているドラマなんです。まず宝田明さんがコミカルな性格の役柄に挑戦することが珍しかった。そして藤岡弘、さんが、ものすごく“きたない”。」
武内アナ「(笑)若―い!」
「いまだに焼き付いてるんですね~頭の中に!ここまで“きたなく”しなきゃいけないのかなって、そばで見てたんです(笑)」
「このときデザイナーの役だったんですが、リハーサルの時にデザインの絵を自分で描いていたのが、そのまま本番で採用されちゃって結構緊張したのを覚えてます。…(映像を見てると)よみがえってくるの、だんだんね!」
最後に番組発掘プロジェクトへのメッセージを!
「是非是非、続けていただきたいです!当時だから作れた番組がいっぱいあると思うんです。共演させていただいた方々、残念ながら旅立たれた方にも再びお会いできる喜びもありますし、日本の宝物だと思います。いっぱい発掘していただきたいと思います。」
あべ静江さん、『いごっそう段六』はじめ貴重な番組の数々を提供いただきありがとうございました!まだ三重・松阪のご実家にたくさんあるビデオテープから“お宝”が発掘されますように!その時には、また楽しいお話を聞かせてくださいね!