発掘ニュース

No.166

2017.09.08

バラエティ

人気絶頂!33年前の鶴瓶さんに乾杯!

―――この秋、京阪神の大学のキャンパスには“鶴瓶旋風”が吹き荒れました!笑福亭鶴瓶さんは今年、なんと36の大学から学園祭に招かれました。

といっても今年の秋のことではありません。今から33年前の1984年、関西の朝のNHKニュースで放送した9分弱のドキュメンタリーリポートの冒頭です。今回の発掘は、20年以上続くNHKの人気番組『鶴瓶の家族に乾杯』でおなじみの笑福亭鶴瓶さん、若き日の“お宝映像”です!

発掘ニュースNo.124でご紹介した名プロデューサー・澤田隆治さんから提供いただいたビデオテープの中から発掘されました。では見ていきましょう!

32歳の鶴瓶さん!女子大の学園祭で、いわゆる“ピン”でトーク。会場からは爆笑の嵐!
リポートのナレーションとインタビューを聞いてみると…

「本名・駿河学。昭和26年、大阪に生まれました。幼い頃は無口だったという鶴瓶さんですが、高校に入って落語研究会を作り噺家への道を歩み始めました。」

「そして大学2年の時、噺家としてデビュー。しかし、なかなか芽が出ませんでした。」

大学時代からの友人でもあるこの人は…

「鶴瓶のホントの面白さは普段なんやから、その普段の喋り方でしゃべれと。なんで“えー、毎度…”という落語家さんの喋り方で最初しゃべってしまうのか。“あのね~”という喋り方でみんなに話しかけたら、わしらがお前のことを好きなようにみんなも好くんちゃうか?というアドバイスをした。たぶんあいつは忘れてると思いますよ(笑)」

当時、関西で女子大生に最も人気のあるタレントといわれていた鶴瓶さん…

Q. どんなところが好き?
「明るいところです。それと人間味のあるところです。」
「身近に感じる、そういうところに魅力を感じます。」
「カワイイから!(Q. 歳、あなたより上でしょ?)はい、でもすごくかわいいです!」

当時、10代の若者たちを中心に人気の番組だった、教育テレビ『YOU』の司会者、糸井重里さんは

「鶴瓶さんというのは、もうちょっとあの人が隠しているところがあるとすれば、メルヘンチックな人じゃないかなと。ホントは少女趣味なところの相当ある人じゃないかな…なんて思いながら、あの人の番組をよく見ています。」

「フォーク歌手を追ってたら、そいつらがロック歌手になっていくっていうのは悲しいでしょ?フォークのあの人らが好きやった。あのグループが好きやってずっと追ってたら、ぜんぜん音楽嗜好も違う自分たちの好きな音楽にいってしまった。でも私、原点のあの人らのフォークが好きやわ~と思うのがファンの心境なんです。僕もフォークが好きやから、ロックには決して変えない頑固さがあるんです。僕もそういう風に思われてるんちゃうかと。出だしとは全く変わりたくないし、頑固に、変えたくないと思いますね。」

人気絶頂の中でも、移動にはなるべく電車を利用。“人とのふれあい”をモットーにしていたとのこと。この頃から将来の『鶴瓶の家族に乾杯』への道を歩み始めていたんですね~!

鶴瓶さんが当時抱えていたレギュラー番組は、テレビが5本にラジオが4本。先ほどご紹介した『YOU』でも、月に1回鶴瓶さんが司会を担当していました。

『YOU』担当の女性ディレクターは…

「役者さんとかはセリフの一言一句まで決めて書くんですけど、彼の場合はそういうのを全部あっちに置いておいて、とにかく自分の言葉でやっていきはるから。我々が言葉を探す必要がないというのがすごく楽です。」
Q. 鶴瓶さんの魅力は?
「彼の場合にはみんな友達みたいなところから始まるでしょう?そこがすごく魅力だし、私も好きになりそうなタイプやしね~(笑)」

師匠の笑福亭松鶴さんは…

「自分の弟子でありながら彼の現在の人気ちゅうのは、どこにあるのか分かりまへんな。というのはね、彼が(弟子として)入ってきたときから、これは落語家になっても人気はある程度出るけど、噺やらしたらあまり上手じゃ無いと。ですから彼は彼のキャラクターでやっていきゃあええと。そやさかい、私はほかの弟子には稽古しても彼だけは稽古しまへんのや。落語はお前やったってあけへんと。」

「この世界に入って“気が付く”いうのは、一般の人間が“気が付く”もんでは何もならんのやなと。もっと神経を尖らせて、こっちでしゃべってても人が何を言うてるか?誰が入ってこられるか?っていうのを四方八方触角を伸ばして、失礼にならんような態度というのをとらないかんというのは、この世界独特のもんじゃないかと思います。封建的って言うたら語弊がありますけど、何がなんでも怒られる世界。こっちが悪くなくても怒られる世界の中で磨かれたもんではないかと思うんです。」

鶴瓶さんの爆発的な人気のきっかけといわれている、日曜深夜のラジオでのトーク番組。
テレビで引っ張りだこで大忙しになった鶴瓶さんが、変わらず大切にしていた番組だといいます。

放送作家の新野 新さんとの本音をぶつけ合うおしゃべりが人気でした。その新野さんが鶴瓶さんの将来について語っていました!

「鶴瓶くんが40歳になったとき、落語というものが今の形であるのかどうか?もしそうなった時に、その時代とフィットした語り手、話者であるだろうと。それが落語なのか、漫談なのか、どうなのか?ちょっと今からは予想が出来ないですが…常に時代と一緒にいっていると、彼は意識していないでしょうが…。やがて彼だって45歳、50歳になれば時代とのギャップは出てきますよ。そういうときに彼が、それまでの芸をためてきた、芸の部分で勝負しなければならないときがくるんじゃないでしょうか。」


2017年7月14日放送『ひるまえほっと』から

若い時から“人とのふれあい”を大切にしていた鶴瓶さん。この11年後『鶴瓶の家族に乾杯』が始まります。番組で各地の皆さんとふれあう姿は、若い頃から変わらない鶴瓶さんのありのままの姿なのだと、今回の発掘番組を見て実感しました。

鶴瓶さんは今65歳。10年後、20年後の『家族に乾杯』が見てみたいですね!

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