発掘ニュース

No.128

2016.11.04

情報番組

『きょうの料理』一挙93本、若き日の“鉄人”たちも!

1957(昭和32)年に始まった超長寿番組『きょうの料理』、なんと放送開始から60年目に突入です!今回は、その『きょうの料理』が一気に93本も提供されたというニュースです。色々な方が出演していますよ!

まずはこちらをご覧いただきましょう!

“鉄人”としてもお馴染みの道場六三郎さんです。当時51歳、“鉄人”と呼ばれるようになる10年ほど前です。

道場さんが披露した料理は「鯛の姿造り」。見事なプロの腕前を見せてくれます!うろこを付けたままさばく独特の方法であっという間に姿作りが出来上がっていきます。

「宮本武蔵が『敵、八方より来たる。我に八方のかまえあり』と言いましたが、仕事中は本当に心澄ましましてね、全神経を料理に注いでいます。

料理をする時は、目を使い、手を使います。焼き物は匂いで焼けた焼けないは区別が付きます。耳でお客さんの注文を聞かないといけない…五感をフルに使うんです。」

「ところがお客様で『うちの息子は出来が悪いから、ひとつ頼む』と言われるんですけど、非常に心外なんです。これだけ運動神経から小回りから、気働きから利かさなきゃいけない仕事というのは無いんじゃないかと。」

“料理人”という仕事に対する誇りが感じられる“鉄人”道場六三郎さんの言葉です!

続いては、その道場さんとの料理対決が名勝負となったこの方…

周富徳さんです。
教えてくれた料理は「ひき肉のレタス包み 炒安春菘」。

豚のひき肉と、タケノコやニンニク、ネギ、しいたけなどの野菜、鶏のレバー、脂身をみじん切りにし、炒めて味付けしたものをレタスに包んで食べる料理です。当時はまだ手に入れるのが簡単ではなかった中華調味料の紹介などをしながら、広東料理の魅力やご自分の料理人人生を語ってくれます。

「昔、私が見習いをやっていたころは朝9時に調理場に入ったら最後まで入りっぱなしで辛かったですね。今考えてみれば自分の仕事にプラスになって役に立っていると思います。

技を“盗む”というようなやり方で仕事を覚えてきました。今はもう、手を取って教えるという時代になっていますね。」

次の方も中国料理、四川料理を日本に広めたといわれている陳建民さんです

陳さんの『きょうの料理』は、アシスタントをつとめる女性アナウンサーとのやり取りがとにかく楽しいです!

この回は介川(青木)裕子アナ。冗談を交えて、たどたどしい日本語でたくさん話しかける陳さん、介川アナは一生懸命聞きとろうとしますが…

熱く煮えたぎった料理の味見をする時に、“おたま”に直接口を付けてやけどをしないかと心配する介川アナ。陳さんは…

「ズズズッ…口、開いてないから。これ開いたら、やけどでしょ。」
「口を開けないでですか?はあぁ、なるほど…」
「わかた?よし。」

分かったような、分からないような…(笑)何度も繰り返してビデオを見てみると、どうやら“開けないで”ではなく、陳さんは“おたま”に口を“当てないで”味見をすると言いたかったようです。

『料理は愛情!』と言いながら優しく教えてくれる陳建民さんの中国料理。超一流シェフの料理の腕前とトークを満喫できるのも『きょうの料理』の魅力です!

さて、このほか発掘されたビデオには…

民放の料理番組でも司会をするなど、料理研究の第一人者として名前を広く知られた土井勝さん。上の映像は「和風料理入門」と題して、肉や魚、野菜など素材ごとに“揚げる”方法を教えてくれるシリーズの一回です。

こちらは『きょうの料理』で26年間にわたって講師を続けた小林カツ代さん。となりでアシスタントをしているのは若くしてこの世を去った池田裕子アナウンサーです。

病気で食事を取るのが難しい人たちのための優しいレシピ『いのちのスープ』で知られる辰巳芳子さんも数多く出演されています。

いかがでしたか?ビデオを提供して下さったのは千葉県にお住まいの視聴者の方です。
ありがとうございました!

ビデオを見ているとお腹が空いてくると同時に、教えてくれる料理人や料理研究家の皆さんの手際のよさに感激します。料理を全くしない私でも作れそうな気がしてくるのが不思議です!美味しい料理はいつの世も変わらない…あらためて心からそう思いました。

60年目に突入の『きょうの料理』、いつまでも続いてほしい番組の一つです。

思い出・コメントはこちら

ページTOP