発掘ニュース

No.147

2017.03.31

ドキュメンタリー/教養

進駐軍のカラー映像!鳥取発第2弾

去年、地域で発掘された貴重な映像をアーカイブスに送ってくれた鳥取から、第2弾の報告が届きました!今回はカラーで撮影された進駐軍の映像です。

若い男性兵士。画面の色が少しあせていますが、カーキ色の服に帽子をかぶり微笑んでいる様子が分かります。場所は本当に鳥取市内なのでしょうか??それはのちほど。

視聴者から提供された17本の古いフィルム。去年、NHKアーカイブスがデジタル化に協力、鳥取放送局が地元の研究者とともに分析を進めた結果、昭和初期の貴重な映像の数々が発掘されたのでした。

NHK鳥取放送局が開局80年を記念して制作した『あの日の記憶~特別編』の中で注目したのが、およそ3分半のフィルムに記録されていた、“占領下・鳥取の進駐軍カラー映像”です。

話しながらカメラの方に近づいてくる2人の米兵。向かって右の男性は新聞紙のような薄い紙を持っています。ネクタイをした左側の男性は終始笑顔で語りかけています。

ボクシングのまねをしながら、じゃれ合う2人。遊びなのでしょうが、少し本気になりかけているような…特に右側の帽子をかぶった兵士。

子供たちの映像も!進駐軍の中には、家族も一緒に鳥取まで来ていた人もいたのですね。私は犬に詳しくないのですが、日本の犬でしょうか?それともアメリカから連れて来た犬でしょうか??

左側の女性はアメリカ人のお母さんでしょうか?右の女性は着物を着ているようですが、アメリカ人?それとも日本人?ピンク色の羽織が鮮やかに映っています。

先ほどの女性はこの方でしょうか?着物を着た日本人の女性に米兵がカメラの撮影の仕方を教えています。進駐軍の事務所などに勤めていた女性が、休みの日に米兵に招待されたのではないか?とのことです。和やかな雰囲気が伝わってきます。


新鳥取県史編さん委員 小山富見男さん

「こういう映像が残っていたというのが驚きでしたね。戦時中は“鬼畜米英”、アメリカやイギリスは鬼のようだと教え込まれていた。それが、進駐軍が実際にやって来てみると、いわゆる平和的な占領政策が行われていたことが伝わってくる映像ですね。」

占領期の鳥取の資料は全くといっていいほど残っていない中で、このカラー映像の発掘は研究を進める大きなきっかけにもなったといいます。小山さんがおこなった聞き取り調査の様子です。

フィルムの提供者・吉川和彦さんをはじめ、当時のことを良く知る方たちに映像を見てもらいました。すると…

撮影場所を特定できそうな情報が!

冒頭にもご覧いただいた、この映像。兵士の右奥に映っている赤いポストが鍵になりました。当時の住宅地図と照らし合わせてみると…

裁判所の前から智頭街道という道路の一角を撮影していると推測されました。

後日、小山さんが研究員とともに現地へ…。

目印になりそうなポストはありません。

映像にも映っていたと思われるタバコ店に聞き取り調査です。

戦前から続くタバコ店。映像も確認してもらい、店の前には確かに“丸い赤いポスト”があったと証言してくれました。

Q 進駐軍の兵士がこの辺を歩いていたことは?
「あります、あります。ここ(裁判所)を占領してたときにね。地域の人を招待して映写会をやったりという記憶がちょっとあります。」

調査を進めている小山さんは…「鳥取県の繁栄というものは、占領期の苦労・努力の上にあるのではないかと私は思います。そうした意味では貴重な時期の記録というものは、しっかり掘り起こして検証し伝えていかなければいけないと思っています。」

開局80年を迎えたNHK鳥取放送局が去年1年間をかけて取り組んできた“鳥取県の記憶”ともいえる映像の特集。またひとつ、新たな記録がアーカイブスに残されました。

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