発掘ニュース

No.148

2017.04.07

ドラマ

渡哲也さん32歳『勝海舟』奇跡の発掘!!

新年度最初の発掘ニュースは大河ドラマ『勝海舟』。これまで見つかっていなかった、この方が主役をつとめていた貴重な回です!

渡哲也さん、当時32歳です。全52回放送のうち、第9回までの出演で病気のため主役を交代することとなった渡さん。その第6回と第7回の映像が発掘されました!

1974年放送の『勝海舟』、第6回のタイトルは「貧困」、第7回は「虫けら」。いずれも倉本聰さんが脚本を書いた見ごたえ十分の作品です!

この2話の物語の軸となっているのは、貧しかった勝麟太郎がオランダ語の辞書“ヅーフ・ハルマ”を写本するという有名なエピソード。ヅーフ・ハルマは長崎で作られた貴重な蘭和辞典で、当時オランダ語を学ぶものにとって唯一の手がかりとなる辞典でした。しかし数えるほどしか出回っていませんでした…。

どうしても欲しい麟太郎は、ヅーフ・ハルマを持っている医師の赤城筑甫をたずねます。

赤城「ヅーフハルマを貸せというのですか?どのくらい?」
麟太郎「できれば1年。」
赤城「1年?どうするんです。」
麟太郎「写します。」
赤城「写すといったって、ヅーフハルマは全8巻、ごらんの通り膨大な量ですよ…。それにここに来てご覧になる程度ならいいが、持っていかれたら私だって困る。これは私の秘蔵本ですよ。」
麟太郎「分かっております。無理を承知でお願いしているんです。」

ヅーフ・ハルマを持つ医師を演じるのは久米明さん、当時50歳です。

どうしても本を借りたい麟太郎は、夜中に来て深夜使っていない時間に写させて欲しいと詰め寄ります。しかし借用料を求められ…

赤城「(一年間で)お金にして十両ってとこでしょうかね。」
麟太郎「十両…」
貧しい麟太郎には言葉が出ません。

金を何とか工面しようと知り合いをあたる麟太郎。若き日の名優の皆さんが次々登場します!発掘映像の楽しみの一つです。

地井武男さんは32歳、蟹江敬三さんは29歳、お二人とも凛々しいですね!

結局、自分の力では十両をそろえることが出来なかった麟太郎…。しかし突然、赤城筑甫が家を訪ねてきます。

「あなたの熱意に打たれました。考えを変えたので、この本を向こう一年間あなたに貸します。損料はいりません。どうぞ使ってください。」

お金は要らないという赤城に対して麟太郎は…
「ありがとうございます!ただで借りるわけにはいきません。損料はきっと払います。自分には、後払いなら払うあてがあるんです。実は、私には目論見があります。」

麟太郎の“目論見”とは…?
『同じ写本を2セットつくり、その一つを売りに出す。すでに30両で買い取ってもらう約束が出来ている。損料の10両を差し引いても手元に20両残るはず…。それを1年でやり遂げる。』
と、いうものです。気の遠くなるような話です…。

その日から、昼夜を問わず机にかじりつく麟太郎。実は父親の小吉のおかげで赤城からヅーフ・ハルマを借りることが出来たのも知らず…

父の“小吉”役は尾上松緑さん(二代目)、このとき61歳です。また、わが道を行く麟太郎を、文句一つ言わず支え続ける妻の“たみ”は丘みつ子さんが演じました。

この大発掘、ビデオテープを提供してくれたのは埼玉県の吉見町役場の教育委員会です。

教育委員会が管理する古い施設から、この2本の1/2オープンリールのテープが発掘されたとのことで、ホームページに書き込んでくださいました。本当にありがとうございました!ちなみに何故この2話が残されていたのかは誰もわからないそうです。

大河ドラマの中でも話題作として知られる『勝海舟』、今回発掘された2話は見ごたえ十分の名作回です!番組公開ライブラリーはじめ、皆さんにご覧いただける機会を何とか設けられるよう頑張ります!

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