発掘ニュース

No.137

2017.01.20

ドラマ

医者は何をすべきか?『赤ひげ』の傑作、カラーで発掘!

ちょっと哲学のようなタイトルですよね…。今回の発掘ニュースは、これまで何回か取り上げてきた時代劇の名作・金曜ドラマ『赤ひげ』(1972~3年放送)です。医療ドラマの先駆けで、現代にも通ずる数々のテーマを描き、問題点を浮き彫りにしています。

そのなかでも傑作のひとつ、『退院』という第32話がカラーで発掘されました!提供してくださったのは発掘ニュースNo.135に続き倉本聰さんです。

冒頭、小石川養生所を担当することになった新しい同心(幕府の役人)と小林桂樹さん演じる赤ひげ先生こと新出去定(にいで きょじょう)のやり取りから始まります。

同心「いま入所患者の台帳を見てるんだが、この中には男部屋に4人、女部屋に3人、8か月以上入っている患者がいるようだな。」
赤ひげ「それらはいずれも重症の患者で…」
「養生所定めによると、いかなる重病人といえども8カ月を超えたるものは、速やかに退所させざる事ってあるぜ。」

「分かっております。しかし彼らはことごとく重病人のうえ家が極貧のため、ここを出されれば医者にもかかれず…」
「7名のもの即刻、退院の手続きをとるよう申し渡せ。」

“うーむ、ひどい同心がやってきた。赤ひげ先生は弱い者の味方だから、きっとこの同心と闘ってくれるだろう…”と単純な視聴者の私は思ったのですが、話はどんどん深くなっていきます。

8か月を超えて退院を申し渡された1人が、治る見込みが無く痛みに苦しみ続けている新吉。娘のおこうを演じているのは音無美紀子さんです。この親子が物語の重要な役割を担っていきます。

同心の決定に納得のいかない赤ひげ先生は、“所詮、役人には病に苦しんでいる患者のことなど分からない”“歩いて残酷な現実を見なさい!”と攻め立てます。すると…

同心は刀を持って立ち上がり、「ついてこい!」

赤ひげ先生が連れて行かれた先は…

実は現実を見ていなかったのは自分自身だったことに気付かされる赤ひげ先生…。

養生所に入院させて欲しいと申請している病人が200人以上いるなかで、知り合いの紹介で診察した重病患者を特例扱いで何人も入院させてきたことを同心から指摘され、返す言葉がありませんでした。

しかし、退院しても行く先の無い新吉と娘をいったいどうするのか??

治る見込みが無く、死ぬまで痛みに苦しみ続けるという父親を“楽にしてやってほしい”と、薬による安楽死を頼み込む娘…。

医師の使命は『病を治すこと』と『患者の苦しみや痛みを取ること』だと考え、悩み続ける若い医師・保本登(あおい輝彦さん)。

はたして保本の決断は…?!そして赤ひげ先生は…?

今も様々な議論があるテーマに対し、40年以上前に正面から向き合いメッセージを発信、見た人たちに深く考えさせる。『赤ひげ』は実に見ごたえのあるドラマです。その『赤ひげ』の中でも傑作といえる一話「退院」。続きを皆さんにご覧いただけるよう、番組公開ライブラリーなど検討を進めてまいります。

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